今回は、ビジネスでの問題設定についてです。
この記事でわかること
- 二種類の問題設定
- 「問題明確型」 の特徴
- 「理想提示型」 の問題設定方法
- 二つの問題設定の注意点
この記事で書いているのは、問題設定には大きく二つあるという内容です。
二つとはどのような問題設定なのでしょうか?
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
二種類の問題設定
ここではそれぞれの名前を、「問題明確型」 と 「理想提示型」 と呼びます。
順に掘り下げてみましょう。
1. 問題明確型
一つ目の問題明確型の特徴は、見ればそれが問題であることは誰にも明確なことです。
始めから関係者間で問題設定の認識が揃っています。
問題解決のイメージは、マイナスをゼロに持っていきます。例えば、売上が減少し、固定費が変わっていないので PL が赤字になっている状況です。誰が見ても問題であることは明確です。
2. 理想提示型
もう一つの問題設定は、理想提示型です。
これは一見するとはっきりと問題であるとは思えないものです。人によって、それを問題と捉えるのかどうかが変わります。
というのは、見えている人には理想 (あるべき姿) と照らし合わせると現状が問題だと認識します。しかし理想を持っていない人にとっては、問題だとは思わないわけです。理想を提示することによって初めて問題だとわかります。
先ほどの問題明確型がマイナスをゼロにする問題解決に対し、この理想提示型はゼロをプラスにする問題解決です。
売上の例に合わせると、理想提示型は売上が前年比 110% の状況を問題だと見なします。
なぜなら、市場全体の伸びは 140% なので、市場の中で優位性を持つ自社は本来はもっと伸ばせたはずである、従って売上が前年比 110% しかないのは問題と捉えるからです。
では、この理想提示型について、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
理想提示型の問題設定方法
理想提示型で最初にやらなければいけないのは、それが問題であるという認識を揃えるところからです。
人によって問題認識の差があり、もっと言えばある人は問題と思っていても、別の人はそもそも問題と気づかないからです。
どこが問題なのか、なぜ問題なのかの根拠を明確にします。そのためにはあるべき姿という理想から描く必要があります。
あるべき姿を解像度高く描き、理想と比べた時に現状とのギャップから本当に解決すべきことを問題として設定します。
理想と比べて現状が問題であるという認識を合わせます。そこから問題の所在は具体的にどこなのか、問題箇所を掘り下げて真因の追求をし、解決するための課題を見い出します。
二種類の問題設定の注意点
ここまで、問題設定には二種類があるという内容でした。問題明確型と理想提示型です。
二種類の問題設定の注意点は、それは問題明確型なのか、理想提示型なのかをまず見極めることです。
前者の問題明確型であれば、問題であることの根拠は関係者で同意されているので、問題追及をするために掘り下げる箇所を見極め、本質的な原因の把握、そして解決策と進みます。
後者の理想提示型であれば先ほども見たように、まずは理想を描きます。
理想と現状のギャップから、そもそもこれは問題であるという根拠を明確にし、認識を関係者間で合わせます。ここが最初の重要なポイントです。
問題認識が揃ったところで、その後は問題明確型と同じプロセスに進みます。問題箇所の把握、根本原因である真因の追求、そして解決策です。
まとめ
今回は、問題設定についてでした。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
二種類の問題設定
問題明確型と理想提示型。問題明確型は見ればそれが問題であることは誰にも明確。
理想提示型は、理想を提示することによって初めて問題だとてわかる。
「理想提示型」 の問題設定方法
あるべき姿を解像度高く描き、理想と比べた時に現状とのギャップから本当に解決すべきことを問題として設定する。
二種類の問題設定の注意点
それは問題明確型なのか、理想提示型なのかをまず見極める。
理想提示型は、理想と現状のギャップからなぜ問題かの根拠を明確にする。その後の問題設定プロセスは共通 (問題箇所の把握、真因の追求、解決策) 。