出典: 食品産業新聞社
今回は、スタバに学ぶ戦略と実行です。
✓ この記事でわかること
- スターバックスの 47JIMOTO フラペチーノ
- 戦略の観点からの本質とは?
- 戦略と実行に学べること
- トップと現場でやり抜く秘訣
スタバの人気メニュー 「47JIMOTO フラペチーノ」 を取り上げ、「戦略と実行」 をテーマに 47JIMOTO フラペチーノの本質と学べることを解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
スタバの 47JIMOTO フラペチーノ
今回取り上げたいのは、スタバの人気メニューとなった 「47JIMOTO フラペチーノ」 です。
いよいよ本日(6/30)から『#47JIMOTOフラペチーノ®』がスタ―ト🗾✨💚
— スターバックス コーヒー (@Starbucks_J) June 30, 2021
各都道府県のバリスタが、地元のお客様を想い考案した47通りのフラペチーノ®です。みなさんがお住まいのJIMOTOで、それぞれの一杯をお楽しみください😊
詳しくはこちらhttps://t.co/G7xwO1vDrE pic.twitter.com/PWzryUlWSh
スタバの現地化戦略
47JIMOTO フラペチーノを取り上げた記事が日経新聞にありました。
今回の内容の背景として、一部を抜粋して引用すると、
スタバの戦略はパートナーの支えが重要だ。
店舗から生まれるアイデアをサポートセンター (本社) が吸い上げ、店舗で従業員が提供・発信する。これまでも従業員の提案でメニューや出店立地などの戦略が生み出されてきた。
47JIMOTO フラペチーノに見る 「スタバらしさ」
出典: 食品産業新聞社
同じ日経新聞から、再び引用します。
日本上陸25周年の節目にスタバが発売したのが、全国47都道府県それぞれ限定の味のフラペチーノだ。今年の6月に発売し、各地の店舗や SNS (交流サイト) などで大きな話題を呼んだ。
世界的なチェーンでありながら、一店一店、地域に入り込んだローカライズ (現地化) 戦略をとるスターバックス。「25年という節目に、パートナーが自分の手で作るドリンクで各地域に伝えられるものを作りたかった」 。「47JIMOTO フラペチーノ」 の開発の指揮をとった森井久恵チーフ・マーケティング・オフィサー (CMO) はこう話す。
47都道府県別のメニューは、従業員からの1300を超えるアイデアを基に開発。地域を象徴する地形や特産物、文化を表現したものなどその地域にストーリーを盛り込んだレシピが全国から届いた。都道府県ごとに試作し、47個のフラペチーノが完成した。
「サプライチェーンの専門家から見ると不思議に思われるマーケティングだろう。そこにスタバらしさがある」 (森井 CMO ) 。パートナー発信の戦略で、地域におけるスタバの存在意義を示す。
京都の JIMOTO フラペチーノ
47JIMOTO フラペチーノの1つをご紹介すると、京都では 「京都 はんなり 抹茶きなこ フラペチーノ」 です。
抹茶ときな粉で、引き立て合う味わいが特徴です。
出典: FASHION PRESS
学べること
ではここからは、47JIMOTO フラペチーノから何が学べるかについて見ていきましょう。
一言で言えば、戦略と実行に示唆があります。
スタバが 47JIMOTO フラペチーノでやっていることは、「トップダウンとボトムアップの両立」 です。別の表現をすれば 「中央集権と自律分散型の共存」 です。
トップダウンの方針
スタバの戦略としての大きな方針は、スタバ全体での世界観やブランド (消費者から見える 「らしさ」 ) は統一しています。
その上で、ローカライズ (現地化) を進め、地域や店舗ごとで施策を考えたり実行する権限は現場にあります。象徴的なのは 47JIMOTO フラペチーノで、方針は賛同され全国各地から1300以上のアイデアが集まりました。
現場からのボトムアップ
あらゆることで上からの指令で現場が動くのではなく、現場メンバーは自ら工夫できる余地があります。現場メンバーにやらされ感はないので、能動的に動けます。
現場からのボトムアップがスタバ全体で機能しているのは、戦略や方針への理解と共感があり、腹落ちから自分ごと化されているからです。
トップと現場で実行をやり抜くために
では最後に、47JIMOTO フラペチーノから学べる 「戦略と実行のためのポイント」 を整理してみましょう。
一言で表現すれば、ポイントは 「戦略から実行に移すために、参加できる余白を意図的につくっておこう」 です。
ここで言う 「参加できる余白」 とは、実行メンバーが創意工夫を入れられる 「遊び」 があることです。
実行プランやスキームまで細かく決められていると、現場メンバーはただ上から言われたことをやるのみです。受け身になり、やらされ感がどうしても生まれてしまいます。このような状態だと、困難な状況になったり、上手くいかないと他責やあきらめの気持ちにつながりやすいです。
そうならないために、トップからは方針として共感される戦略を伝えますが、具体的な実行施策は現場に考えてもらい、自ら動いてもらう環境や仕組みを用意します。戦略へのブラッシュアップのための情報を、現場から上げてもらうよう伝えるといいでしょう。
このようにトップダウンとボトムアップの両立を実現することによって、トップと現場で一体となりながら実行をやり抜けるのです。
まとめ
今回はスタバの 47JIMOTO フラペチーノから、戦略と実行に学べることを見てきました。
最後にまとめです。
47JIMOTO フラペチーノ
- 戦略と実行の観点で見ると、スタバがやっているのはトップダウンとボトムアップの両立。中央集権と自律分散型の共存
- スタバ全体での世界観やブランド (消費者から見える 「らしさ」 ) は統一している
- 現場は、地域や店舗ごとで施策を考えたり実行するために創意工夫をする
トップと現場で実行をやり抜くために
- 戦略から実行に移すために、参加できる余白を意図的につくるといい
- 実行メンバーが創意工夫を入れられる 「遊び」 があるようにする
- トップからは共感される戦略を伝え、具体的な実行施策は現場に考えてもらい、自ら動いてもらう環境や仕組みを用意する
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