出典: macaroni
今回のテーマは戦略です。
ラーメン二郎を取り上げ、マーケティングの観点を入れながら戦略に学べることを見ていきます。
✓ わかること
- 少食でもラーメン二郎を食べたいニーズ
- お客さんを取りこぼしてでも二郎はあえて対応していない理由とは?
- 「二郎らしさ」 を貫く戦略
- 戦略に学べること
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ラーメン二郎
少食でもラーメン二郎を食べたいニーズ
少食の人でもラーメン二郎を食べたいと思う人がいます。
二郎系は家でこっそり――。ボリューム感が人気の 「二郎系」 ラーメンを自宅で食べる女性が増えている。
後押しするのは、ラーメンの冷凍宅配サービスだ。「食べてみたかったが、店には行きづらかった」 という女性たちが二郎系ラーメンを注文。ボリュームがありすぎても、自宅でなら家族や友人と分け合える。女性だってあの味は試してみたかった――。
「ラーメン二郎の『並』は、普通のラーメン屋の2倍の量。私の胃の容量があと3倍あれば…… 」 。都内在住の会社員、玉広紀子さん (47) は心を悩ませる。こってり、がっつりのラーメンにはまっているが、悩みは小食なことだ。
二郎インスパイア系と呼ばれるラーメン店には足を運ぶが、二郎本店には行けていない。「安くたくさん食べさせたいという思いで作られた二郎で、残すなんてとてもできない」 (玉広さん) 。思いの強さゆえに、なかなか足を運べずにいる。
宅配サービスが受け皿に
ラーメン二郎に行きたくても行けない人たちの受け皿になっているのが宅配サービスです。
玉広さんのような女性の受け皿となっているのが、新型コロナ禍で急速に利用を伸ばした冷凍ラーメンの通販サイトだ。
お取り寄せラーメン大手の 「宅麺.com」 によると、2021年の女性利用者からの注文でもっとも多かったのは二郎系。購入数は前年比6割増の2万2571食に急伸し、2位の 「しょうゆ系」 (1万3471食) 、3位の魚介系 (6573食) を大きく突き放す。
学べること
ではラーメン二郎から戦略に学べることを見ていきましょう。
あえて対応しない二郎
二郎を食べたいという人の中には少食の人もいて、記事で書かれていたようにラーメン二郎はこうしたお客さんを取りこぼしています。
自社商品を欲しい人がいるのに機会損失が起こっていて、ラーメンの宅配サービスにお客さんを奪われているわけです。
なぜ二郎は対応しないのでしょうか?
この問いについて戦略の観点で掘り下げていきましょう。
「二郎らしさ」 との整合性
やろうと思えばできることも、ラーメン二郎はあえてやっていません。
もし二郎が小サイズのラーメンも出してしまうと、二郎らしさが薄まってしまいます。他にはなかったボリューム、トッピングメニュー、太麺や濃いスープだからこそのラーメン二郎ですよね。
あえて全ての人に対応していないところに戦略があるのです。
戦略で大切なこと
あらためて戦略とは何でしょうか?
一言で表現をすれば、戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。
ポイントは後者の 「やらないこと」 にあります。やらないことをまず決めて、残ったやることに貴重なリソースを注力します。この意味で、戦略をつくるのは 「やらないことを決めるため」 と言ってもいいくらいです。
ラーメン二郎に話をつなげると二郎は 「やらないこと」 を明確にしています。やらないことがはっきりしているから 「これぞ二郎」 というラーメンを提供することができるのです。
たとえ一部のお客さんを取りこぼしたとしても、自分たちらしさを貫き独自の提供価値や世界観をつくっていく。これがラーメン二郎から戦略の観点で学べることです。
まとめ
今回はラーメン二郎を取り上げ、学べることを見てきました。
最後に戦略についてまとめておきます。
✓ 戦略の本質
- 戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
- 肝は 「やらないこと」 。やらないことをまず決めて、残ったやることに貴重なリソースを注力する
- 戦略をつくるのは、「やらないことを決めるため」 でもある
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