出典: NEC ソリューションイノベータ
今回は、「顧客の立場を優先して Win-Win を目指そう」 という話です。
おもしろいと思った NEC の小売向けシステムをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- NEC のレジシステム
- あえて選んだ他社メーカー端末との共生
- 売り手の合理は、買い手の非合理
- マーケターとして目指したい Win-Win (学べること)
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
NEC の小売向けレジシステム
出典: NEC
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
NEC が小売り向けのシステム事業を強化する。ホームセンターなどを展開するコーナン商事にセルフレジへの切り替えがワンタッチでできるシステムを提供し、今秋にも3400台の POS (販売時点情報管理) レジ端末で稼働する予定だ。
決済手段の多様化などで小売店舗の運営が複雑になるなか、IT (情報技術) システムで効率化を後押しする。
NEC 製以外にも使える
特徴は、NEC 系ではないメーカーの端末にもシステムが適用できることです。
POS システムの 「NeoSarf / POS (ネオサーフ POS) 」 は、NEC グループ企業以外が取り扱う POS レジ端末やタブレットでも利用できるのが特徴だ。従来は機器とシステムを同じ企業のものでそろえなければならないのが一般的だった。
現在は決済手段の多様化などで POS システムの変化が激しく、システムに必要な機能も変わりやすい。グループ企業の製品のみとしていた制約をなくし、既存の機器をそのまま使えるようにしたことで交換費用を抑えられる。
従来は同じメーカー系で一式を揃える必要がありました。
しかし NEC は、あえてこれをやりませんでした。自社製で囲い込むのではなく、他メーカー端末との共生の道を選んだのです。
お客さんの利便性を重視
システム利用者であるお客さんの立場になると、今までに使っていた端末がそのまま使えるのはありがたいことです。
もし端末とシステムの全てを一度に入れ替えると、お金も時間もかかります。NEC が自社系の端末とシステムのワンパッケージでそろえないという判断は、それだけお客さんの利便性を重視したということです。
顧客を優先しての Win-Win を
では最後に、NEC のレジシステムから学べることを整理してみましょう。
一言で表現するなら、学びは 「短期的な自社の利益最大化をあえて捨て、お客さんへのメリットを優先しよう」 です。
お客さんに自社製品・システムで全てをそろえてもらえるのは、部分導入ではなく全体で導入されている状態です。クロスセルが実現した結果であり、売り手には理想的です。
しかし、「全部が1つのメーカー系で占められていることは、本当にお客さんにとって良いことなのか」 は、一度立ち止まって考えたい問いかけです。
本当は変える必要がないのに自社製品やサービスで一新すると、売り手は良くても、ともするとお客さんは不利益を被ることになるでしょう。
売り手の合理は 「買い手の非合理」 だったりします。逆もまた然りで、売り手の非合理は買い手の合理です。売り手が自分たちの利益だけを最大化させる一方的なやり方では、短期的には良くても中長期ではいずれ破綻します。
短期での自社利益の最大化を実現するよりも、長期で考えてお客さんにとって本当に良いことにつながるビジネスやマーケティングをやっていく。これがマーケターとして目指したい姿勢です。
まとめ
今回は NEC の小売向けレジシステムを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 顧客を優先しての Win-Win を目指そう
- 売り手の合理は買い手の非合理だったりする。逆もまた然りで、売り手の非合理は買い手の合理
- 自分たちの利益だけを最大化させる一方的なやり方は、中長期ではいずれ破綻する
- 短期での自社利益の最大化よりも、長期で考えお客さんにとって本当に良いことにつながるビジネスやマーケティングをしよう
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