投稿日 2022/01/29

ロコンドの EC 事業プラットフォームと Amazon の共通点に学ぶ、強みから新しいビジネスをつくる方法

出典: ロコンド

今回のテーマは、ビジネスモデルと新しいビジネスのつくり方です。

✓ この記事でわかること
  • ロコンドの EC プラットフォームサービス
  • なぜロコンドは実現できるのか?
  • Amazon との共通点
  • 事業開発に学べること

おもしろいと思ったロコンドのプラットフォームサービスを取り上げます。

Amazon の AWS との共通点からも掘り下げながら、事業開発や新しい商品・サービスの企画立案に学べることを見ていきましょう。

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

ロコンドの EC 支援プラットフォームサービス


今回ご紹介したいのは、ロコンドのプラットフォームサービスです。

出典: ロコンド

プラットフォームサービスの中身


以下は、日経新聞からの引用です。

返品無料 (一部を除く) をうたったネット通販で有名なロコンドだが、実は通販サイトの運営だけではなく他社の EC 事業を支援する 「プラットフォームサービス」 を手掛けている。EC サイトの構築支援や、出荷の管理、顧客からの問い合わせ対応などを一括で請け負う。

このサービスのキモは倉庫にある。例えば店舗を持つブランドが、ロコンドのサイトに出店した上で、自社 EC も運営している場合、ロコンド向け、自社 EC 向け、店舗向けにそれぞれ在庫を管理する必要がある。そこで、ロコンドは店舗と EC の在庫管理を一元化するサービスを提供。この倉庫から、EC で注文した消費者に発送したり、店舗へ商品を出荷したりする。

EC で注文が入ると店舗からロコンドの倉庫に戻した上で顧客の自宅へ配送する仕組みも備えている。これにより、顧客企業は在庫回転率を向上できるという利点が生まれる。さらに2022年春夏中には店頭から顧客に直接出荷する機能を構築予定だ。

企業がこのプラットフォームサービスを利用するにはロコンドの通販サイトに出店することが条件だが、倉庫に置いた商品を最終的には店舗で販売したとしても一定数までは保管料金はかからない。ロコンドのサイトで販売する商品の在庫として扱うためだ。その代わり、ロコンドは販売手数料や作業料をとる。
出典: 日経


プラットフォームサービスを利用するメリット


EC を展開している企業のメリットを整理すると、次のようになります。

✓ プラットフォームサービスの利用メリット
  • 違う出店先の商品の在庫管理をまとめてできる (自社 EC サイト, ロコンドでの出店, 自社店舗)
  • ロコンドが商品を預かってくれるので、在庫管理スペースを少なくできる
  • EC からの出荷作業、顧客からの問い合わせを代行してくれる

なぜロコンドは実現できるのか?


ここまでの内容を踏まえて、なぜロコンドが EC 支援プラットフォームサービスを実現できるのかを考えてみましょう。

一言で結論を言えば、自社でやってきた EC 事業からの経験・ノウハウ・知見・技術・仕組みを持っているからです。

こうした有形と無形の資産を、自社内だけではなく外部の他社にも活かしているわけです。具体的なビジネスが、他社の EC 事業を支援するプラットフォームサービスなのです。


Amazon との共通点


ロコンドがやっている EC 支援プラットフォームサービスは、Amazon と共通します。

具体的には AWS (Amazon Web Services) です。AWS とは企業向けのクラウドサーバー事業です。

AWS の顧客企業は自社でサーバーを自ら構築しなくても、AWS を有料で使えばクラウドサーバー機能を得ることができます。AWS とは Amazon のクラウドサーバーの利用権をお金で買うようなものです。

元々 AWS は、Amazon が自社の EC ビジネス用に用意したクラウドサーバーでした。その後に外部にも解放して有料で利用できるようにし、今では Amazon の収益を稼ぐビジネスになりました。

ロコンドの 「EC 事業プラットフォームのサービス」 も同じ構図です。自社でやっていた EC 事業の技術やノウハウを外部転用に可能な仕組みにして、他社の EC 事業にビジネスとして広げているわけです。

ロコンドがプラットフォーム事業でやっていること、そして Amazon の AWS の本質は、一言で表現すれば 「先行優位のビジネス転用」 です。

ロコンドの EC 事業での在庫管理やサイト運営の仕組みは、他社に先駆けて作り上げただけではなく、EC 運営の仕組み自体を売り物にして収益化にまでつなげるおもしろい事例です。


学べること


では最後に、ロコンドと Amazon から学べることを整理してみましょう。

自分たちが持っている専門スキル・ノウハウ・システム・仕組みを自社ビジネスに活かすだけではなく、もっと広く世の中の問題解決に貢献できないかという発想をしてみるといいです

もちろん直接の競合に自社のノウハウを渡して、自分たちの競争優位性を消してしまうことは避けるべきですが、視野を広げて異業種や他業界にも目を向ければ、自分たちの強みを活かせる領域が見つかります。

外部活用の対象は自社内での先行取り組み事例だけではなく、自分たちができて当たり前だと思っていることも可能性は十分にあります。当たり前にできていることは、実は他人はできないことだったりするので、外の人にとっては重宝されます。

強みの把握と、どうすれば最大限に活用できるかを社内外に、特に異業種にまで目を向けて広げてみるといいです


まとめ


今回は、ロコンドの EC 支援プラットホームサービスと Amazon の AWS との共通点から、新規事業開発や商品・サービスの企画に学べることを見てきました。

最後にまとめです。

先行優位のビジネス転用
  • ロコンドの EC 支援プラットフォームサービスは、自社での事業で培ったノウハウや仕組み自体を売り物にしているビジネス
  • Amazon の AWS と同じ。Amazon は元々は自社用に構築したサーバーを AWS としてクラウドサーバー事業にした

学べること
  • 持っているノウハウ・システム・仕組みを広く世の中の問題解決に貢献できないかを考えてみよう
  • 先行取り組み事例だけではなく、自分たちができて当たり前だと思っていることも可能性はある
  • 強みをどうすれば最大限に活用できるかを、社内外に特に異業種にまで目を向けて広げてみよう


ニュースレターのご紹介


マーケティングのニュースレターを配信しています。


気になる商品や新サービスのヒット理由がわかり、マーケティングや戦略を学べるレターです。

マーケティングのことがおもしろいと思え、今日から活かせる学びを毎週お届けします。

レターの文字数はこのブログの 2 ~ 3 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方には、レターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。

こちらから無料の購読登録をしていただくと、マーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!

最新記事

Podcast

YouTube

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

note, Twitter, theLetter, YouTube, Podcast, Google Podcasts, Amazon music, Spotify, stand.fm, も更新しています。

最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。