2020/09/17

詐欺師集団に学ぶ、相手から信頼されることの順番と重要性




今回は、信頼についてです。


この記事でわかること


  • 小説 「トロイの木馬」
  • 人が相手を信じるとき
  • まずは人としての信頼獲得から
  • 順番が逆になっていないか (注意点)


記事の最初に取り上げるのは、ある小説です。

そこから後半は、人が相手を信じるのはどんなメカニズムなのかを掘り下げます。

ビジネスにも着想を広げ、相手に自分の要望を伝えるためのを書いています。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


小説 「トロイの木馬」


最初にご紹介したい本があります。小説 トロイの木馬 (江上剛) です。





この小説のストーリーは、詐欺集団が日本の転覆を企てるという話です。

以下はこの本の内容紹介からの引用です。

バブル全盛期にチームを結成し、数々の仕事をこなしてきた老人詐欺師グループ。

認知症が進むリーダーのクルスが呟いた転覆という言葉に、彼らは決意する。最後に日本国の転覆という大きな仕事を成し遂げ、死に花を咲かせよう、と。

書き下ろし長篇経済小説。

この小説を興味深く読めたのは、人が詐欺にひっかかるという嘘を信じる過程です。

欲に目がくらみ、最初は疑念を抱いていたとしても、徐々に信頼していく人間心理を興味深く読めます。ここで言う欲とは、お金、権力、支配、女です。


人が相手を信じるとき


小説 トロイの木馬 を読んで改めて考えさせられたのは、人はどういう時に相手を信じるのかです。

いきなりですが、皆さんは 「エトス」 「パトス」 「ロゴス」 をご存知でしょうか?

簡単に言うと、エトスは信頼、パトスは共感、ロゴスは論理です。

もう少し補足すると、エトスは、その人自体への信頼です。話の内容の信ぴょう性も含みます。

パトスは人への共感に加え、話のバックグラウンドも含めた共感です。バックグラウンドとは例えば、ビジョンや目的、問題意識です。

ロゴスは論理で、その人に筋が通っているか、話の中身の論理性やロジックです。

エトス・パトス・ロゴスは、影響力の作用に順番があります。この並びの順で土台として信頼があり、共感できる、そして論理です。裏を返せば、たとえ論理性は優れていたとしても、話の内容に共感ができず、相手に信頼がなければ説得力はありません。

では、ここからはビジネスに着想を広げて見ていきましょう。


まずは信頼獲得から


例えば、仕事で何かの要望やお願いを誰かにする場合です。特に、まだそれほど親しくない相手です。

小説 トロイの木馬 の詐欺師の振る舞いや、エトス・パトス・ロゴスからの示唆は何でしょうか?

まずは何よりも相手からの人としての信頼を獲得する重要性です。自分の人間性への信頼を獲得することが大事です。

小説 トロイの木馬 では、詐欺師は皆、意識的に無意識的にも自分の立ち振る舞い言動、表情や仕草から、まずは相手の信頼を得ようとしました。

十分に人としての信頼を築いてから、本題に入り話 (詐欺話) の詳細を持ち掛けます。つまり、順番は相手を理解し、信頼を獲得してから、こちらから要望を伝える、です。

翻って、私たちの仕事での進め方は、逆の順番になっていないでしょうか?


順番が逆になっていないか


えてして人は逆の順番になります。

自分の要望ばかりが先に走り、相手から見れば話や人としての信頼できるかの考慮や配慮は二の次になっています。信頼がまだできてきないと感じる相手からすると、警戒して当然でしょう。

相手の立場や思いを理解しようとすることなく、一方通行のお願いや要望になっていないでしょうか?

一方通行ではなく両側通行、かつ順番は 「相手を理解して、信頼を獲得、そして要望を伝える」 です。

信頼が獲得でき相手との絆が深まって、頃合を見てからこちらの要望を伝えるといいです。人が動くのは 「理」 だけではなく、「情」 です。

重要なので繰り返しますが、順番は 「相手の理解、信頼獲得、その後に自分が望むこと」 です。


まとめ


今回は信頼についてでした。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


 「エトス」 「パトス」 「ロゴス」
  • エトスは、その人自体への信頼。話の内容の信ぴょう性も含む
  • パトスは人への共感に加えて話のバックグラウンド (ビジョンや目的、問題意識)
  • ロゴスは論理で、その人に筋が通っているか、話の中身の論理性やロジック
  • 影響力の作用に順番がある。信頼が土台としてあり、共感できる、そして論理


まずは信頼獲得から
相手からの人としての信頼を獲得する。信頼が獲得でき相手との絆が深まって、頃合を見てからこちらの要望を伝えるといい。順番は 「相手の理解、信頼獲得、その後に自分が望むこと」 。





トロイの木馬 (江上剛)

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。