出典: マツダ
今回は、商品開発とマーケティングです。
✓ この記事でわかること
- マツダ × ミズノが共同開発した 「ドライビングシューズ」
- クラウドファンディングでわずか2日で完売
- 「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 の三拍子がそろったシューズ
- 市場創造を実現する商品開発とマーケティング・販売の方法
この記事を読んでいただきたいと思うのは、商品やサービスの開発をされている方です。他にはマーケティングの仕事をしている方にも参考になればと思います。
ご紹介するヒット商品の掘り下げから、新しいカテゴリーや市場をつくっていく商品開発、マーケティングの方法を解説しています。何かお仕事でのヒントになればうれしいです。
マツダ × ミズノの共同開発 「ドライビングシューズ」
自動車メーカーのマツダとスポーツメーカーのミズノがタッグを組み、自動車運転専用の 「ドライビングシューズ」 を開発しました (公式サイトはこちら) 。
出典: マツダ
まずはテスト販売ということで、クラウドファンディングの Makuake (マクアケ) を使いました (すでに終了していますがこちらです) 。
思ったこと
マツダとミズノの共同開発のドライビングシューズから思ったことは、次の3つです。
✓ 思ったこと
- 「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 の三拍子がそろっている
- 新しい利用シーンからの市場創造
- クラウドファンディングでテスト販売 (ニーズ検証)
では順番にご説明していきますね。
「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 の三拍子がそろっている
これは私がよく使うフレームですが、ヒット商品を見たり分析する時に、3つの要素をフレームとして使っています。3つとは 「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 です。
✓ ヒット理由の要素分解
- 機能: 優れた機能性
- デザイン: 見た目の美しさ, ユーザー体験までを含めたデザイン
- ストーリー: 背景にある哲学, 開発秘話, ブランドとしての世界観
以下のプロモーション動画を見ると、ドライビングシューズはこれら3つが全て当てはまることがわかります。
1つ目の機能は、運転用に最適化された機能として、ペダルが操作しやすくアクセルとブレーキをスムーズに切り替えられます。足への負担が減り、疲れが出にくいように作られています。
出典: マツダ
2つ目のデザインは、かっこいいデザインで、日常使いで歩く時にも使えるようにしています。ドライビングシューズは機能とデザインを合わせた 「機能美」 を追求しています。
3つ目のストーリーについてです。
マツダとミズノの共同開発にはストーリーがあり、徹底的にこだわった開発がされました。コンセプトは 「人馬一体」 で、まるで人と馬が一体になったような走りを、ドライビングシューズを履いて車で再現したい想いが込められています。
先ほどご紹介したプロモーション動画で印象的だったのは、「車を運転する全ての人、つまりマツダの自動車以外でもドライビングシューズを履いて運転してほしい」 と語られていました。
以上のように、「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 の3つがそろっています。
新しい利用シーンからの市場創造
車の運転専用のシューズは珍しく、今までなかったシューズカテゴリーです。
マーケティング視点での意味合いは、「運転中に専用シューズに履き替えるという新しい利用シーンの創出」 で、市場創造なのです。ドライビングシューズはそれぐらい野心的な試みです。
市場を立ち上げるという観点で、マツダとミズノの共同開発の経緯、販売手法やプロセスは興味深いです。
クラウドファンディングでテスト販売 (ニーズ検証)
その販売プロセスで特徴的なのは、マクアケというクラウドファンディングを使ったことです。
一言で言えば、商品開発を 「小さく早く始める」 というやり方です。特に今回のような新しいカテゴリー、今までにありそうでなかった商品やサービスでは有効な方法です。
クラウドファンディングはテスト販売なので、応募状況やコメントなどの反応から具体的なニーズの確認ができます。商品やサービス開発の専門用語で PMF (Product Market Fit) と言う、プロダクトがマーケットにフィットするか、つまり人々に受け入れられ愛される存在になれるかの検証ができるわけです。
マクアケでは1足で3万9600円 (税込み) で4万円近いシューズですが、わずか2日で1100足が完売しました。ここから手応えを感じ、本格的な商品・事業化に移りました。
まとめ
今回は、マツダとミズノが共同開発をしたドライビングシューズを取り上げました。
最後にまとめです。
マツダ × ミズノの共同開発 「ドライビングシューズ」
- 自動車運転専用の 「ドライビングシューズ」 を開発
- クラウドファンディングのマクアケを使いテスト販売をした
- 1足で3万9600円 (税込み) と4万円近いシューズだったが、わずか2日で1100足が完売。本格的な商品・事業化へ
ドライビングシューズ開発で思ったこと
- 「機能」 「デザイン」 「ストーリー」 の三拍子がそろっている。コンセプトは 「人馬一体」 。徹底的にこだわった機能美と開発ストーリーがある
- 新しい利用シーンからの市場創造。運転専用シューズというありそうでなかったシューズカテゴリーを創出
- クラウドファンディングでテスト販売。小さく早く始めて利用者ニーズを確認した (PMF 検証)
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