投稿日 2021/08/23

ハウス 「やさしく夜遅カレー」 に学ぶ商品開発とマーケティング。ターゲット顧客だけではなく 「ターゲットシーン」 も絞ろう


今回は、商品開発やマーケティングについてです。


この記事でわかること


  • ハウス 「やさしく夜遅カレー」 の戦略
  • ヒットの秘密は 「ターゲットシーン」 の明確化
  • 絞るからお客に刺さる

今回はヒット商品の 「やさしく夜遅カレー」 を取り上げ、ヒットした理由から商品開発やマーケティング学べることを解説しています。

この記事を読んでいただきたいと思うのは、マーケターの方です。具体的には、商品コンセプト、パッケージや商品名を考える役割にある方です。

他には、ヒット商品の秘密や裏側を知りたい方にも参考になればと思います。


ハウス 「やさしく夜遅カレー」


ご紹介したいヒット商品はハウス食品の やさしく夜遅カレー です (公式サイトはこちら) 。

引用: NIKKEI STYLE


以下は NIKKEI STYLE の記事からの引用です。

ハウス食品によると、レトルトカレーの市場規模は14年度の508億円から19年度は612億円に伸長している。

主な購入層は40代以上の男性で、20 ~ 30代の購入者は少ない。特に女性は 「空白地帯」 だったという。そこを狙ったのが夜遅カレーだ。

ハウス食品で調理済みカレーの企画を担当する磯豪氏は、「手軽に調理できてヘルシーな商品であれば、若い女性にもアプローチできると考えた」 と開発意図を明かす。

 (引用: ハウスの 「夜遅カレー」 低カロリーでカップ入り|NIKKEI STYLE)

レトルトカレーの主な購買層は40代以上の男性です。20 ~ 30 代の特に女性は少ない市場でした。

ハウスはここに機会を見出しました。20 ~ 30 代の女性に向けて、手軽に調理できるヘルシーであれば若い女性にアプローチできると考えたのが開発の背景です。


ターゲットシーンの明確化



ここから思ったことです。興味深いのは 「ターゲットの設定」 です。

ターゲット顧客をそれまでのレトルトカレーのメイン利用層 (40代以上の男性) ではなく、20 ~ 30 代女性という新しいターゲット顧客に狙いを定めました。さらに、ターゲット顧客を設定しただけではなく、「ターゲットシーン」 まで明確にしました

商品名が 「やさしく夜遅カレー」 とあるように、夜に食べるという利用シーンです。名前にターゲットシーンである 「夜遅」 と入るくらい商品コンセプトが明確だと、商品の特徴もブレなくなります。

ターゲット顧客である 20 ~ 30 代の女性にとっては、夜遅くにカレーを食べるにはカロリーが多くて心配な気持ちをどこかに持っているはずです。お腹がすいて食べたいけど夜遅くにカレーを食べるのには罪悪感を感じるかもしれません。

商品名に 「やさしく」 と入っているのもポイントで、こうしたお客の不安な気持ちを払拭する商品になっています。


絞るからお客に刺さる


ここまで 「ターゲット顧客だけではなくターゲットシーンまで絞った」 という内容でした。

買って欲しい人を決め、さらにいつ食べて欲しいかの利用シーンまで明確にすることによって、コンセプト、商品特徴やネーミング、広告や宣伝が一貫性のあるものになります。商品開発やマーケティング、営業と販売までで1つの軸が通るわけです。

売り手の活動や施策に一貫性があると、買い手にはわかりやすく伝わります。具体的にその利用シーンに当てはまる人、今回で言うとカレーを夜遅くに食べたい人には 「自分向けの商品かも」 と思え、商品やメッセージがぐさっと刺さります

同じような利用シーンに絞っている類似商品が他に売られていなければ、市場では独自性のあるポジションを築けます。

これができるのは、ターゲット顧客だけではなく 「ターゲットシーン」 まで絞り明確にしているからなのです。

ちなみに、今回の 「やさしく夜遅カレー」 と同じようにターゲットシーンまで絞っている商品があります。パッと思いついたのは、アサヒ飲料の缶コーヒー 「ワンダ モーニングショット」 です。朝専用に飲むコーヒーと利用シーンを明確にしています。


まとめ


今回はハウスの 「やさしく夜遅カレー」 から、商品開発やマーケティングについてでした。

最後にまとめです。


ハウス 「やさしく夜遅カレー」
  • レトルトカレーのメイン利用層 (40代以上の男性) ではなく、20 ~ 30 代女性の空白地帯をターゲット顧客にしている
  • 手軽に調理できヘルシーで若い女性にアプローチ
  • 夜に食べるという 「ターゲットシーン」 まで絞り、商品名も 「やさしく夜遅カレー」 と訴求している


絞るからお客に刺さる
  • 利用シーンまで明確にすれば、コンセプト、商品特徴やネーミング、広告や宣伝に1つの軸が通る
  • 売り手の施策に一貫性があると買い手にはわかりやすく伝わる。「自分向けの商品かも」 と思え、商品やメッセージがぐさっと刺さる
  • 同じような利用シーンに絞っている類似商品が他になければ、独自性のあるポジションを築ける



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。