今回は、マーケティングについてです。
この記事ではわかること
- 対話と観察でのポイント (3つ)
- 1. 建前と本音
- 2. ジョブは何か
- 3. 顧客インサイトは何か
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
対話と観察でのポイント
この記事で書いているのは、顧客やユーザーとの対話や観察でのポイントです。
例えば、インタビューや観察調査、B2B であればミーティングや商談の場で顧客理解をするために意識しておきたいことです。
具体的には次の三つです。
対話と観察でのポイント
- 建前と本音
- ジョブは何か
- インサイトは何か
では、それぞれについて順番に見ていきましょう。
[ポイント 1] 建前と本音
ユーザーが語る・示すことは一部に過ぎません。言わば氷山の一角です。
海面の下には言動では示されない本音が隠れています。対話や観察では兆候として時々出てくるものの、何もせずに待っているだけでは顧客の本音を知ることはできません。
対話や観察では、建前と本音を意識することが大事です。特に相手の本音は何かです。
さらに本音には二つあり、意識していることと、本人も自覚できていない本音があります。
奥にある気持ちを理解するためには、以下のような三階層で見ていくといいです。
本音までの三階層
- 言動、表情や仕草 [表面的な事象]
- 意図や目的、感情、隠れた前提、意識している本音 [背後の構造]
- 自覚していない本音、価値観 [さらに奥にある本質]
自分とは違う他人であるユーザーの本音を 100% 理解することはできませんが、ユーザーと向き合う時に少なくとも 「建前と本音は異なる」 「本音は何か」 を意識しておくといいです。
[ポイント 2] ジョブは何か
皆さんはマーケティングの 「ジョブ理論」 をご存知でしょうか?
ジョブとは、Jobs to be done で、日本語に訳すと 「片付けたい用事」 「済ませたい仕事」 です。ジョブをそのまま用事と訳すとニュアンスが少し異なるので、ここではジョブという言葉を使います。
ジョブ理論の考え方は、顧客はジョブを解決するために商品やサービスを 「雇う」 と表現します。
ジョブの具体的なイメージを理解するために、Amazon に当てはめてみましょう。
Amazon を 「雇う」 理由 (ジョブの例)
皆さんは、Amazon を使っていらっしゃるでしょうか?Amazon は消費者のどんなジョブを解決しているでしょうか?
私が Amazon を雇っている理由は二つあります。
一つは、お店に行かずに買い物を済ませたい、二つ目は近くの店には売っていない様々なものを手に入れたいです。こうした買いものプロセスのジョブを解消してくれるのが Amazon です。
自分たちは最適な 「雇う手段」 か
ユーザーとの対話や観察で意識しておきたいポイントの二つ目は、顧客にとってのジョブは何かです。
そのジョブを解消するために雇う候補中で、自分たちの商品やサービスは最適な手段なのかです。
ジョブを通じて競合も見えてきます。顧客にとって自分たちの商品・サービス以外にどんなものを雇う可能性があるかです。自分たち以外の選択肢が競合になります。
顧客がジョブを解決するために雇う候補として、すぐに頭の中に思いついてもらえるかもマーケティングでは重要です。
何のヒントもなしに思い浮かべてもらえるか、これをマーケティングの言葉で言えば純粋想起をしてもらえるかです。真っ先に思いついてもらえれば、つまり第一純粋想起 (Top of mind awareness) のポジションを獲得できています。
[ポイント 3] インサイトは何か
顧客理解において、マーケティングで重要な考え方が顧客インサイトです。
マーケティングでのインサイトとは、人を動かす隠れた気持ちです。普段は顧客自身も意識していませんが、そうだと気づかされれば行動や時には習慣すらも変えるほどの奥にある感情です。
インサイトの理解を深めるために、ハーゲンダッツのアイスの例で見てみましょう。
この話は以前に、私がある対象者の女性から聞いた内容です。インタビュー中に出てきたハーゲンダッツを自宅で食べている話です。
ハーゲンダッツのインサイト
- 会社の上司や同僚との人間関係は良いが理想的とは言えない。SNS でのつながり、お互いの承認欲求の満たし合いになんとなく気疲れを感じている
- どこか背伸びした自分がいて、素の自分になれていない
- 1日の最後は1人だけの自分の時間が欲しい (ハーゲンダッツへの消費者インサイト) 。誰の目も気にしなくていい、ほっとできる大切な瞬間
- この時間のお供がハーゲンダッツ。自分を飾ることない自分らしい贅沢な時間にできる
インサイトのイメージ、いかがでしょうか?
インサイトは直接顧客の口から言葉では出てきません。だからこそ、ユーザーとの対話や観察で意識しておきたいことです。その人にとってのインサイトとは何かを常に頭の中にでも置いておきます。
顧客インサイトは、顧客から答えを直接教えてもらうのではなく、マーケター自身が自ら見出す姿勢が大事です。
まとめ
今回は、マーケティングについてでした。ユーザーとの対話や観察でのポイントを3つご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
ユーザーとの対話や観察でのポイント
- 建前と本音。特に本音は何か
- ジョブは何か。自分たちの商品・サービスはジョブ解決のために雇う候補の中で最適なものか
- インサイトは何か。顧客から答えを直接教えてもらうのではなく、マーケター自身が自ら見出す