出典: PR TIMES
今回は 「パーパス (存在意義) からの価値とブランドのつくり方」 という話です。
おもしろいと思った箱からブランディングとも絡めて学べることを見ていきましょう。
✓ わかること
- 箱の存在意義を再定義する 「YROHAKO (イロハコ)」
- マーケティング視点で捉えると価値イメージの再構築 (パーセプションチェンジ)
- 三人のレンガ職人に学べること
- 存在意義からの価値のつくり方
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
箱を再定義するイロハコ
ご紹介したいのは 「YROHAKO (イロハコ)」 です。
出典: haconiwa
以下は日経新聞の記事からの引用です。
包装資材などを手掛ける共同紙業 (東京・文京) の商品 「YROHAKO (イロハコ) 」 が話題だ。中に入れる物の引き立て役にすぎなかった貼り箱を、室内に飾ってインテリアとしても楽しめる収納箱に進化させた。
新型コロナウイルス禍で自宅の中で過ごす時間が増えるなか、家の中に彩りを添える新たなアイテムとして注目されている。
ブランドコンセプト
イロハコのブランドコンセプトについて続けて詳しく見てみましょう。
共同紙業が新たな顧客層の開拓を目指し、2021年3月に BtoC 事業として立ち上げたのが 「YROEHT (イロエット) 」 だ。
コンセプトとして掲げるのは 「コンフォータブルな違和感」 。家での時間が増えるなか、これからの居住空間には快適さだけでなく、日々の生活に刺激を与えてくれるような心地よい異質性が必要なのではないか、という思いを反映した。共同紙業が長年製造してきた貼り箱を、ただ物を収納するための箱としてではなく、家の中にも飾れるインテリアとしてアレンジした。
商品名はイロハコ。一般的な貼り箱は機械によって大量生産されることが多いが、イロハコは全て職人による手作り。日常的に物を出し入れしても形が崩れないよう、紙材を何層も重ねることで強度と耐久性を高めた。インテリアとして使われることを想定し、箱の内側にも外側と同じ色の紙を貼り、見た目の美しさを意識した。
価値イメージの再構築 (パーセプションチェンジ)
イロハコはデザインや製法にこだわり、箱の価値認識を変えようとしています。
箱の役割を物を入れるためだけではなく、室内に飾ることでちょっとした刺激を与える存在になることを狙っています。
イロハコをマーケティングの観点で捉えれば 「パーセプションチェンジ」 です。パーセプションとは認識を意味し、「お客さんの頭の中での商品やサービスでの価値についてのイメージ」 です。
イロハコは箱の価値イメージを変えることを狙っているわけです。
学べること
ではイロハコから学べることを掘り下げていきましょう。
存在意義の再定義
イロハコのブランドコンセプトから学べるのは 「お客さんの価値イメージをより良くするためには、存在意義に立ち戻る重要性」 です。
イロハコは箱としての役割を自分たちの手で再定義しました。
箱を単なる収納具としてではなくイロハコをインテリアとして空間に存在させ、イロハコのことを 「空間にいる人への刺激を与えるもの」 「日常生活をより良くするもの」 と捉え直したのです。職人の手作りによって実現し、イロハコのある生活を提案しています。
「三人のレンガ職人」 から学べること
自分たちの存在意義 (パーパス) は何か、自分たちは何をやる存在なのかの話はイソップ寓話の三人のレンガ職人に通じます。
ある時に旅人がレンガを積む仕事をしていた三人に 「ここで何をしているのですか」 と尋ねました。
答えは三者三様でした。1人目のレンガ職人は答えました。「見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろう」 と。
2人目の答えは 「お金を稼いで家族を養うためにレンガで壁を作っている」 、そして3人目のレンガ職人が旅人に言ったのは 「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ」 でした。
やっている作業は一見すると同じでも自分の捉え方次第で意味合いは変わります。お客さんや世の中にとっての自分たちの存在意義は何かを高い次元から見つめ直し、提供価値に落とし込んでいくことが大事です。
まとめ
今回は箱を再定義するイロハコを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 存在意義の再定義から
- やっていることの捉え方次第で意味合いは変わる
- お客さんや世の中にとっての自分たちの存在意義 (パーパス) は何かを高い次元から見つめ直し、提供価値に落とし込もう
- 存在意義を反映した商品やサービスを提供することで、お客さんの頭の中での価値イメージは変わっていき、結果としてブランドができる
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