出典: DIAMOND online
今回のテーマは戦略です。
おもしろいと思ったケーズデンキの経営の方針をご紹介し、戦略に学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- ケーズデンキの 「腹八分の経営」
- 「やることと」 と 「やらないこと」 の線引き
- 腹八分の経営に見る戦略の本質
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ケーズデンキの経営方針
家電量販店のケーズデンキを展開する、ケーズデンキホールディングスの名誉会長へのインタビュー記事を読みました。
背伸びをしない「がんばらない経営」 で事業を拡大してきたとのことで、余計な物は省き、経営は腹八分とするという話が興味深かったです。
以下は記事からの引用です。
―― リモートワークなどが一般的になり、働き方が変わってきました。
「コロナ禍を経て、(売り上げなどを) 伸ばせるなら、どんどん伸ばせという雰囲気ではなくなったよね。ケーズデンキは昔から電気製品しか扱わない、(住宅など) 違う分野はやらない。経営は腹八分が大事」
(中略)
―― 製造小売りに乗り出す家電量販店も出てきました。
「やっちゃ駄目だよね。役割分担ですよ、一番能率が上がるのは。ユニクロはファッションだからいいけど、家電製品はアフターサービス、研究開発も必要でしょ。全部やるんですか。そうなると組織がどんどん肥大化しますよ」
ケーズデンキは全てを自前でやるのではなく、自分たちが得意なことに注力しています。何をやるのか、何をやらないかを見極めて、戦略的に事業をまわしているのです。
戦略の本質
あらためて戦略とは何でしょうか?
肝は 「やらないこと」
一言で表現をすれば、戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。
後者の 「やらないこと」 が大事で、やらないことを決めるために戦略をつくると言ってもいいくらいです。
考えられる全てをやるような 「あれもこれも」 というのは戦略ではないんですよね。「あれかこれか」 です。And ではなく Or という引き算の考え方をするのが戦略では大事です。
ケーズデンキの戦略
ケーズデンキに話を戻すと、ケーズデンキは戦略として 「やらないこと」 を明確にしています。
✓ ケーズデンキのやらないこと
- 住宅などの違う分野はやらず、電気製品しか扱わない
- 製造小売にはならない。製品は作らずに売ることに特化
ここまではやって、これ以上はやらないという線引きがされているので、「やらない」 ことを捨てて残った 「やること」 にリソースを集中でき、組織の肥大化を防げています。
「やること」 の判断基準
戦略として 「やらないこと」 が決まれば、「やること」 がはっきりします。
目の前のことを本当にやるべきかどうかの判断軸として、次のことをチェックポイントにするといいです。
✓ やることの判断軸
- 専門性や強みになっている自分たちのコア領域
- 今は上手くできなくても、これから注力すべきこと (将来の布石)
- 人から感謝され、信頼蓄積につながること
ケーズデンキは電気製品を売るというところに特化し、それ以外のことにはやみくもに広げないという 「やらないこと」 を決めています。
ここに戦略的に腹八分の経営をするという極意があるのです。
まとめ
今回はケーズデンキの経営方針を取り上げ、学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 戦略の本質
- 戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
- 肝は何をやらないか。やらないことを決めるために戦略をつくると言ってもいい
- 「あれもこれも」 は戦略ではなく、「あれかこれか」 という引き算が大事
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