出典: バーミキュラ
今回は、「体験価値の提供からのマーケティング」 というテーマです。
おもしろいと思った体験型店舗を取り上げ、新しくオープンする狙いを掘り下げます。そこから、マーケティングに学べることを一緒に見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 鍋ブランド 「バーミキュラ」 の体験型店舗
- 8年越しの悲願
- 狙いは 「認知」 と 「価値体験」 の提供
- マーケティングに学べること
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
バーミキュラの体験型店舗
鍋ブランドの 「バーミキュラ」 が、新しく体験型店舗をオープンしました。
出典: PR TIMES
以下は、日経クロストレンドの記事からの引用です。
愛知ドビー (名古屋市) は2021年12月19日、自社ブランド 「バーミキュラ」 の魅力を発信する拠点として、東京・代官山に体験型複合施設 「VERMICULAR HOUSE (バーミキュラ ハウス) 」 をオープンした。
鍋やフライパンなどを販売するほか、同社製品で調理した料理を味わえるレストラン、デリを併設する。
体験型 D2C
バーミキュラハウスのコンセプトは、「何度も帰って来たくなる最高のバーミキュラ体験ができる場所」 です。
鍋やフライパンなどを販売するショップ (出典: 日経クロストレンド)
レストラン (出典: 日経クロストレンド)
イートイン・テイクアウト (出典: 日経クロストレンド)
施設全体でバーミキュラを体験してもらい、バーミキュラが提供する価値を直接伝えます。この意味で、バーミキュラハウスは 「体験型 D2C」 と見ました。
8年越しの悲願
バーミキュラハウスの狙いは、自社商品の良さやブランドとしての世界観を直接体験してもらうことにあります。
そもそもバーミキュラがバーミキュラ ビレッジやバーミキュラ ハウスのような体験型施設を作るに至ったのはなぜか。その理由の1つとして、愛知ドビーの土方智晴副社長は、ブランド開設当初に感じた "悔しさ" を口にした。
0.01ミリ単位で精度を追求し、密閉性を高めることで、素材本来のおいしさを引き出すべく同社が生み出したのが、バーミキュラのオーブンポッドラウンドで、その品質には絶大な自信を持っている。しかし発売当初は、工作精度に基づく鍋としての独創性やそのメリットをなかなか理解してもらえなかった。
「バーミキュラを使ってもらえば、作った料理を食べてもらえば、その良さはすぐ分かってもらえるのに、と思っていた」 と土方副社長。製品を体験できる場を作ることは、約8年前からの悲願だったのだそうだ。
8年越しでようやく実現したのが、体験型施設なのです。
認知と価値体験
ここからは、マーケティングの観点で学べることを掘り下げてみましょう。
2つあり、1つ目はバーミキュラの体験型店舗オープン (東京進出) に見る、認知の重要性です。
どんな良いものでも、存在を知ってもらえていなければ買われることはありません。この事実をあらためて、バーミキュラハウスから思わされました。
もう1つのポイントは、知られていても、「ユーザー体験の良さ」 「得られる価値」 は、使ってもらわないと伝わらないということです。
特に競合商品やサービスと差異化され独自性のあるものほど、実際に利用しないと体感できる価値はお客さんにはわからないのです。
以上の2つ、「認知」 と 「価値体験」 のハードルをクリアすることが大事で、これが、バーミキュラの体験型店舗の役割です。
マーケティングの役割
では最後に、バーミキュラハウスから学べることを整理してみましょう。
一言で表現すれば、学びは 「商品やサービスが良いというだけで、売れるとは思わないこと」 です。
作り手が陥りがちな落とし穴で、とりわけ品質やコスパに優れた商品・サービスを持っているほど、「商品が良ければ (何もしなくても勝手に) 売れる」 という固定観念に囚われてしまいます。
繰り返しになりますが、どんなに良い商品やサービスでも、知られていなければ買われません。知ってもらい、興味を持って理解をしてもらい、商品・サービスが自分ごと化され、時には具体的にどう使えるかを体験して初めて購入につながるのです。
こうした1つ1つのハードルを乗り越えるのが、マーケティングの役割です。
まとめ
今回は鍋ブランドのバーミキュラの体験型店舗から、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
認知と価値体験
- どんな良いものでも、存在を知ってもらえていなければ買われることはない
- 知られていても、「ユーザー体験の良さ」 「得られる価値」 は、実際に使ってもらわないと伝わらない
- 特に競合商品やサービスと差異化されているものほど、利用しないと体感できる価値はお客さんにはわからない
マーケティングの役割
- 知って、興味と理解を促し、商品・サービスを自分ごと化してもらう。時には具体的にどう使えるかを体験して初めて購入につながる
- これら1つ1つをマーケティングによって乗り越えていく
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