今回は、マーケティングでのブランドについてです。
この記事でわかること
- 顧客とファンの違い
- iPhone での例
- ブランドへの一般化
- ファンをつくるために
記事の最初に、顧客とファンの違いは何かを書いています。
後半は横展開をして、ブランドとは何か、ブランドをどうやってつくっていくかを掘り下げています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
顧客とファンの違い
皆さんはもし、「顧客とファンの違いは何か」 と聞かれれば、どのようにお答えになるでしょうか?
音声配信の Voicy でキングコングの西野亮廣さんが、顧客とファンの違いを分かりやすく説明してくれています。
顧客とファンの違い
- 顧客は商品やサービスを愛している人 (買ってくれる, 使ってくれる人)
- ファンは提供者を愛している人 (支持, 応援してくれる人)
顧客とファンの違いを、iPhone を例に見ていきましょう。
iPhone での例
顧客は、iPhone を便利だと思い気に入って使っている人です。
ファンは iPhone を提供する Apple のことが好きな人です。iPhone や Mac などのプロダクトだけではなく、Apple が提示する世界観やストーリーも含めて、Apple のことを愛しているのがファンです。
では、ここまでの顧客とファンの違いをマーケティングでのブランドに横展開してみます。
ブランドとは何か
まずは、そもそもブランドとは何かです。
私の一言の定義は、ブランドとは、ポジティブな感情が伴った商品やサービスあるいは企業です。ポジティブな感情とは例えば、好き、満足、共感、誇り、憧れです。
深い感情移入がされているほど強いブランドになります。
顧客とブランド、ファンとブランド
先ほど見た顧客とファン違いをブランドにつなげてみましょう。
「顧客にとってのブランド」 と 「ファンにとってのブランド」 は、同じではないことが分かります。
顧客とは商品やサービスを買ってくれる・使ってくれる人でした。顧客が感情移入をしているのは、商品やサービスです。例えば iPhone のことが好き、iPhone に満足しているのが顧客です。
では、ファンにとってのブランドとは何でしょうか?
ファンは商品やサービスの提供者を応援したり、愛している人です。ファンが感情移入をしている対象は提供者です。例えば Apple そのものに好き・共感・誇りなどのポジティブな感情を抱いています。
ではここまでの話を踏まえて、どうやってファンをつくっていけばいいのか見ていきましょう。
感情移入が起こるプロセス
ブランドとは好ましい感情移入が伴った商品やサービス、企業でした。
感情移入はどのように起こるのでしょうか?
感情移入はユーザー体験からです。商品やサービスを認知し、購入するプロセス、利用時において具体的なユーザー体験から直接的に感情が形成されます。
商品やサービスへの感情移入に加えて、提供者への信頼や共感からも感情は生まれます。
商品やサービスと違って提供者自体を使うことはありませんが、企業が示すビジョンやミッション、発信するメッセージ、振る舞いなどから感情が沸き起こります。商品やサービスを使い提供者への信頼感が増す時にも感情は生まれるでしょう。
以上のような商品やサービスを超えて提供者のレベルでも深く感情移入が起こった時が、顧客からファンになる瞬間なのです。
ブランドコア
ブランドの根幹にあるのが、ブランドコアです。
ブランドコアには三つの要素があります
ブランドコア
- 実現したい世界観 [ビジョン]
- そのために使命としてやること [ミッション]
- 大切にしている価値観 [バリュー]
今回の記事で掘り下げてきた顧客とファンの違い、ブランド、感情移入プロセスの全体から考えると、ファンをつくるためには商品やサービスのブランドコアと、企業としてのブランドコアの両方が重要です。
二つのブランドコアは必ずしも一致しませんが、顧客からファンのレベルに持っていくためには商品・サービスのブランドコアだけではなく、企業 (提供者) としてのブランドコアも顧客に積極的に発信し、共感と信頼からファンになってもらうのです。
まとめ
今回は顧客とファンの違い、ブランドについて掘り下げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
顧客とファンの違い
- 顧客は商品やサービスを愛している人 (買ってくれる, 使ってくれる人)
- ファンは提供者を愛している人 (支持, 応援してくれる人)
ブランド
ブランドとは、ポジティブな感情が伴った商品やサービスあるいは企業。ポジティブな感情とは例えば、好き、満足、共感、誇り、憧れ。深い感情移入がされているほど強いブランド。
感情移入はユーザー体験から
商品やサービスの認知、購入するプロセス、利用時においてユーザー体験から感情が形成される。提供者への信頼や共感からも感情は生まれる。
顧客からファンへ
商品・サービスのブランドコア (ビジョン・ミッション・バリュー) だけではなく、企業 (提供者) としてのブランドコアも顧客に積極的に発信し、共感と信頼からファンになってもらう。商品やサービスを超えて提供者のレベルでも深く感情移入が起こった時が、顧客からファンになる瞬間。