投稿日 2021/08/22

シニア女性のスマホの悩みから考える、「初心者のお客」 へのマーケティング方法


今回は、初心者ユーザーの悩みから考える、マーケティングや顧客対応の方法です。

この記事でわかること


  • シニア女性のスマホの悩み
  • マーケティングコミュニケーションやカスタマーサポートへの学び
  • 盲点になっている初心者のつまずきの発見
  • 利用期間の長い初心者の不満への対処

この記事を読んでいただきたいと思うのは、マーケティング、営業、カスタマーサポートの業務に関わっている方です。

シニア女性のスマホへの悩みから、お客の中でも 「初心者」 への対応方法を掘り下げています。自社の顧客対応への何かヒントになればうれしいです。


シニア女性のスマホの悩み



日経 MJ におもしろい記事がありました。記事のタイトルは 「 (ときめく!シニア女性マーケ) スマホの疑問から見える心理」 です。

以下は記事からの引用です。

 「ハルメク」 8月号の大特集は 「50代からのスマホ、簡単、便利に使うコツ」 である。

年に一度のこの 「スマホ特集」 は大変人気が高い。それだけ悩んでいる方が多いということだろう。毎年さまざまに工夫を凝らして特集を作っているが、今年のポイントは以下の3つだ。

 (引用: 日経 MJ 2021.8.13)


予想外の 「初心者のつまずき」


ここからは、引用箇所の最後にあった今年の3つのポイントのうち2つを取り上げてみていきます。

1つ目は 「初心者レベルのつまずきに対し、あらためて詳しく丁寧に解説したこと」 です。同じ記事からの引用です。

小さな画面をうまくタップできずに入力ミスが多かったり、そのせいでネット通販や SNS のアカウントが作れなかったりするケースも多い。

そこで、スマホ画面はどのくらいの力の入れ加減で触ればいいのか、といったところから解説を始めている。

 (引用: 日経 MJ 2021.8.13)

具体例で 「なるほど」 と思ったのは、スマホでのタップ操作へのつまずきと、解説内容でした。

シニア女性にとっては、タップする時にスクリーン画面に触れる力の加減がわからなく、スマホの操作がうまくできないという悩みです。ボタンのようにぎゅっと押すほどの力が入るのか、それとも恐る恐る触れるか触れない程度のものなのかです。

確かに私の祖母も、スクリーン画面にタップするという操作感覚がなかなかつかめず、画面が割れてしまうかと見ているこちらがヒヤヒヤするくらい強く押していました。

シニア女性へのタップ方法の説明でわかりやすいと思ったのが、「ごま粒に触れて、指先に付着させる力加減がスマホのタップ」 という表現です。これ、秀逸ですよね。シニアの人にわかりやすいですし、確かにスマホへのタップはこのくらいのイメージです。




初心者の不満を汲み取れているか


ここまで見てきた 「スマホでの初心者レベルのつまずきに対する丁寧な解説」 から、ビジネスに学べることを掘り下げてみましょう。

あらためて考えさせられたのは、自社商品やサービス 「初心者」 に配慮する重要性です。初心者の中には、商品やサービスの提供者側が思ってもいないところでつまずいたり、わからない、不満を感じている人がいるはずです。

しかし、提供者側はそこに気づけないことがあります。というのも、商品やサービスのことを知りすぎているからです。つまり相当な上級者になっているわけで、自分が知っている、できることはお客やユーザーの誰でもが当たり前にやれていると思ってしまうのです。ここは提供者側がよほど意識していないと、初心者がつまずいてる状況を見過ごしてしまいます。

こうした不満をいかに汲み取れるかと、先ほどのタップの説明にごま粒を使ったように、お客にとって馴染みのある表現や説明をすることが大事です。


利用歴の長い 「初心者」 ならではの不満


さて、もう一度日経 MJ の記事に戻ると、記事で紹介されていた今年の特集の2つ目のポイントについてです。2つ目は 「長く使っているからこその疑問に対し、細かく対応したこと」 でした。

スマホを一定期間で使い続けているからこそ生じる不満があり、例えば次のようなことです。


スマホを使い続けると生じる不満
  • いらない通知が増えた
  • 未読メールが溜まっている
  • ホーム画面にアプリがいっぱいで使いづらい
  • 昔撮った写真が探せない


これらのストレスは、同じ初心者でも新規客の初心者ではなく、「スマホの利用歴が長い初心者」 において発生します。

ではビジネスに一般化して、何が学べるかを見ていきましょう。


初心者へのマーケティング方法


商品やサービスの顧客になっている期間が長いからといって、お客は商品やサービスに習熟したり詳しくなるとは限りません。

提供者側が暗黙的に捉えてしまうのは、お客の利用歴が長いと自然と初級者から中級や上級になっていくと思いがちです。しかし、シニア女性のスマホへの不満や悩みで見たように、初心者でとどまったままの人もいるわけです。

ビジネスへの学び、例えばマーケティングコミュニケーションやカスタマーサポートへのヒントは、利用歴が長いお客で一定数は存在する 「初心者」 の見極めです。そして、長く初心者のままでいる人のつまずき (ペインポイント) の中には、新規客の初心者のそれとは質的に中身が異なるのです。

 「初心者の顧客」 と言っても十把一絡げにするのではなく、特にペインポイントは様々です。初心者の解像度を高めて、配慮と顧客対応が大事です。


まとめ


今回は、シニア女性のスマホへの悩みから考える、マーケティングコミュニケーションやカスタマーサポートでの顧客対応についてでした。

最後にまとめです。


シニア女性のスマホの悩み
  • 提供者側が想定していないところでつまずいている。例えば小さな画面をうまくタップできずに入力ミスになり、ネット通販や SNS が使えない
  • スマホ利用歴が長くなることによるストレス。例えば、いらない通知が増えた、未読メールが溜まっている


顧客対応への学び
  • 提供者側が見過ごしがちな想定外の初心者のできないないことや不満を汲み取る
  • お客にとって馴染みのある表現や説明をする
  • 利用歴が長いと自然と初心者から中級や上級になっていくと思いがちだが、そうではない。利用歴が長いお客の中にも 「初心者」 は存在する
  • ひとくくりに初心者と見るのではなく、初心者の解像度を上げる



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。