投稿日 2018/08/21

プロダクトマネージャーの役割。顧客の心を捉える製品をつくるために必要な考え方


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プロダクトマネジメントについてです。Inspired 顧客の心を捉える製品の創り方 という本から、プロダクトマネージャーの役割を考えます。



エントリー内容です。

  • プロダクトマネージャーの役割。開発前に考えるべきこと
  • ユーザーとの対話
  • プロダクトマネージャーにしかできない決断


プロダクトマネージャーの役割


この本には、プロダクトマネジメントへの考え方、プロダクトマネージャーはどのような役割を果たすべきかが、体系立てて説明されています。

本書を読んでの学びは、プロダクトマネージャーの役割には大きく3つあることです。

  • 製品の市場性を評価する
  • 開発すべき製品を見つけ出し、定義する
  • ユーザーからのフィードバックを得て学び、製品開発に活かす


開発の前に、プロダクトマネージャーが考えるべきこと


役割の3つについて、プロダクトの開発前に、プロダクトマネージャーは具体的に何を考えるとよいのでしょうか?


製品の市場性を評価するために


プロダクトマネージャーの役割の1つめは、「製品の市場性」 を評価することです。

実際の開発に入るにあたって、以下のことを明確にします。

  • 製品のターゲットユーザーは誰か
  • ユーザーが抱える問題は何か
  • その問題を自分たちはどのように解決するのか (提供するソリューションは何か)
  • 解決したかどうかの成功の定義は何か。成功をどう評価するか


開発すべき製品を見つけ出すために


プロダクトマネージャーの2つめの役割である 「開発すべき製品を見つけ出す」 ために、製品が以下の3つを満たすかどうかを確認します。

  • 価値があるか:ユーザーが買いたいと思うか。ユーザーが抱える問題や不を解決するか [Valuable]
  • 使いやすいか:使い方を迷ったり、複雑で面倒な製品になっていないか [Useful]
  • 実現可能か:技術的に実現可能な製品か [Feasible]


ユーザーとの対話


本書で印象的だったのは、ユーザーからのフィードバックを得ることについて、次のように書かれていたことでした。

おそらく、プロダクトマネージャーにとって唯一重要なスキルを挙げろと言われたら、製品のアイデアについてフィードバックを得る方法を習得する方法である。

 (引用:Inspired 顧客の心を捉える製品の創り方)

この本の全体を通じて強調されているのは、ユーザーエクスペリエンス (顧客体験) の重要性です。

自分たちの製品が優れた体験を実現できているかを知るには、ユーザーと対話をすることです。直接の対話もあれば、ユーザーが実際に使っているところに出向き、ユーザーのことを観察します。

ユーザーとの関係で興味深い考え方だと思ったのは、製品開発者とユーザーが一緒になって製品アイデアのテストをすると位置づけていることです。

アイデアという仮説が正しいのか、使いやすいか、価値があるかを、ユーザーと一緒に取り組みます。このプロセスを通して、開発すべき製品を見つけるのです。


プロダクトマネージャーにしかできない決断


本書には、プロダクトマネージャーの役割は 「選択すること」 と書かれています。つまり、決断をすることです。

例えば、開発初期段階では、ユーザーにとって本当に必要な機能だけに絞った製品 (MVP: Minimum Viable Product) を用意し、初期仮説が正しいかどうかを検証します。MVP のポイントは、初期仮説を検証するために必要最低限の機能を実装し、それ以外は意思を持って削ぎ落とせるかです。

選択とは、優先順位をつけ 「やらないこと」 を決めることです。プロダクトマネージャーにしかできない決断です。


最後に


この本からは、プロダクトマネージャーのものの考え方や振る舞い、どのような役割を果たすべきかを興味深く学ぶことができます。

最後に、以下は本書の内容紹介からの引用です。

マーティ・ケーガンの著書 「Inspired」 は、彼の二十年に渡る製品開発の経験を凝縮したプロダクトマネジメントのバイブルである。世界的に急速に変化する情勢の中で、顧客を惹き付ける製品をいかに作り上げていくのかという命題に対し、マーティは非常に具体的な解法で答えている。

なぜ、ある製品は、ずば抜けた成功をもたらし、他の製品は平凡な結果しか得られないのか?

ユーザーを惹き付ける製品の開発は、価値が高く、使い勝手が良く、そして実現可能な製品を "見つける" ことから始まる。もし、それを発見できていないなら、何も開発する価値はないとマーティは言う。それを具体化するためには、多くの問題を解決しなければならない。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。