投稿日 2021/08/06

コンサルティングで使っている事業戦略のつくり方とフレーム


今回は、事業戦略のつくり方です。


この記事でわかること


  • 事業責任者や経営者の悩み (よくある相談)
  • 事業戦略をつくる時の全体プロセス
  • 現状把握と理想描写の戦略フレーム

今回は私が受ける仕事の相談から、事業戦略についてを取り上げます。相談内容での共通点と、そこから見えてくる事業戦略のつくり方をご紹介します。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。


読んでいただきたい方


今回の内容を読んでいただきたい方は、ビジネスパーソンの中でも事業責任者や経営者の方です。いつもの記事よりもメインのターゲット読者を絞っています。

次に想定している読んでいただきたい方は、マーケターやマーケティングに興味のある方です。というのは事業戦略のつくり方をマーケティング視点で書いているからです。

記事からわかるのは、事業戦略まわりのコンサルティングへの相談例、事業戦略をつくる時によく私が使っている戦略フレームを解説しています


事業責任者や経営者の悩み



自分の会社でやっているコンサルティングで、よくいただく相談テーマの1つが 「事業戦略をどうつくっていけばいいか」 です。

具体的には次のような相談内容です。

事業責任者や経営者の悩み
  • 売上鈍化の根本原因がわからず一緒に見てほしい
  • 問題は特定できたが、どう解決していいかアドバイスが欲しい
  • 顧客が求めていることと自分たちのやっていることにギャップを感じる。しかしどう埋めていいかわからない
  • 顧客開拓をして事業拡大したいが、進め方を相談させてほしい


もう少し具体的にご説明すると、例えば最後の 「顧客開拓をして事業拡大したいが、どう進めていいかわからない」 では、次のような状況です。

事業拡大の相談例
  • これまでは場当たり的に顧客からの問い合わせや引き合いに対応してきた
  • しかし今の延長線上では事業は大きく拡大はしない。ここに問題意識を感じている (背景には事業をスケールしたい意向がある)
  • 具体的にこれからどう進めていいか相談に乗って欲しい


事業戦略をつくる時の全体プロセス



ここまでご紹介したような相談を受ける時にやることがあります。戦略をつくる時の方法で共通するステップです。


事業戦略をつくるプロセス
  1. 現状把握
  2. あるべき姿の理想描写
  3. 問題箇所の特定と真因の追求
  4. 事業戦略と実行プランの策定
  5. 実行と振り返り


5つのステップを簡単に補足すると、最初にやるのが 「現状把握」 です。社内状況だけではなく、顧客理解、競合や市場を見ます。社外環境に目を向けることが大事です。

次に現状から離れ、自分たちが目指すこと、あるべき姿の理想を描きます。問題を掘り下げるのは現状と理想を描いてからです。理想と現状を見比べて問題はどこにあるか (問題特定) 、問題の真因は何かを追求します。ここまでが5つのステップの3つ目までで、戦略をつくるにあたっての前提です。

問題を解決するために、事業の理想を目指す大きな方針として戦略をつくります。戦略から実行プランに落とし込み、実行と振り返りをやっていきます。

以上が事業戦略をつくり実行を進める時のプロセスです。


現状把握と理想描写のフレーム



もう1つご紹介したいフレームがあります。

先ほどの事業戦略の立案と実行プロセスで見た 「現状把握」 と 「理想描写」 を解像度高くやっていくための着眼点です。

具体的には大きくは次の4つです。

現状把握と理想描写の着眼点
  1. 顧客
  2. 競合と市場
  3. ソリューション
  4. 収益モデル


事業戦略という根幹のところを外部の人間である自分にコンサルティングの相談をされるのは、これら4つのどこかで上手くいっていない、または見落としている状況だからです。

