出典: 丸亀製麺
今回のテーマは、競合の捉え方です。
おもしろいと思った丸亀製麺の調査結果から、マーケティングに学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 丸亀製麺の競合調査
- 「他に行く候補のお店」 の掘り下げ
- お客さん視点で競合を見極める方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
丸亀製麺の調査
スパコロが独自に調査した 「競合探索調査 丸亀製麺編」 を発表しています (リリースはこちら) 。
スパコロは、ロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供する会社です。
調査の設計は次の通りです。
✓ 調査設計
- 調査方法: 東京都在住15 ~ 69歳を対象としたインターネットリサーチ
- 調査期間: 2022年5月13日 (金)
- 有効回答数: 3,776名 ※ 人口構成に合わせたウェイトバック集計を実施
調査結果を見る注意点は、対象者が東京都在住ということです。他の都道府県の人は入っていなく、あくまで東京に住んでいる人の結果です。
調査結果
では、いくつか結果をピックアップして見ていきましょう。
認知と利用
まずは、東京に住んでいる人の丸亀製麺の認知 (知っているか) と利用についてです。
出典: スパコロ
認知している人の8割以上が、丸亀製麺を過去に利用したことがあるというのは驚きでした。
丸亀製麺以外に候補にあがるお店
調査項目の着眼点でおもしろいのは、丸亀製麺を食べたいとなった時に、他に行きたいと思ったお店です。ちなみに設問文は、「丸亀製麺に代わって選んだり、丸亀製麺とどちらを利用するか迷うお店 (ブランド) はありますか?」 です。
丸亀製麺を過去1年以内に利用があった人のうち、6割以上の人が他のお店も候補があった (丸亀製麺と迷った) と答えています。
出典: スパコロ
丸亀製麺以外のお店を迷ったことのある人で、候補となったトップ10は、次のような結果になりました。
出典: スパコロ
上位の10個は、大きく見ればファストフード店で共通しています。
もう少し細かく見ると、丸亀製麺は讃岐うどんですが、麺類を提供する店は10個の中では、はなまるうどん、日高屋、リンガーハット、富士そばです。麺類以外だと、吉野家などの丼ものが入っているのが興味深いです。
丸亀製麺以外を選ぶ理由
丸亀製麺以外を迷ったことのある人が、丸亀製麺以外を選ぶ時の状況についても訊いています。
出典: スパコロ
理由に挙がっているのは、
✓ 丸亀製麺以外を選ぶ理由
- 味に飽きて他のメニューを食べたい
- 行こうと思っても丸亀製麺の店内が混んでいる
- 近くに丸亀製麺のお店がない (立地条件)
丸亀製麺が好きで食べに行こうと思っても、こういった状況で丸亀製麺以外が候補になっています。
学べること
では、今回の話から学べることを整理してみましょう。
お客さんの頭の中の選択肢は?
丸亀製麺以外の候補となるお店とは、お客さんの立場で見た自分たち (丸亀製麺) の競合です。
もし自社の競合を麺類を提供するファストフード店だけを捉えていれば、視野の狭い競合設定になってしまいます。スパコロの調査からわかったように、お客さんが丸亀製麺に行きたいと思った時に 「お客さんの頭の中に浮かぶ他の選択肢」 が、実際に競争している対戦相手です。
調査結果から見えてきたのは、麺類以外の飲食店にあるマクドナルドのハンバーガーやポテト、吉野家などの丼物と争っているということです。
顧客視点での競合設定
一言で表現するなら、学びは 「お客さんの視点で競合設定をする重要性」 です。
自分たち (売り手) の競合の捉え方は、必ずしもお客さん (買い手) と同じではありません。自社商品やサービスを欲しい・食べたいと思ってもらった時に、お客さんの頭の中はどうなっているのか、他に候補は何があるのかです。
これを知るには結局のところは、お客さんに訊くしかありません。売り手の一人よがりで競合を勝手に決めるのではなく、お客さんの視点で競合を見極めるのがマーケティングでは大事です。
まとめ
今回は丸亀製麺の競合調査を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 顧客視点での競合設定
- 自分たち (売り手) の競合の捉え方は、お客さん (買い手) と同じではない
- お客さんに自社商品やサービスを欲しいと思ってもらった時に、お客さんの頭の中にある他に候補は何か。これが顧客視点での実際の競合
- 売り手が競合を勝手に決めるのではなく、お客さんの視点での競合の見極めがマーケティングでは大事
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