今回のテーマは、顧客満足をどうやって上げるかです。
おもしろいと思った Netflix (ネットフリックス) の取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを下げます。
✓ この記事でわかること
- 「誠実なサブスク」 が支持を集めている
- ネットフリックスが退会促進メールを送付
- 目先の売上よりも、お客さんの満足度を重視
- たとえ離反者でも最後まで良いサービス体験を提供しよう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
誠実なサブスク
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
音楽や動画配信、家電に食品など、あらゆる分野で広がっているサブスクリプション (定額課金) サービス。
登録したクレジットカードや銀行口座から料金が毎月引き落とされる仕組みのため、使っていないのに料金を支払い続けてしまうケースも少なくない。企業にとってはその方が収益につながるが、あえて知らせたり自動的に支払いを終了させたりする 「誠実」 なサービスが支持を集めている。
退会を促すネットフリックスのメール
記事では誠実なサブスクの例として、ネットフリックスを取り上げています。
一定期間利用がない場合に課金を止める取り組みは米動画配信のネットフリックスが先行する。
「急にメールが届いてびっくりしたけど、丁寧な心遣いに好感が持てた」 。都内在住の女性会社員 (23) は学生時代に会員となり、海外ドラマなどを中心に頻繁に視聴していた。ただ社会人になると仕事が忙しくなり、気がつくと1年ほど利用していない期間が続いていたところにメールが届いたという。
内容はこのまま支払いを続けるか、退会するかを問うものだ。ネットフリックスでは数年前から 1 ~ 2年アクセスがないまま課金している休眠利用者に確認のメールを送り始めた。メール送信後、一定期間反応が無い場合には自動的に解約される仕組みだ。
ネットフリックスにとって、休眠利用者に確認メールを送ることは、短期的に見れば収益機会の損失につながる。ただ、企業の掲げる理念や姿勢を購入の基準とする流れが消費者に広がるなか、誠実さを貫くことは中長期的に見ればネットフリックスにとって消費者からの信頼獲得につながる。
目先の売上よりも顧客満足を重視
有料登録をしているのに休眠したままの 「幽霊会員」 は、サービス提供者にとっては利益率の高い売上につながります。売上を最大化させ利益率も上げるのなら、退会を促すメールは送ること自らの首を締める行為です。
しかしネットフリックスは目先の売上よりも、お客さんのサービス体験や顧客満足の向上を重視しています。
お客さんであるネットフリックス利用者の立場になれば、ネットフリックスを全く使っていないのに、お金だけ毎月取られているのは決して好ましい状況ではなく、良い気持ちにはなりません。
「ネットフリックスを使わなくなって、すぐに退会しない利用者が悪い」 と言ってしまえばそれまでですが、利用者は普段ネットフリックスのことばかり考えていることはないので、退会するのをいつのまにか忘れてしまいます。
以上のようなお客さんの心理や行動を理解し、お客さんにしっかりと対応しているのがネットフリックスです。その1つの象徴的な打ち手が退会促進メールの送付です。
学べること
ではネットフリックスの話から、学べることを一般化してまとめておきましょう。
学びとして残しておきたいのは、たとえサービスの離反客になる人でも、最後まで誠実にお客さんに対応する重要性です。
どんなサービスでも一定数の離脱者は発生します。なるべく減るように引き止める施策は大事ですが、去ってしまう人がゼロにはならない以上は、離れてしまうお客さんにも最後まで良いサービス体験をしてもらうことが大切です。
退会したり離反する可能性が高い 「これからはお客さんにはならない人」 に対しても、その人たちの心理や行動を理解し、最後まで気持ちよく使ってもらえるための体験を提供したいです。
ここまでを配慮できるマーケターでありたいです。
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