今回のテーマは、ニーズのつくり方です。
特に今までになかった 「新しいカテゴリーの商品」 を出す時に、押さえておきたいポイントを解説しています。
✓ この記事でわかること
- マーケティングで大事な商品名の想起
- 新しいカテゴリーの商品を出す場合の注意点
- 「商品レベルの魅力」 と 「カテゴリーレベルの魅力」
- 二段階でのニーズ顕在化
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
商品名の想起
マーケティングで大事なのは、「◯◯ と言えば △△ (自社商品) だ」 と商品名をすぐに思い出してもらえることです。
「◯◯ と言えば」 の ◯◯ には、商品ジャンル (カテゴリー) が入ります。例えば 「シャンプーと言えば」 や 「出前サービスと言えば」 です。
思い出すことをマーケティングでは 「想起」 という言葉をよく使います。ヒントなしに商品名が出てくることを 「純粋想起」 と言います。
新しいカテゴリーの場合
ここから掘り下げたいのは、「◯◯ と言えば △△ (自社商品) 」 の ◯◯ に入るカテゴリーが全く新しい場合です。
「SDGs な洗濯機」 を例に
具体的にイメージをするために架空のケースとして、新しいカテゴリーを 「SDGs な洗濯機」 としてみます。
SDGs な洗濯機という一回聞いただけでは、今までの洗濯機と何が違うのかが消費者には分からない状況で考えています (ただし作り手・売り手 (メーカー) は理解しています) 。
この例を 「◯◯ と言えば △△ (自社商品) 」 に当てはめれば、マーケティングで目指したいのは 「SDGs な洗濯機と言えばこれ (自社商品) 」 と消費者の頭の中で一番に想起されることです。
カテゴリーレベルで魅力があるか
ここで1つ注意点があります。
架空の例で考えている 「SDGs な洗濯機」 のような新しいカテゴリーの場合は、商品やサービスのレベルの前に、新しいカテゴリー自体にニーズがあるかです。
別の捉え方をすれば、そもそもの SDGs な洗濯機への必要性や価値、消費者が買いたい魅力があるかどうかです。逆に言えば、(SDGs ではない) 従来の洗濯機においてどんな不都合なことが消費者にあるかです。
二段階のニーズ顕在化
SDGs な洗濯機を提示されて初めて気づくような不満が、今までの洗濯機に対して潜在的にでもあれば、SDGs 洗濯機というカテゴリーには可能性があります。
しかし、洗濯機に SDGs の要素を入れたとしても、そもそもとして消費者にとっては普通の洗濯機で十分であり欲しいと思わなければ、仮に 「SDGs な洗濯機と言えば △△ (自社商品) 」 と想起されるようにマーケティングをしても、その先に買われることはないのです。投資対効果の低いマーケティング活動になってしまいます。
新しいカテゴリーの商品やサービスを自社が一番に出す場合は、商品・サービスの上位レイヤーであるカテゴリーの認知、ニーズの顕在化をやることが重要になります。これを商品の発売と同時か、発売開始前に下地としてやることがマーケティングには求められます。
まとめ
今回は新しいカテゴリーの商品・サービスを出す時に、マーケティングで大事なことを見てきました。
最後にまとめです。
商品名の想起
- マーケティングで大事なのは、「◯◯ と言えば △△ (自社商品) だ」 と商品名をすぐに思い出してもらえること
- ◯◯ は例えば 「シャンプーと言えば」 や 「出前サービスと言えば」 などの商品ジャンル (カテゴリー) が入る
新しいカテゴリーでのニーズ顕在化
- 商品やサービスのカテゴリーが新しい場合は、新しいカテゴリー自体にニーズがあるかがポイント
- 新しいカテゴリーを見せられても、消費者にとっては今までのカテゴリーで十分であり欲しいと思わなければ、「◯◯ と言えば △△ (自社商品) 」 と想起されるようにマーケティングをしても買われることはない
- 商品やサービスを新しいカテゴリーとして自社が一番に出す場合は、商品・サービスの上位レイヤーであるカテゴリーの認知やニーズ顕在化をマーケティングすることが重要
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