投稿日 2020/09/03

大事なことは3回伝えよう (電通調査からの示唆)


今回は電通の調査から考える、ビジネスコミュニケーションについてです。

この記事でわかること


  • 電通のテレビショッピング番組の調査
  • 買いたい気持ちを倍増させる方法
  • ビジネスコミュニケーションへの応用

記事の前半では電通報に紹介されていた、買いたい気持ちを2倍にする方法をご紹介します。

後半では買いたい気持ちを倍増するメカニズムを応用して、ビジネスコミュニケーションへの横展開をして掘り下げます。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


電通のテレビショッピング番組の調査


電通報の記事を読みました。

発見!買いたい気持ちを2倍に増やす、超シンプルな方法。|電通報 (2020年7月16日)

記事のタイトルにもあるように、買いたい気持ちを増やすための考察が興味深く書かれています。

電通のテレビショッピング番組の調査によれば、買いたい気持ちを起こすためには、3つのステップが有効とのことです。


 「買いたい」 までの3ステップ


3つのステップとは、始めにネガティブなメッセージを伝え、次にポジティブ、そして最後に買いたいと思ってもらう流れです。

✓ 「買いたい」 までの3ステップ
  • ネガティブ
  • ポジティブ
  • 買いたい気持ち

出典: 電通報

上のグラフを提示して電通報では、次のように説明されています。

ロールごとに見ると、すべてのロールで最初に 「悪いね (グレーの実線) 」 が高まり、その後に 「いいね (黒の実線) 」 が、そして最後に 「買いたいね (赤の点線) 」 が高まる傾向があるのが分かります。

これは、まず冒頭でネガティブな共感を獲得し、その後に商品の存在を伝えて好感をつくり、最後に対価を伝えて購買を決断してもらう、というテレビショッピングの鉄板ストーリーが生み出した心の流れとなります

流れをシンプルに整理すると、「悪い → いいね → 買いたい」 です。


メッセージを3回繰り返す


先ほどのグラフを 「買いたい気持ち」 だけに絞ると、次のようになります。


出典: 電通報

メッセージを3回繰り返すによることによって、3回目で買いたいという気持ちが2倍になったのです。

では、なぜ3回なのでしょうか?


買いたい気持ちが倍増するメカニズム


メッセージを繰り返すことによって、次のような態度変容を期待できます。

✓ 態度変容の変化
  • 1回目で認識をする
  • 2回目で検討する
  • 3回目で決める

1回目のメッセージによって、頭の中で考える対象として意識されます (選択肢としてテーブルに上がる) 。

2回目にメッセージを受け取ることによって、他との比較、買う理由・買わない理由を検討し始めます。そして3回目で自分が買う理由に納得をして決断します。

このように、少しずつ階段を上がるように意思決定をしていくのです。

電通の研究はテレビショッピングでしたが、買いたい気持ちを倍増させる方法はビジネスコミュニケーションへ応用することができます。


ビジネスコミュニケーションへの一般化


では最後に、今回の学びを整理してみましょう。

一言で言えば、コミュニケーションで 「大事なことは3回伝えよう」 です。

例えば仕事のプレゼンテーションでは、次のように応用できます。

✓ プレゼンへの応用
  • 最初に結論を言う
  • 途中に2回目としてメッセージを伝える
  • 最後に結論でダメ押しをする

プレゼンテーションのような場でなくても、お客との商談、社内のミーティング、立ち話や雑談でも意識して重要なことは繰り返すといいです。

全く同じ言い方では場合によってはしつこく聞こえるかもしれませんが、最初、途中、最後の3回で大事なことは伝えます。最後に、何を・いつまでにやってほしいかを添えると効果的です。


まとめ


今回は、電通のテレビショッピング番組の調査と考察から、ビジネスコミュニケーションへの応用を考えました。

最後にまとめです。

買いたい気持ちを起こす3つのステップ
  • 冒頭でネガティブな共感を獲得
  • 次に商品の存在を伝えて好感をつくる
  • 最後に買いたいと思ってもらう

メッセージを3回の繰り返し、態度変容を起こす
  • 1回目で認識をする
  • 2回目で検討する
  • 3回目で決める

ビジネスコミュニケーションへの一般化 (プレゼン)
  • 最初に結論を言う
  • 途中に2回目としてメッセージを伝える
  • 最後に結論でダメ押しをする

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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。