では、4つそれぞれについて具体的な中身をご説明しますね。


[着眼点 1] 顧客


現状把握と理想描写で最初に明確にすることは、顧客像の設定です。そもそもの自分たちの顧客は誰かです。

顧客像を明確にした次に掘り下げるのは、顧客が抱える問題、問題解決のために取り組んでいる・取り組もうとしている重点課題は何かです。併せて顕在化しているニーズや、顧客のペインポイント (不) 、奥にある気持ちや本音という顧客インサイトまでです。

ターゲット顧客を設定したら、自分たちが解決したいことをさらに 「ターゲット問題」 として捉えるといいです。


[着眼点 2] 競合と市場


顧客が設定できれば競合と、そこから市場も見えてきます。

というのは競合とは、顧客が問題を解決したい、何かをしたい・欲しい、買いたいと思った時に頭の中に浮かぶ選択肢の中で、自社を除いた他の全ての選択肢だからです。顧客の選択肢が 「自社, 他社 A, B, C, D」 だとしたら、競合は A から D までという考え方です。

逆に言えば顧客設定がない中で、自分たちが机上で勝手につくった競合設定は絵に描いた餅です。

市場も顧客視点で見ると良くて、先ほどの表現を続けると 「顧客の頭の中の選択肢の全て」 が市場です。


[着眼点 3] ソリューション



3つ目の着眼点はソリューションです。

1つ目で設定した解決すべき問題に対して、自分たちはどうやって解決するかの方法です。具体化した商品やサービスがソリューションです。

そしてソリューションによって顧客が得られる価値は何かまで掘り下げるといいです。

整理すると、

ソリューションと提供価値
  • 顧客の問題解決のために自分たちは何をやるのか (ソリューション)
  • ソリューションによって顧客が得る本質的な価値は何か
  • 顧客の成功をどう定義するか (カスタマーサクセス)


さらにソリューションの実現理由の理解も深めておくといいです。

実現理由
  • ソリューションは自分たちにしかできないことなのか (競合優位性があるか)
  • 今後も優位性を保ち続けられるか
  • ソリューション提供をどう仕組み化するか
  • ソリューションと提供価値が実現できる理由を、事業が持っているリソースとオペレーションに分けて把握する


[着眼点 4] 収益モデル


4つ目のポイントが収益モデルです。顧客へのソリューションと価値提供に対してどう収益化するかです。

収益モデルを分解すると次のようになります。

収益モデル
  • 誰から
  • 何の価値提供に対して
  • いつのタイミングで, どうやって


3つを順番に補足をすると、1つ目の 「誰から」 は顧客全員から課金するのか、それとも一部の顧客には意図的に無償で対応するアプローチもあります。

2つ目の 「何の提供価値に対して」 も同じで、全てのソリューションに課金をするのか、あえて無料で提供するサービスと有償サービスを分ける方法もあります。フリーミアムの考え方です。

3つ目の 「いつのタイミングで, どうやって」 は例えば前払いか後払いか、サービス利用期間で均等に課金するのか (サブスク) です。サブスクも定額課金か使用量に応じた従量課金のやり方もあります。

以上の組み合わせから現状の収益モデルを把握したり、あるべきモデルを描きます。


まとめ


今回は事業戦略のつくり方についてでした。

最後にまとめです。


事業戦略をつくるプロセス
  1. 現状把握
  2. あるべき姿の理想描写
  3. 問題箇所の特定と真因の追求 (問題とは理想の状態になっていない阻害要因)
  4. 事業戦略と実行プランをつくる
  5. 実行と振り返り


現状把握と理想描写の着眼点
  1. 顧客: 顧客像, 顧客の問題と課題, ニーズ・顧客の不・インサイト
  2. 競合と市場: 顧客の頭の中にある選択肢 (顧客視点で競合と市場を設定する)
  3. ソリューション: 顧客の問題の解決策と提供価値。ソリューション実現理由 (リソースや仕組み)
  4. 収益モデル: 誰から, 何の価値に対して, いつのタイミングで, どうやって



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。