出典: 日本ハム
今回のテーマは、戦略です。
おもしろいと思ったヒット商品のハンバーグを取り上げ、戦略に学べることを解説します。
✓ この記事でわかること
- 日本ハム 「極み焼ハンバーグ」 の売上が好調
- 開発投資額10億円の意味
- 戦略の本質
- 強みへの継続投資の重要性
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
日本ハムの 「極み焼きハンバーグ」
ご紹介したいのは、日本ハムの 「極み焼ハンバーグ」 です。
出典: 日本ハム
売上好調
以下は日経新聞の記事からの引用です。
日本ハムが2021年3月にリニューアル発売した 「極み焼ハンバーグ」 の販売が好調だ。
新型コロナウイルス下の巣ごもり消費の 「プチぜいたく」 需要に着目し、肉の焼き方やソースを工夫したところ、これまで人気だった50歳以上のシニア層の支持が一段と拡大した。21年度の売上金額は19億円で、前年度比7割増になった。
大型投資
「極み焼ハンバーグ」 の開発には、既存商品シリーズだった 「極み焼」 をさらに強化する狙いがありました。
もともと高級志向だった 「極み焼」 に磨きをかけた。鉄板で焼く従来の製法に加え、じか火焼き製法をプラスした。鉄板で下から、じか火で上から包み込むように焼き上げ、肉汁のうまみを閉じ込めて香ばしく仕上げた。
茨城県常総市の子会社工場に10億円投資して、専門の製造ラインを導入した。
注目したいのは工場への投資額です。10億円とのことでした。
先ほどの引用では 「極み焼ハンバーグ」 の2021年度の売上が19億円とあり、しかも前年比7割増でこの数字です (前年度は11億円超) 。投資10億円という規模がいかに大きかったかがわかります。
強みへの継続投資
ではここからは、10億円の投資の意味合いを掘り下げていきましょう。
投資をすると聞くと、新商品開発や新規顧客の獲得のイメージが強いのではないでしょうか。新しいことに取り組むのはもちろん大事ですが、足元を支えている今の主力商品に継続的に投資をしていくことも忘れてはいけません。
今までは主力商品や主力ビジネスだからといって、これからもそうだとは限りません。お金をかけるだけではなく時間や人を充てて強化していくことも大事です。
日本ハムの 「極み焼ハンバーグ」 は10億円という大型投資をして、主力商品を強化し既存顧客を伸ばした良い事例です。先ほどの日経新聞の引用内には 「これまで人気だった50歳以上のシニア層の支持が一段と拡大した」 とありました。既存商品で既存客の満足度を上げたのです。
学べること
では最後に 「極み焼ハンバーグ」 から、戦略の観点で学べることを整理してみましょう。
どこにリソースを投資するかは戦略が求められます。
戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。順番は 「やらないこと」 をまず決めて、残った 「やること」 にリソースを投入し注力します。
やることの中には新しい挑戦ばかりではなく、今まで取り組んできたことや強みをさらに伸ばしていくことに投資をしているか。これが今回の事例から残しておきたい問いかけです。
まとめ
今回は日本ハムの 「極み焼ハンバーグ」 を取り上げ、戦略に学べることを見てきました。
最後にまとめです。
戦略の本質
- 戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
- 順番は 「やらないこと」 をまず決めて、残った 「やること」 にリソースを投入する
- 戦略はリソース配分の指針でもある
強みへの継続投資
- 投資のイメージは、新商品開発や新規顧客の獲得が強い。しかし主力商品に継続的に投資をしていくことも大事
- 今までの主力商品が、これからもそうだとは限らない
- 強みをさらに伸ばしていくことも怠らないようにしよう
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