2018/08/29

プロダクトマネージャーが MVP (初期仮説検証の製品) を開発するための 「5つの問い」


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プロダクトマネジメントについてです。製品開発の初期段階において、開発で大切にしたいことを考えます。

エントリー内容です。

  • プロダクトマネージャーの役割
  • リーンスタートアップと MVP
  • MVP を定義するための 「5つの問い」


プロダクトマネージャーの役割


プロダクトマネージャー (PM) は、製品開発の責任者です。

PM には、3つの役割があります。

  • 製品の市場性を評価する
  • 開発すべき製品を見つけ出し、定義する
  • 製品を使うユーザーのフィードバックから学び、製品開発に活かす

今回のエントリーは、3つのうち2つめの 「製品開発の定義」 を考えています。特に開発の初期である 「0 → 1」 をつくるフェーズにおいてです。


リーンスタートアップと MVP


製品開発の方法に 「リーンスタートアップ」 というやり方があります。


リーンスタートアップ


リーンスタートアップとは、時間や投入するリソースを無駄にせずに、仮説をベースに素早く開発を進める方法です。

リーンの言葉のイメージは、一流のスポーツ選手です。鍛え上げられた身体で、俊敏で無駄のない動作、パワーのある動きをするアスリートです。

リーンスタートアップは、組織でも一流選手と同じように、無駄がなく俊敏な活動で新規事業を立ち上げ、進める手法です。

リーンスタートアップの特徴は、以下です。

  • ビジョンを描き、実現するための仮説を設定する
  • 仮説を検証し、仮説が正しいかどうか、何がうまくいかないかを学ぶ
  • 検証と学びのサイクルを早く何度もまわし、持続可能な事業の構築方法を見い出す。時には事業の方針転換 (ピボット) もいとわない


MVP (実用最小限の製品)


開発段階の初期において、仮説を検証するための製品が MVP です。MVP とは Minimum Viable Product の頭文字からで、実用最小限の製品です。

最小限というのは、仮説を検証するために必要な機能を持ちます。検証から学びにつながらないものは MVP には実装しません。

なお、リーンスタートアップや MVP については、別のエントリーで詳しく取り上げています。よければ、ぜひご覧ください。




MVP を定義するための 「5つの問い」


製品開発の初期段階では、想定する顧客が欲しいと思うもの、顧客の問題解決に焦点を当てて MVP をつくります。

MVP を定義するための問いは、次の5つです。

  • ターゲットユーザーは誰か
  • そのユーザーが抱えている問題は何か (自分たちが解決する問題の定義)
  • その問題をどのように解決するか
  • 問題が解決したかをどう判断するか (成功の定義)
  • 解決を判断するために何をするか (プロトタイプとテスト)

以下、それぞれについて補足します。


1. ターゲットユーザーは誰か


MVP とは、実用最小限の製品です。必要な機能に削ぎ落とすために最初に考えることは、製品のターゲットユーザーを絞ることです。

具体的に誰に焦点を当てるかが明確になると、これ以降の MVP 開発の意思決定や判断の拠り所にすることができます。


2. そのユーザーが抱えている問題は何か (自分たちが解決する問題の定義)


次に、ターゲットユーザーが抱えている問題は何かです。自分たちが開発する製品を使ってもらい、ユーザーのどんな問題を解決するかを設定します。

問題は、すでにユーザー自身も認識できている顕在的な不もあれば、まだ気づいていない潜在的な不もあります。


3. その問題をどのように解決するか


問題設定をしたら次に考えることは、その問題を自分たちがどのように解決するかです。

ここで明確にするのは、ターゲットユーザーの視点での製品の使い方と、使うことによって得られる価値です。製品を主語にすれば、ユーザーへ提供する価値です。

ポイントは、使い方や用途をなるべく具体的にすることです。TPO (Time: 時間、Place: 場所、Occasion: 状況) から、製品をユーザーがどのように使うかの利用シーンを描きます。


4. 問題が解決したかをどう判断するか (成功の定義)


問題解決の方法を決めた後に、問題が解決したかどうかの成功の定義を決めます。

具体的には、問題解決を判断するための指標を設定し、客観的に成功かどうかを見極めます。定性的な評価基準だけではなく、数字で評価できる定量指標をつくります。


5. 解決を判断するために何をするか (プロトタイプとテスト)


成功を評価するための指標ができれば、プロトタイプとテストによって解決アイデアを検証します。

テストの位置づけは、MVP というプロトタイプが機能したか、つまり、初期仮説が正しいかどうかを検証することです。テストによって、MVP の方針でこのまま開発を続けてもよいのか、それとも仮説が間違っていて新しい仮説を立てるのかを判断します。

新しい仮説となれば、MVP をつくり直します。これをピボットと言います。


最後に


今回は、プロダクトマネージャーの役割を、特に製品開発の初期段階において考えました。

MVP をつくるための5つの問いをご紹介しました。

  • ターゲットユーザーは誰か
  • そのユーザーが抱えている問題は何か (自分たちが解決する問題の定義)
  • その問題をどのように解決するか
  • 問題が解決したかをどう判断するか (成功の定義)
  • 解決を判断するために何をするか (プロトタイプとテスト)

プロダクトマネージャーについては、Inspired 顧客の心を捉える製品の創り方 という本が参考になりました。こちらは、別のエントリーで書いています。ぜひ、ご覧ください。





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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。