投稿日 2022/10/16

オンライン商談で NG な問いかけパターン3つ。お客さんの困りごとを掘り下げる方法


今回のテーマは、顧客理解です。

興味深かった 「オンライン商談での NG 質問」 をご紹介し、そこからマーケティングに学べることを深掘りしていきます。

✓ この記事でわかること
  • オンライン商談で NG な質問とは?
  • 「何に困ってますか?」 では答えは出てこない
  • ビジネスの根幹は顧客設定と問題設定
  • お客さんの問題を深く理解する方法

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

オンライン商談での質問


日経 MJ のコラム 「神田昌典の未来にモテるマーケティング」 で、オンライン商談や説明会で、典型的な3つの間違った問いかけが紹介されていました。

NG な質問パターン3つ


コラム記事から引用します。

一つ目の間違いは、「ご質問はありますか?」 である。説明会でこれを言うと、たいてい手があがらず、静まり返る。さすがに気まずくなり 「ぜひご検討ください」 とその場を締めくくるわけだが、そういう商談や説明会は、顧客の反応は鈍い。

 (中略) 

2つ目の間違いは、「どんな悩みがありますか?」 「どんなことでお困りですか?」 という問題を聞き出そうとする表現である。お客様が自社の問題を把握していれば答えが返ってくるかもしれないが、悩みや困りごとが整理できていない人は多い。把握していたとしても、自分の悩みを答えると積極的に営業される可能性があるので、答えたくないと思わせてしまう。

 (中略) 

3つ目の間違いは、紹介依頼のときの表現。「友人・知人をご紹介いただけますか?」 だ。こう聞かれると、相手は 「ちょっと思い当たらないなぁ」 と反射的に断るか、「思いついた時に連絡する」 と言って永遠に連絡してこない。

こう変えるといい


コラムでは、3つの NG 質問は次のように変えてみると良いと書かれています。

  • [NG] ご質問はありますか?
  • [Good] どんなご質問に、(私は) お答えできますか?

  • [NG] どんなことでお困りですか?
  • [Good] (貴社の) ○○ という目標 / 計画を達成するうえで、今、最も大きな障害になっていることは何ですか?

  • [NG] 友人・知人をご紹介いただけますか?
  • [Good] ○○ 様と同じように本商品に興味をもつ方に出会うためには、どんなイベントに参加されたり、どんな会社に連絡されたりしますか?
  • [Good] 本商品に興味をもちそうな、どんな人をご存じですか?

 「目標達成を阻害する要因は?」 で掘り下げる


3つの NG パターンのうち、特に考えさせられたのは2つ目の 「どんなことでお困りですか?」 でした。

お客さんが感じている課題感や問題点を理解するのに、「何が問題か」 とストレートに訊いても、自分が本当に知りたい答えはなかなか出てきません。そこで質問に工夫をして、「目標や計画を達成する上で、今最も大きな障害になっていることは何ですか?」 と質問するわけです。


顧客設定と問題設定


あらゆるビジネスで共通するのは、お客さんの問題を解決し、お客さんに価値を提供することです。価値提供の対価としてお金をいただきます。

自分たちのお客さんは誰なのか、そのお客さんが抱える問題をどうやって解決するのかという 「顧客設定」 と 「問題設定」 は、ビジネスの根幹です。

お客さんの問題を解決するためには、言葉にすると当たり前ですが、その問題構造を深く理解する必要があります。

具体的には次のような視点で問題を掘り下げます。

✓ お客さんの問題を理解する視点
  • どういう状況で起こっている問題か
  • 問題が発生する頻度、問題の影響が及ぶ範囲
  • 問題が起こった時のインパクト
  • なぜ問題は起こっているのか (問題の真因) 
  • 今まで解決されないままだったのはなぜか
  • もし問題が解決されれば、何がどう良くなるか

繰り返しになりますが、「何が問題か」 と相手に単純に訊くだけでは、お客さんの問題は出てきません。

自分たちのお客さんの定義を明確にし、お客さんの問題や課題感を時には本人以上に理解する。これはマーケティングで大切なことです。


まとめ


今回は、オンライン商談での NG 質問からマーケティングに学べることとして、お客さんの問題を理解する方法を見てきました。

最後にまとめです。

顧客設定と問題設定
  • ビジネスの根幹は 「顧客設定」 と 「問題設定」 
  • 問題を理解するのに 「何が問題か」 と単純に訊くだけでは、お客さんの問題は出てこない
  • 自分たちのお客さんの定義を明確にし、お客さんの問題や課題感を時には本人以上に理解するためには、次のように問題を掘り下げるといい

お客さんの問題を掘り下げる視点
  • どういう状況で起こっている問題か
  • 問題が発生する頻度、問題の影響が及ぶ範囲
  • 問題が起こった時のインパクト
  • なぜ問題は起こっているのか (問題の真因) 
  • 今まで解決されないままだったのはなぜか
  • もし問題が解決されれば、何がどう良くなるか


ニュースレターのご紹介


マーケティングのニュースレターを配信しています。


気になる商品や新サービスのヒット理由がわかり、マーケティングや戦略を学べるレターです。

マーケティングのことがおもしろいと思えて、今日から活かせる学びを毎週お届けします。

レターの文字数はこのブログの 3 ~ 4 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方には、レターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。

こちらから無料登録をしていただくと、マーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!

最新記事

Podcast

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。