出典: GAME Watch
今回は、「ターゲット顧客の文脈を理解してマーケティングをするのが大事」 という話です。
おもしろいと思ったイケアのゲーミングチェアを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- イケアのゲーミングチェア
- 圧倒的な低価格にした狙いとは?
- ターゲット顧客が変われば 「文脈」 が変わる
- お客さんの文脈に沿ってマーケティングをしよう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
IKEA のゲーミングチェア
去年の2021年の話ですが、IKEA (イケア) がゲーミングチェアを出しました。
家具メーカーの参入が相次ぐゲーミング家具。そこにスウェーデンの家具大手イケアも名乗りを上げた。
4999円という破格の安さのゲーミングチェアをはじめ、25種類の商品 (2021年9月時点) を取りそろえ、アジアから世界へと展開する。
イケアのゲーミングチェア 「HUVUDSPELARE (フーヴドスぺラレ) 」 (出典: IKEA)
圧倒的な低価格
記事では最安の価格は4999円とありましたが、2022年10月現在では公式サイトを見ると6990円です。
それでも、一般的なゲーミングチェアのボリュームゾーンが3万円前後であることと比べると、7000円くらいのゲーミングチェアは衝撃的と言える低価格です。
ターゲットはゲームライト層
イケアがここまで低価格に抑えている狙いは、ターゲット顧客がゲームライトユーザーだからです。
「ゲーマーにはコア層もいればカジュアル層もいる。だが、従来のゲーミング家具は、ミドルレンジからハイレンジが多く、競合他社の商品もここが中心になっている」 と語るのは、イケア・ジャパンのカントリーセリングマネージャーであるルスラン・プセユノック氏。
だからこそ、「機能性と価格への驚きを意識した」 。低価格な商品を含めて複数の選択肢を用意することで、カジュアルなユーザーでも予算に応じた環境を構築できるようにしているのだ。
ゲームのヘビーユーザーではなくライトユーザーに向けて、初めてのゲーミングチェアでも買いやすい値段設定にしています。ゲーム機で例えるならイケアのゲーミングチェアは、かつての PlayStation 3 に対する任天堂の Wii にあたる存在です。
イケアの低価格のゲーミングチェアは、ゲーミングチェアを使ってゲームをする人を増やすという、裾野を広げることを狙っています。
学べること
では、今回の話から学べることを掘り下げていきましょう。
ターゲット顧客の文脈
ターゲットとなるお客さんが変われば、新しいお客さんが求めるニーズ、商品を選ぶ基準が変わります。
ゲーミングチェアに当てはめれば、ヘビーユーザーは、ゲームに集中するためにゲーム用に特化したゲームチェアを迷わず選ぶでしょう。椅子を買う時の選択肢は、自ずとゲーミングチェアのカテゴリー内になります。
一方のライトユーザーは、ゲームのためだけよりも、ゲームに “も” 使えるチェアを選ぶはずです。椅子を買う時の候補は、家具としてのチェア全般で、その中の選択肢の1つとしてゲーミングチェアが入るわけです。
このようにターゲット顧客ごとに異なる 「文脈 (ニーズや選択基準) 」 があり、ターゲットとなるお客さんが変われば文脈から新しく理解し、その文脈に沿った商品提案やコミュニケーションが必要になるのです。
お客さんの文脈に沿ったマーケティングを
最後に今回の学びをまとめておきますね。
✓ まとめ
- ターゲット顧客ごとに 「文脈 (ニーズや動機、購入商品の判断基準) 」 がある
- 新しいお客さん (未顧客) には既存顧客と同じ文脈で訴求をしても響かない
- ターゲット顧客の文脈まで深く理解し、文脈に沿って商品やサービスの提案やマーケティングをしよう
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