出典: FNN プライムオンライン
今回は、｢1つ1つは小さなことでも、続けることで価値をつくろう｣ という話です。
おもしろいと思ったあるスーパーの取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- 商品パッケージを1周する ｢多面バーコード｣
- 多面バーコードの狙いと提供価値
- 塵も積もれば山となる (学べること)
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ぐるっと1周する ｢多面バーコード｣
こちらの記事がおもしろかったです。
商品をぐるりと一周する不思議なバーコード レジ打ちにかかる時間をどれだけ削減できるのか｜ITmedia
以下は記事からの引用です。
商品のパッケージをぐるりと一周している不思議なバーコードを見つけた。生鮮食品･加工食品を中心としたディスカウントストアの運営を行うビッグ･エー (東京都板橋区) が提供している ｢多面バーコード｣ だ。
牛乳パックは側面にぐるっと一周、ペットボトルには各側面に3個のバーコードが付いているなど、商品によってバーコードの数や大きさ、デザインが異なる。多面バーコードを導入している商品では、内容表示やパッケージデザインに配慮しながら最大4カ所にバーコードを付けているという。
ビッグ･エーの PB 商品に付いている ｢多面バーコード｣ (出典: ITmedia)
袋入ラーメンは後ろにもバーコードがある (出典: ITmedia)
多面バーコードの狙い
ビッグ･エーで多面バーコードが導入された背景や狙いは、来店客の満足度を向上させることでした。レジでの待ち時間も入れた会計時の時間短縮を目指しています。★はんげさん
商品本部商品企画部の半夏潤王さんは ｢レジ待ちの時間を短縮して、少しでも買い物を快適にできるようにしようと考え、多面バーコードを開始した｣ と話す。
通常だと、レジではバーコードがどこにあるか探す時間が必要だ。しかし、多面バーコードは商品のあらゆる場所にバーコードがあるため、手元を見なくてもスキャンできる。
｢多面バーコードの商品を扱う場合、レジの訓練を全くしたことがない人でも、スキャンにかかる時間を1商品当たり最低1秒削減できることが分かっています。これは、年間で最低でも3万1000時間の短縮につながるということです (1秒 × 年間の販売品数) ｣ (半夏さん)
レジでの対応時間が減ることで、店内の業務全般にも良い影響が生まれています。
半夏さんは ｢多面バーコードによって削減した時間で、従業員がレジ打ち以外の作業に取り組むことができるため、人件費の削減にもつながっている｣ と話す。従業員からも、｢バーコードを探さなくてもいい｣ ｢スキャンのスピードが上がる｣ と好評を得ているそうだ。
｢多面バーコードの導入によって削減した時間で、従業員が清掃や品出し、売り場の整理などの別の作業に取り組むことができます。別途人を雇うことなく、全てのオペレーションを回すことができるようになりました｣ (半夏さん)
提供価値
ここまでの話を一旦整理すると、多面バーコードは小売であるビッグ･エーと消費者の両方に価値をもたらしています。
ビッグ･エーにとってはレジの会計処理時間を短縮でき、その分を店内作業に当てられるようになりました。人を別に雇うことなく全オペレーションが回せています。
来店する消費者には、レジでの待ち時間も含め会計が早くなり、レジでのイライラや不満が減ります。
学べること
では最後に、多面バーコードから学べることを整理してみましょう。
一言で表現をすれば、学びは ｢塵も積もれば山となる｣ です。
多面バーコードでは、バーコードをスキャンしやすいことによるレジの短縮時間は、1回あたりはわずか1秒程度です。1回の効果は一瞬の時間ですが、トータルで合計すれば馬鹿になりません。ビッグ･エーの試算では、全店舗の1年間で3万1000時間以上の処理時間を削減できています。
学びを一般化して表現するなら、正しいと思うことをコツコツと続ける重要性です。
マーケティングの施策に当てはめれば、1つの施策だけでは売上全体への効果はもしかするとたかが知れているかもしれません。しかし積み重ねて続けていった先に、大きな山ができあがるわけです。
1つ1つは小さくても、大事なことは時間を長くかけてやり抜く姿勢が大切です。
まとめ
今回はビッグ･エーの多面バーコードを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 塵も積もれば山となる
- マーケティングでは、1つの施策の売上全体への効果は小さいかもしれない。しかし続けていった先に、大きな山ができあがる
- たとえ1つ1つは小さくても、正しいと思うこと･大事なことはコツコツと時間をかけてやり抜こう
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