出典: DAIZ
今回のテーマは、新商品のマーケティングです。
キーワードは 「リプレイス」 です。リプレイスとは代替のことですが、「自社新商品は既存の何を置き換えるのか」 という発想でマーケティングを進めていくという話です。
おもしろいと思った大豆由来の食品を取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げていきます。
✓ この記事でわかること
- DAIZ のミラクルミート
- 「何と置き換わるのか」 で競合を捉えよう
- 新商品のマーケティング方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
大豆由来のミラクルミート
ご紹介したいのは、DAIZ 社のミラクルミートです。
出典: DAIZ
公式サイトでは、次のようにミラクルミートを説明しています。
ミラクルミートは、従来の脱脂大豆(工場での搾油後の粕)とは違い、畑からの大豆を丸ごと使用して、大豆そのものから旨味成分、栄養価を引き出すことに成功した画期的な商品です。
DAIZ ではミラクルミートをハンバーグやチキンナゲット、ツナ、唐揚げ、餃子、シュウマイ、春巻きなど、さまざまな加工食品向けに普及させていきたいと思います。
日経新聞の記事に、DAIZ のミラクルミートが様々なお店で導入されているとありました。
「ジューシー。いつものハンバーガーと同じ味ですね」 。フレッシュネスバーガー聖路加 (せいるか) タワー店 (東京・中央) で、パティに 「ミラクルミート」 を使ったテリヤキバーガーを注文した女性は満足げにほお張る。
ミラクルミートの商品は街中に広がる。小売店では 「ライフ」 や 「イオン」 などの店頭に並び、飲食店では 「焼肉きんぐ」 のメニューに登場。「キリンシティ」 ではメンチカツなどに採用、植物肉メニューが 「ランチの注文の1割弱を占める」 (野瀬勝久マーケティング部長) という。
何と置き換わるか
ここからは、マーケティングの観点でミラクルミートを見ていきます。
掘り下げたい視点は、「既存の何を置き換えるのか」 という代替 (リプレイス) です。
取って替わりたい相手が自分たちから見た競合になります。
大豆由来の植物肉であるミラクルミートは、いろいろな肉料理を置き換えようとしています。例えば、ハンバーグやチキンナゲット、ツナ、唐揚げ、餃子、シュウマイ、春巻きなどです。
マーケティングで捉えれば、置き換わるというのは、お客さんをこちらに呼び込み、市場を動かすということです。
新商品のマーケティング
とはいえ、置き換え (リプレイス) は簡単ではありません。
自社の新商品 (新しく置き換わるもの) に、お客さんにとって今までよりもメリットや付加価値、平たく言えば 「うれしいこと」 がないとリプレイスは起こらないからです。なければ、スイッチングコストがある分だけ、代替されないでしょう。
ポイントは、メリットの創出と、メリットをどう伝えるかです。
マーケティングとは、「お客さんから選ばれる理由をつくる活動全般」 です。これはマーケティングの本質だと思っています。
新商品のマーケティングのアプローチとしては、少しずつ浸透させていくといいです。いきなりの完全なリプレイスは実現ハードルが高いので、試しでもいいのでまずは使ってもらうところからリプレイスの実績をつくっていくわけです。
次のようなプロセスで進めるといいです。
✓ 新商品のマーケティング
- 置き換える相手 (リプレイス対象) の理解。既存のものにおいて、今もまだ残っている 「不」 は何か
- 既存の不を解消する付加価値やメリットを顧客視点で見出す。「自分たちが選ばれる理由」 をつくる
- 選ばれるために伝えていく。認知から興味喚起、代替の検討、置き換えへと導く
置き換えのターゲットを設定し、選ばれる理由をつくり、それを伝えていく。ここにマーケティングの役割があります。
まとめ
今回は DAIZ のミラクルミートを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 新商品のマーケティング
- マーケティングとは、「お客さんから選ばれる理由をつくる活動全般」
- お客さんに既存のものより新商品にメリットや付加価値があると伝われば、リプレイスされる (市場が動く)
- リプレイス (置き換え) のターゲットを設定し、自分たちが選ばれる理由をつくり、伝えていこう
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