2020/02/29

書評: 「畳み人」 という選択 - 「本当にやりたいこと」 ができるようになる働き方の教科書 (設楽悠介) 。仕事からモテる畳み人の存在意義




今回は、書評です。





「畳み人」 という選択 - 「本当にやりたいこと」 ができるようになる働き方の教科書 という本をご紹介します。

  • 何が書かれている本?
  • 畳み人とは?なぜモテる?
  • 「なんちゃって畳み人」 を反面教師にすると?

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、
です。

ぜひ記事を読んでいただき、本書を手に取って読む参考にしてみてください。


本書の概要


この本を一言で表現すれば、畳み人の What, Why, How が書かれた本です。


畳み人の What, Why, How
  • 畳み人とは [What]
  • なぜ求められるのか [Why]
  • どうすれば畳み人になれるか [How]


自他ともに認める畳み人である著者の設楽さんが、畳み人への想いを高い熱量で書かれています。

以下は本書の内容紹介からの引用です。

ビジネスにおいて突飛なアイデアの大風呂敷を広げる経営者やリーダーを 「風呂敷広げ人」 とするならば、この本で定義する 「風呂敷畳み人」 は、そのアイデアを着実に実行する (畳む) リーダーに対する 「名参謀」 や 「右腕」 のような存在。

これからの時代に求められるのは、リーダーをサポートしながらときにチームの先導役、ときにプレイヤーとして変幻自在に活躍する「畳み人」ビジネスパーソンなのです。

幻冬舎のカリスマ社長・見城徹氏や、メディアで話題の編集者・箕輪厚介氏が次々に立てる突飛なプランを影ながら実行に移してきた著者が、これまでに培ってきた 「畳む技術」 を惜しげもなく披露するのが本書です。

では、畳み人とは、どのような人なのでしょうか?


畳み人とは


畳み人とは、経営者や上司のアイデアを実現可能な設計に落とし込み、着実に実行をして形にする人です。

リーダーの傍らにいる名参謀や右腕として活躍し、アイデアやプロジェクトを実行するために不可欠な存在です。

畳み人に対して 「広げ人」 がいます。広げ人は、アイデアを思いつく人です。企業の創業者や経営者、上司です。大きな絵を描き、目指す先として旗を立てます。風呂敷を広げる人です。

それでは、なぜ畳み人が求められ、必要不可欠な存在なのでしょうか?


畳み人はなぜ重宝されるのか


本書で紹介されていて印象的だったのが、ドラッカーの言葉です。

Strategy is a commodity, execution is an art.
戦略はコモディティであり、実行こそアートである

私はここに、畳み人の存在意義を見ました。戦略やアイデアは、実行され形にして初めて価値が生まれます。アイデアを考える広げ人だけでは、アイデアは実現されません。実行請負人である畳み人がいてこそ、広げ人も活きるのです。

自分が畳み人として社内外で認識されると、仕事に困ることはなくなります。戦略やアイデアを実行する情熱やスキルは、どんな業界や仕事にも汎用的に使えます。著者・設楽さんの言葉を借りれば、仕事にモテる状態になるのです。

では、どうすれば畳み人になれるのでしょうか?


なんちゃって畳み人 (反面教師として)


この本には、畳み人になるための具体的な仕事術が紹介されています。

ここでは、一見すると畳み人に見えるが本当の意味での畳み人ではない 「なんちゃって畳み人」 を考え、反面教師にしてみます。

具体的には、次のような人が私が思う 「なんちゃって畳み人」 です。


なんちゃって畳み人
  • 広げ人へのリスペクト・共感・理解がない
  • 言われたことだけをやる
  • 広げ人への御用聞きでしかない


以下、それぞれを順番にご説明します。


[なんちゃって 1] 広げ人へのリスペクト・共感・理解がない


畳み人は広げ人の近くにいます。広げ人のアイデアを最初に聞く機会が多いです。

広げ人の初期アイデアに対して、いきなりダメ出しや否定から入るのは人は、畳み人にはなれません。これは、決して畳み人がイエスマンになれという意味ではありません。

広げ人のアイデアを共感し面白がるのに大事なのは、最初の段階です。初期アイデアで煮詰まっていない状態なので、突っ込みどころは多いでしょう。

しかし、その段階でダメ出しをするのではなく、広げ人へのリスペクト、共感、理解と、広げ人を応援したい気持ちから、まずは広げ人のアイデアに全力で乗っかるのです。


[なんちゃって 2] 言われたことだけをやる


畳み人は、風呂敷を広げた人のアイデアを実行する役割です。

だからと言って、広げ人が言った指示だけをやるのでは、本当の畳み人ではありません。

もちろん、広げ人が言ったことを理解し尊重することは大事です。ただし、それだけを実行するのでは、畳み人の価値は出せていません。畳み人からは、広げ人に実行プランを複数提案し、広げ人が思いつかなかったアイデアを出します

本書で興味深い表現が、クロスカウンターでした。

意味は、広げ人が思いつかなかったような実行アイデアで、実現のコアとなる価値あるアイデアです。広げ人のアイデアに対してカミソリのような鋭いアイデアを返し、そのアイデアで実現が大きく動き出す時の痛快さをクロスカウンターと表現しています。


[なんちゃって 3] 広げ人への御用聞きでしかない


3つ目の 「なんちゃって畳み人」 の特徴は、ただの御用聞きでしかない人です。

畳み人は、現場を取り仕切る役割を負っています。これはつまり、現場でできる判断は畳み人が意思決定をすべきということです。

本来は畳み人ができる決断を、いちいち広げ人に確認していたらどうなるでしょうか?

現場のスピード感が失われるだけではなく、本来の広げ人が時間を使うべきアイデア創出や、視座高く外に目を向けることの妨げになります。

畳み人は、どこまでは自分が意思決定をするのか、何は広げ人とすり合わせが必要かの判断ができ、主体的に動ける人です。


畳み人の付加価値


ここまで、「なんちゃって畳み人」 を反面教師にしてきました。

要するに言えることは、畳み人としてどんな付加価値を出すかです。畳み人とは、広げ人に寄り添い、名参謀として、時には広げ人の代弁者でありながら、広げ人の縁の下の力持ちのような存在です。

そして、最後はアイデアを実現し形にするところまで持っていきます。

広げ人は畳み人がいてこそ輝きます。逆も同じです。畳み人が真価を発揮できるのは、大きな絵を描く広げ人がいてこそです。二人三脚でアイデアを生み出し、実行し、描いた絵を現実のものにしていくのです。


まとめ


今回は、 「畳み人」 という選択 - 「本当にやりたいこと」 ができるようになる働き方の教科書 という本をご紹介しました。





最後に今回の記事のまとめです。


1.
この本を一言で表現すれば、畳み人の What, Why, How が書かれた本。自他ともに認める畳み人である著者の設楽さんが、畳み人への想いを高い熱量で書いた本。

2.
畳み人とは、経営者や上司のアイデアを実現可能な設計に落とし込み、着実に実行をして形にする人。広げ人はアイデアを思いつく人。
戦略やアイデアを実行する情熱やスキルは、どんな業界や仕事にも汎用的に使える。畳み人として社内外で認識されると、仕事に困ることはなくなる。

3.
なんちゃって畳み人 (反面教師として)
  • 広げ人へのリスペクト・共感・理解がない
  • 言われたことだけをやる
  • 広げ人への御用聞きでしかない





「畳み人」 という選択 - 「本当にやりたいこと」 ができるようになる働き方の教科書 (設楽悠介)

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。