今回は、新しいことへの反応について考えます。
✓ この記事でわかること
- 新しいものへの反応 (4パターン)
- AI への反応例
- 「イノベーションのジレンマ」 への当てはめ
- 人間の本能と新しいものへの反応
- イノベーションを起こすマインドセット
人の 「新しいもの」 への反応についてです。人の本能に立ち戻って、特にビジネスではどのような反応が良いのかを掘り下げます。
新しいものへの反応
人の新しいものへの反応は、大きく分けると4つに分類できます。
✓ 新しいものへの反応
- 無視する
- 恐れる
- 怒る
- おもしろがる
4つのうち3つ目までがネガティブな反応です。無視する、恐れる、怒ると進むほどネガティブな度合いが強くなります。
4つ目の 「おもしろがる」 は新しいことへのポジティブな反応です。
では4つの反応パターンを何か具体的な例に当てはめてみましょう。
AI への反応
例えば AI (人工知能) には、人はどのような反応を示すでしょうか。
4つのパターンを順番に見ていくと、
1. 無視する
- AI は自分には関係ないと思い込む
- 新しいこと・わからないことは知ろうとせず、関心を抱かない
2. 恐れる
- AI という得体の知れないものを過度に恐れる
- 自分の仕事が AI に奪われてしまうと不安になる
3. 怒る
- 今までのやり方を頑なに守ろうとし、AI によって自分の仕事がなくなることに反対や妨害をする
- AI なんて馬鹿げている・とんでもないと怒る
4. おもしろがる
- AI に好奇心を持ちワクワクしている
- 利便性などの AI を活用した時のポジティブな側面に目を向ける
イノベーションへの反応
ここまでの新しいものへの反応から、さらに着想を広げてみます。
新しいことへの反応は、後からイノベーションが起こるような画期的なものであるほど、人々の受け取り方は分かれます。
その対象に詳しい人や企業ほど、つまり専門家ほど全く新しい発想やアイデア、技術や仕組みの革新さを見誤ることがあります。いわやる 「イノベーションのジレンマ」 です。バカにしたり意図的に無視する間に着実にその新しいことは進化し、気づいた時には目の前の脅威になっているわけです。
新しいものへの4パターンの反応に話をつなげると、全く新しいことへの反応で 「無視する」 「恐れる」 「怒る」 なのか、それとも 「おもしろがるか」 は分岐点になります。
イノベーションに置いてきぼりになるのは、「自分には関係ない」 「こんな技術や商品・サービスはけしからん」 などと正面から向き合わず、食わず嫌いで使えないと決め付けてかかるからです。一方、イノベーションの恩恵を早くに受けられる、または自らがイノベーションを起こす側になるのは、おもしろがることからです。
目指したい姿勢
人間は本能的には現状維持を好む動物です。新しいものへの反応のうち 「無視, 恐れ, 怒り」 は、本能という DNA レベルで組み込まれた人の行動とも捉えることができます。
太古の昔の人々にとって、新しいものとは命に直接関わるような存在でした。だから恐れたり怒るのは、そうした環境下では自分たちが生き残るためには正しい行動プログラムです。
しかし現在はそうではありません。イノベーションへの姿勢として、あえて本能に逆らい、新しいものをおもしろがる人間でありたいです。
まとめ
今回は、新しいものへの反応と、目指したい姿勢についてでした。
最後にまとめです。
新しいものへの反応
- 無視する: 関心を抱かず自分には関係ないと思い込む
- 恐れる: 得体の知れないものを過度に恐れる
- 怒る: 馬鹿げている・けしからんと怒る
- おもしろがる: 好奇心を持ちワクワクしている
目指したい姿勢
- 人間は本能的には現状維持を好む動物。新しいものに対して 「無視, 恐れ, 怒り」 は DNA レベルで組み込まれた自分の命を守る行動
- しかし、イノベーションの恩恵を早くに受けられる、または自らがイノベーションを起こす側になるために、あえて本能に逆らい、新しいものをおもしろがる人間でありたい
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