投稿日 2022/01/12

くら寿司の Z 世代向け新店舗に見る、デザインから体験価値をつくる方法

出典: PRWire

今回のテーマは、デザインです。

✓ この記事でわかること
  • くら寿司の Z 世代向けの新店舗とは?
  • 「箱を再発明する」 というオシャレな箱
  • 2つの事例の共通点 (本質) は?
  • マーケティングや商品開発に学べること

おもしろいと思った2つの事例を取り上げ、「体験価値の提供」 というテーマで学べることを解説しています。

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

くら寿司の Z 世代向けの新店舗


1つ目の事例でご紹介したいのは、回転寿司のくら寿司です。

佐藤可士和氏が監修し、Z 世代向け新しい店舗が12月9日にオープンしました。

出典: PRWire

新旧融合のコンセプト


コンセプトは、「日本の伝統文化 × トウキョウ・ポップカルチャー」 です。

色とりどりの 「カラフル提灯ウォール」 、他には 「スイーツ屋台」 、回転寿司ではめずらしい 「自動クレープ焼き機」 もあるそうです。

自動クレープ焼き機もあるスイーツ屋台 (出典: 日経クロストレンド)

席は、障子を閉めることで個室になるボックスシートや、スカイツリーなどの眺望が楽しめるテラス席 「バルコニー飲食スペース」 、原宿の街並みを見ながら食事ができるスタンド席が設置されました。あとは、自撮りスタンドまであります。

出典: PRWire


新しい独自化


くら寿司の Z 世代向けの新店舗に注目した理由は、回転寿司の新しい独自化だからです。

回転寿司のこれまでの差異化は、安さ、手軽さ・効率、ネタ、ラーメンなどのサイドメニュー、期間限定キャンペーン (例: 鬼滅の刃とのコラボ) でした。しかし、くら寿司の新しい店舗は、店内デザインによる 「体験」 からの独自化で興味深いです。


箱の再発明


では続いて2つ目の事例です。日経クロストレンドの記事からです。

イッセイ ミヤケも採用 「箱」 の 「再発明」 で梱包が価値になる|日経クロストレンド

箱をテーマとし、「箱を、再発明する。」 というコンセプトがおもしろいです。


記事では具体例として、次のような箱が紹介されています。

箱は花瓶としても使える (出典: 日経クロストレンド)

パンの箱がトレーにもなる (出典: 日経クロストレンド)

箱を梱包のためだけではなく利用価値を広げていて、これを 「箱の再発明」 と定義しています。利用シーンをより広く捉え、利用用途に合ったデザインにしているわけです。

パッケージを見た目の美しさだけではなく、使い勝手の良さも追求するデザインの考え方が好きです。


2つの事例の共通点


ここまで見てきた2つの事例、「Z 世代向けの新店舗」 と 「箱の再発明」 について、共通することから本質を掘り下げてみましょう。

一言で表現すれば、本質は 「空間やモノに新しいコンセプトを入れ、体験価値を提供するデザイン」 です。

くら寿司は、コンセプトが 「日本の伝統文化 × トウキョウ・ポップカルチャー」 でした。店内での屋台での体験 (古い伝統) 、スカイツリーが見える展望や自撮り体験 (新しいカルチャー) がミックスされた体験価値を提供しています。

もう1つの事例である 「箱の再発明」 では、箱を開けて中身を取り出した後も利用できる洗練されたデザインからの利用体験があります。

いずれにも共通するのは、お客や利用者の体験をより良くする価値を提供しているのです


学べること


では最後に、今回の2つの事例から学べることを整理してみましょう。

思ったのは、たかがデザイン、されどデザインです。

デザインの捉え方


デザインをどこまで見るかで、デザインからの価値創出は変わります。

表面的な単なる見た目としてのデザインではなく、もっと広く深くデザインを捉えるといいです。デザインは生活者やお客さんの目に留まり、お客との接点になり、多様な役割を持ちます。

多様な役割


ここで言う 「多様な役割」 とは、コミュニケーションや体験です。

コミュニケーションとは、自分たちのミッションやブランドメッセージを具体化したものを伝える、あるいは生活者同士で話題にしてくれるなどの横方向のコミュニケーションです。

多様な役割の中の体験とは、くら寿司ではこれまでにはない 「そこでしかできない独自の楽しさ」 、箱の再発明では梱包されて開けた後も役に立ったり、見ていてオシャレに思える体験です。

デザインからの体験価値


結びとして、学びを一言で言うなら 「デザインからの体験価値を提供しよう」 です。

これが今回の記事で残しておきたいメッセージです。


まとめ


今回は、くら寿司の 「Z 世代向けの新店舗」 と 「箱の再発明」 の2つの事例から、デザインについてマーケティングの視点で学べることを見てきました。

最後にまとめです。

2つの事例の共通点
  •  「くら寿司の Z 世代向けの新店舗」 と 「箱の再発明」 には共通点がある
  • 本質は、空間やモノに新しいコンセプトを入れ、体験価値を提供するデザイン

学べること
  • デザインをどこまで見るかで、デザインからの価値創出は変わる
  • 広く深くデザインを捉えることで、デザインはお客との接点になり、多様な役割 (コミュニケーションや体験) を持つ
  • 2つの事例からは 「デザインからの体験価値を提供しよう」 という学びがある


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。