2020/02/24

意図的戦略と創発的戦略を、仕事やキャリアに活かす




今回は、戦略と個人のビジネス・キャリアについてです。

  • 2つの戦略 「意図的戦略」 と 「創発的戦略」 とは?
  • 個人に当てはめると (ビジネスやキャリア)
  • 戦略をうまく使ってキャリアを歩んで行こう

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、二種類の戦略と、そこからの個人のレベルへの応用です。

前半では2つの戦略についてご紹介しています。後半は、個人への応用で仕事やキャリアについて戦略の視点で掘り下げています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


2つの戦略


戦略には、つくられるプロセスが正反対の2つがあります。

意図的戦略 (Planned strategy) と、創発的戦略 (Emerged strategy) です。それぞれは、次のような特徴があります。


意図的戦略
  • 計画を立てるようにあらかじめ戦略をつくる (決めてからやる)
  • トップダウン
  • 市場など外部環境が安定し、大きな方向性をトップが判断できている時に有効


創発的戦略
  • 現場でやってみて筋が良さそうであれば戦略にする (やってみて決める)
  • ボトムアップ
  • 不確実な状況で、トップよりも現場のほうが理解できている場合に有効


2つの戦略の使い分け


意図的戦略と創発的戦略で、どちらか一方が絶対的に正しいということはありません。

外部環境、企業や組織内の状況によって、戦略をつくるアプローチが異なるわけです。例えば 「0 → 1」 のフェーズでは創発的戦略、「10 → 100」 では意図的戦略、中間の 「1 → 10」 は時と場合によります。

では、2つの戦略から、個人のレベルへの示唆は何があるでしょうか?


個人でも不確実さによって使い分ける


意図的戦略か創発的戦略かの使い分けのポイントは、不確実さがどれだけあるかです。

不確実性が高ければ、「やってみて決める」 の創発的戦略が適しています。

この考え方を個人に当てはめると、次のような応用ができます。


個人への応用 (仕事の取り組み)
  • やったことがある仕事 (既存業務) は意図的戦略
  • 初めての仕事 (新規業務) には創発的戦略


既存業務は、あらかじめ仕事の全体工程を立ててから進めます。

一方のやったことがない新規業務は、最初に計画をきっちりと立てるよりも、まずは少し手足を動かしてやってみます。肌感覚でも掴めてからあらためてスケジュールやタスクの全体を描きます。

こうした既存と新規の考え方は、「両利きの経営」 に通じます。


両利きの経営


皆さんは、両利きの経営はご存知でしょうか?

イノベーション理論の1つで、企業がイノベーションを起こすための方法論です。

両利きの経営では 「深化」 と 「探索」 の両方をバランス良くやっていきます。


両利きの経営
  • 深化:既存の強化。企業であれば収益力を高める。個人であれば今ある専門スキルをさらに磨く
  • 探索:新規の模索。企業であれば新規事業への探求から始める。個人であれば新しいスキルの獲得


2つの戦略を当てはめると、深化には意図的戦略、探索には創発的戦略です。


キャリアへの応用


意図的戦略と創発的戦略の考え方は、個人のキャリアにも応用できます。


個人のキャリアへの応用
  • やりたいことが明確な時は意図的戦略
  • 自分でもやりたいことがはっきりと見えない、確信が持てない時は創発的戦略


ここでもポイントは不確実性です。これからの進む道がわかっている時は 「決めてからやる」 の意図的戦略が有効です。

一方の、やりたいことがよくわからない時は 「やってみて決める」 の創発的戦略です。ちょっと試してみる、偶然の機会に身を任せてやってみるというアプローチです。

やってみて 「これだ」 と思えば、本格的にやってみます。やってみたけど何か違うを感じれば辞めてよく、また他のことを試してみると良いです。


まとめ


今回は、2つの戦略から、個人の仕事やキャリアへの応用を考えました。

最後に今回の記事のまとめです。



1. 戦略には、つくられるプロセスが正反対の2つがある

意図的戦略
  • トップダウンで戦略をつくる (決めてからやる)
  • 市場など外部環境が安定し、大きな方向性をトップが判断できている時に有効
創発的戦略
  • ボトムアップでやってみて筋が良さそうであれば戦略にする (やってみて決める)
  • 不確実な状況で、現場のほうが理解できている場合に有効


2. 個人への応用 (仕事の取り組み)
  • やったことがある仕事 (既存業務) は意図的戦略
  • 初めての仕事 (新規業務) には創発的戦略


3. 個人のキャリアへの応用
  • やりたいことが明確な時は意図的戦略
  • 自分でもやりたいことがはっきりと見えない、確信が持てない時は創発的戦略

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。