投稿日 2022/08/08

カルビーの新ブランド miino の折込広告。メーカーと小売での共同販促を成功させる方法

出典: カルビー

今回のテーマは、販促です。

おもしろいと思ったカルビーの販促施策を取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。

✓ この記事でわかること
  • カルビーの新ブランド 「miino」 の折込広告を使った販促
  • 折込広告の反響
  • メーカーと小売で Win-Win になる共同施策とは?
  • マーケティング 4P での分析
  • 消費者にとって自然な流れになっている折込広告

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

カルビーの新ブランドの販促


ご紹介したい事例は、販促会議の2022年7月号にあった記事からです。


記事のタイトルは、「カルビーの新ブランドが取り組む 認知と配荷を高めるプリントメディアの活用」 でした。

カルビーの新しいブランド 「miino」 のプロモーションを担当された方へのインタビュー記事です。

新聞の折込広告


以下は、記事からの引用です。

 「miino」 の全国展開に合わせ、どのようなプロモーションを行いましたか?

 「miino」 はこれからの時代にマッチする新しいスナック商品です。そのため、しっかりと認知度を高めていかなければなりませんでした。

一方で宣伝しても店頭に商品が並ばなければ、買っていただくことはできません。そこで、認知を高めつつ、配荷を増やしていただくために、まず新聞の折込広告を活用することにしました。ヘルシー志向なスナック菓子ということから、比較的年齢層が高い方に選ばれています。

そうした背景もあり、新聞購読者と親和性が高いのでは、という想定がありました。また、新聞に入れたチラシでは北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の全国7エリアで商談を進め、お付き合いのある流通様に協力いただき、「miino」 の告知と共に店舗のロゴをチラシに入れさせていただきました。

協力いただいた店舗では、チラシの配布に合わせて 「miino」 を陳列いただき、多くの方に手に取っていただくことができました。

折込広告の効果


販促の結果は成功と呼べるものでした。

折込広告を実施した反響はいかがでしたか?

流通様からの評価が高く、広告投下週・翌週で前週比数百 % を超える店舗もありました。また、今回の施策で配荷率の向上にもつながりました。

過去にエリア限定で新聞折込広告を行ったケースは社内にあるのですが、全国で展開したのは今回が始めてだと思います。私自身、初めて折込広告を使用したのですが、エリアごとに細かくディレクションでき、アレンジしやすい施策であることに驚きました。

例えば、今回のケースではターゲットの年齢層が多いエリアへの配布ができました。さらにはロゴを入れていただいた流通様と相談し、指定の重要店舗付近で特に厚く折込広告を入れていただきました。また、チラシが手元に残ることで、きちんと 「miino」 という新しいブランドの特性が伝わったと感じています。

流通様と連動したこのスキームは非常に好評で、私たちのチームが全国で実施してから、社内の各地域本部が主導し、独自に折込広告を展開しています。そこでも、高い成果を上げているという報告を受けています。

メーカーと小売の共同販促


カルビーは miino という新しいブランドの認知を高めるために、新聞の折込チラシをあえて使っい、メーカーと小売の共同販促というのがおもしろいです。

小売店と連携し、折込チラシの配布エリアごとに近隣のスーパーなどロゴを入れました。小売にとってはチラシにロゴが入ることで、チラシを見た人がお店に来てくれる来店効果が期待できます。

自分たちメーカーだけではなく小売にもメリットがある Win-Win になっているからこそ、店内ではチラシに合わせた商品の陳列を小売にやってもらえたわけです。


学べること


マーケティング 4P に見る成功要因


miino の折込広告をマーケティング 4P の視点で見てみましょう。

✓ マーケティング 4P
  • Product 商品やサービス
  • Place 販売チャネル
  • Price 価格
  • Promotion 広告や販促


miino は新しいブランドなので、商品の認知を上げるという課題がありました (Product) 。

小売 (Place) と連動し、エリアごとに小売のロゴを入れたチラシを新聞への折込広告として配布しました (Promotion) 。

価格 (Price) については販促会議の記事には触れられていませんでしたが、おそらく小売と価格についても詰めているでしょう。

このように見ると、miino の販促施策はマーケティング 4P がきれいにつながっています。

消費者にとっての自然な流れ


ここまではメーカーや小売という売り手の視点で見てきました。では、買い手である消費者の立場ではどのように映るかを見ていきましょう。

miino の折込広告は、メーカーと小売が連携することで消費者にとって自然な動線になっています。

消費者は新聞に入ったチラシを手に取り、miino のことを知ります。チラシには近くにあるスーパーなどの馴染みのあるロゴが入っているので、お店に行くきっかけになります (来店の促進やリマインド効果) 。

お店に行けば、miino がチラシで見たのと同じような雰囲気で棚に並んでいます。人によっては商品棚のところで miino が目に入った時に、折込チラシで見たことを思い出すはずです。

以上のように、チラシ、店、商品とうまく流れがつながっています。

まとめ


では最後に miino の販促施策から学べることを整理してみましょう。

まとめると、次のようになります。

✓ miino の折込広告から学べること
  • 共同施策では、相手のメリットを明確にして相手に持ちかけよう (例: 小売への来店効果が期待できる新商品の販促施策) 
  • マーケティング 4P がきれいにつながっているかをチェックしよう
  • 買い手の立場になり、認知・来店・購入が自然な流れになっている施策を展開しよう

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。