出典: 中日 BIZ ナビ
今回のテーマは、ビジネスモデルです。
おもしろいと思った高速バスの PR 企画を取り上げ、学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- 東京 - 長野をつなぐ学生限定 「0円バス」 とは?
- 第三者を巻き込むビジネスモデル
- ビジネスモデルを進化させる方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
0円の高速バス
ご紹介したいのは、東京・長野間を走る 「0円バス」 です。期間限定で、対象も学生ですが、おもしろい企画です。
バスの運賃を0円にしているのは、学生をターゲットに地元長野への就職や経済活性化につなげる狙いがあるからです。
成迫会計グループの経営コンサルタントであるマスネットワーク (長野県松本市) は8月上旬、東京都と長野県を結ぶ 「0円バス」 を運行する。
学生の里帰りシーズンに合わせた帰省バスと企業見学を組み合わせる。大学1 ~ 2年生が主な対象で、将来の就職活動に生かしてもらいたい考えだ。
8月4日 ~ 10日に長野 → 東京、東京 → 長野をそれぞれ3便ずつ運行する。新型コロナウイルスの感染対策として1便の乗客数は限定する。今回は県内企業7社が参加する予定だ。
乗車する学生は1便ごとに2社程度を訪問して会社側の説明などを受ける。学生は無料で乗車でき、運行費用は企業が負担する。首都圏の大学に通う長野県出身者や長野県内の大学に通う首都圏出身者などの利用を見込む。
第三者を巻き込むビジネスモデル
通常の高速バスは、バス会社 (売り手) と乗客 (買い手) の間でお金をやり取りして成立するシンプルなビジネスモデルです。
0円バスは、乗車できるのは学生限定とはいえ、第三者を巻き込むことで新しいビジネスモデルになっています。
第三者とは 「地元の長野にゆかりのある学生に就職してほしいと考えている会社」 です。長野の会社がバスの乗客の運賃を負担している構図です。バス運行会社のマスネットワースは乗客から直接ではなく、企画に協賛してくれた長野の会社からお金をもらっています。
整理をすると、三者それぞれにメリットがあります。
✓ 0円バスのメリット
- 学生: 無料でバスに乗れる。地元の企業を知れたり、直接見れる機会を得られる
- 企業: 地元に縁のある学生の採用につながる
- バス: 集客でき、話題性をつくれる
学べること
0円バスには、ビジネスモデルを考えたり、他社のビジネスモデルを分析するときのヒントがあります。
例えば、お金を直接ユーザーからいただくのではなく、別のプレイヤーからに変えられないかと発想してみます。視野を広げ、第三者を巻き込むことで、ビジネスモデルを進化させられないかを考えてみるといいです。
その時に大事なのは、自社だけではなく、エンドユーザーや新たに入ってもらうプレイヤーに価値やメリットがあることです。最低でもこれまでと同じ、できれば今まで以上の価値をもたらすことが重要です。
0円バスから学べるのは、「すべてのプレイヤーにそれぞれのメリットがある Win-Win にするビジネスモデルにするにはどうすればいいのか」 という着想です。
まとめ
今回は0円バスを取り上げ、学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 第三者を巻き込むビジネスモデル
- 視野を広げ、第三者を巻き込むことで、ビジネスモデルを進化させられないかを考えてみよう
- 例えば、お金を直接ユーザーからではなく、別のプレイヤーからに変えられないかと発想してみる
- その時に大事なのは、自社だけではなく、エンドユーザーや新たに入ってもらうプレイヤーに価値やメリットが今まで以上にあること
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