今回は、マーケティングについてです。
ジョブ理論を取り上げます。
この記事でわかること
- マーケティングの本質
- 顧客理解のキーワードは 「ジョブ」
- 四象限でジョブを理解する
- ジョブの活用方法 (4つ)
この記事で書いているのは、マーケティングで鍵を握るジョブについてです。
ジョブとは何でしょうか?
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
マーケティングとは
ジョブの話に入る前に、まずはマーケティングについてです。
皆さんはマーケティングと聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか?マーケティングとは何でしょうか?
私の定義は、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。選ばれるとは、買ってもらえる・使ってもらえる・来店や訪問される・指名されるです。
選ぶという行為の主体者は顧客です。自分たちはなぜ顧客に選ばれるかの顧客理解が、マーケティングの起点になります。
顧客理解のキーワードはジョブ
選ばれる理由を知るために、ジョブです。
ここで言うジョブとは、Jobs to be done で、日本語に訳すと 「片付ける用事」 「済ませたい仕事」 になります。
もう少し意訳をすると、ジョブとは顧客が解消したい不、もっとよくしたい欲求です。不とは、不便・不満・不安・不都合・不快などの総称です。
不と欲の両方を含んでいるのがジョブです。
ではここからは、ジョブの活用方法を見ていきましょう。
ジョブの活用方法
ここでご紹介するのは、次の四つです。
ジョブの活用方法
- ジョブの Before / After を考える
- 競合をジョブ視点で設定する
- 顧客が雇っているものは何か (既に存在する代替手段)
- 顧客自身がまだ自覚していないジョブは何か
では、それぞれについて順番にご説明します。
[活用 1] ジョブの Before / After を考える
ジョブを考えることによって、何が満たされていないのか、具体的な不や欲求は何かの見極めにつながります。
これがジョブの Before です。
次にジョブが済んだ時の状態をイメージします。ジョブが片付いた後に、顧客はどんな気持ちになるかも併せて理解します。
プロセス全体で考えるといいです。
ジョブをプロセスで捉える
- そもそもどんなジョブがあるか (Before)
- 顧客は商品やサービスを雇うことによってどのように解決されるのか (During)
- 解決された後の状態や気持ち (After)
[活用 2] 競合をジョブ視点で設定する
競合の設定をジョブの観点で考えます。
顧客が自分のジョブを解決したいと思った時に、頭に浮かぶ選択肢が競合になります。厳密に言えば、選択肢の中の自分たち以外が全て競合です。
マーケティングでは、第一想起という指標を重視します。
ジョブの文脈で表現すれば、第一想起は、ジョブを解決したいと思った時に一番始めに頭に思い浮かぶ選択肢です。最初に想起されるので、その方法がジョブを片付けるために雇用するものとして、最も選ばれる確率が高いのです。
引き出しを開けた時に、一番手前のポジションに自分たちがいるかどうか。これを見る指標が第一想起です。
[活用 3] 既に存在する代替手段
自社以外の既に存在するジョブへの解決手段を掘り下げることによって、自分たちの商品やサービスの勝ち筋を見出します。
既に存在する代替手段の方法では何が足りていないか、満たしていないものは何かです。ジョブ解決策として不十分なことがあれば、そこにビジネスチャンスがあります。
[活用 4] 顧客自身がまだ自覚していないジョブ
マーケターの腕の見せ所は、顧客自身もはっきりと説明ができない、自覚すらしていないような潜在的なジョブを発見できるかです。
普段は無自覚ですが、そうだと気づかされれば明確なジョブになる、なんとしてでも解決したいと思えるような不や欲求です。マーケティングで言う消費者インサイトです。
既に顕在化しているジョブは明確なニーズです。それに比べて潜在的なジョブは、顧客に直接聞いても出てきません。顧客自身も気づいていない領域まで顧客理解を掘り下げられるか。ここにマーケティングの難しさと醍醐味があります。
まとめ
今回は、マーケティングのジョブを取り上げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
マーケティングの本質
マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 。選ぶという行為の主体者は顧客。自分たちはなぜ顧客に選ばれるかの顧客理解が、マーケティングの起点になる。
ジョブ
ジョブとは顧客が解消したい不 (不便・不満・不安) 、もっとよくしたい欲求。不と欲の両方を含んでいるのがジョブ。
ジョブの活用方法
- ジョブの Before / After を考える
- 競合をジョブ視点で設定する
- 顧客が雇っているものは何か (既に存在する代替手段)
- 顧客自身がまだ自覚していないジョブは何か