今回はマーケティング活動の断絶を取り上げ、どう解決するかを解説します。
✓ この記事でわかること
- Marketing Native の CMO インタビュー記事
- 「広告と店頭の断絶」 という問題
- 部分最適ではなく全体最適を
- 施策での具体性と一貫性にこだわろう
この記事を読んでいただきたいと思うのは、マーケターの方です。特に想定をしているのはブランド全体の売上と利益 (PL) に責任を持っているブランドマネージャーのような方です。
マーケティングの問題でよくある 「広告と店頭の断絶」 を取り上げて、どう対処すればいいかを書いています。何か少しでも仕事も参考になればうれしいです。よかったら最後までぜひ読んでみてください。
広告と店頭の断絶
こちらの記事を読みました。
ピップにファンを!フジモト HD CMO 久保田達之助インタビュー 「老舗企業にデジタルマーケティングを導入して、定番商品をさらに愛されるロングセラーへ」|Marketing Native
ピップで有名な商品は、肩こり用の ピップエレキバン 、着圧ソックスの スリムウォーク などの商品です。
インタビューで印象的だったことの1つが、マーケティング施策の一貫性の話でした。
以下は記事からの引用です。
―― 定番商品、既存品のマーケティングについてお聞きします。ピップエレキバンやスリムウォークなど、すでに多くの人が知っている商品の売り上げをさらに伸ばすために、どのような施策を打っていますか。
まずはタッチポイントの強化です。ピップはタッチポイントに対する捉え方に課題があります。
例えばスリムウォークの CM を流したら、ドラッグストアの店頭に CM と連動したスリムウォークの商品がポップ付きできちんと並んでいることが大前提です。そうした基本的なことがまだ十分ではありません。
指摘しているのは、一言で言えば 「広告と店頭の断絶」 です。せっかく広告を流しても、店頭に商品が置かれていない、棚にあっても目立たない状態という問題です。
広告の役割
そもそもの広告の話になりますが、広告の役割とは何でしょうか?
広告出稿に企業がお金を払う理由は、見てもらった人に商品を知ってもらったり、興味を持ってもらう、(店頭などで) 思い出してもらう、買いたい気持ちになってもらうためです。
しかし広告がこれらの役割を果たしたとしても、つまり消費者が買う態勢になったとしても、実際に店頭で商品が見つからない・買えない状態になっていれば、せっかくの広告投資が無駄になってしまいます。
具体性と一貫性を
広告と店頭の断絶という問題が起こるのは、マーケティング施策が部分最適になっているからです。大事なのは部分最適ではなく全体最適です。
全体最適とは、施策を担当する人や部署で三位一体で取り組むことです。
✓ 三者で全体最適を
- 広告を担当する宣伝部
- 流通や小売を担当する営業部
- 商品・サービスのマーケティング全体を統括するブランドマネージャー
ブランドマネージャーが責任を持ったり決めるのは、ブランド全体の目標設定、マーケティング戦略、各施策の方針です。
宣伝部は、コンセプトや戦略、施策方針に沿ってコミュニケーションプランを作ります。営業部は戦略や方針を受けて営業戦略と実行プランを作ります。
部分最適ではなく全体最適にするためには、プロセスの始めから最後まで三者での整合性を取るようにします。全体方針に合っているか、戦略とブレていないか、そして大事なのはそれぞれがやっていることが最終的には目標を達成できるかです。
宣伝と営業の各マーケティング施策には具体性があり、かつ全体で一貫性があるかが大事です。
まとめ
今回はマーケティングで、「広告と店頭の断絶」 を取り上げました。
最後にまとめです。
広告と店頭の断絶
- 広告を流したら、店頭に広告と連動した商品が並んでいてポップ付きなどで消費者に選ばれやすい状態になっていることが大事
- しかしせっかく広告を流しても、店頭に商品が置かれていなかったり、棚にあっても目立たなければ広告と店頭の断絶が生まれる
三者で全体最適を
- 広告を担当する宣伝部, 流通や小売を担当する営業部, 商品・サービスのマーケティング全体を統括するブランドマネージャー
- 宣伝と営業の各マーケティング施策には具体性と全体での一貫性が大事
- 全体方針に合っているか、戦略とブレていないか、最終的には目標を達成できるか
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