投稿日 2022/11/20

着物を5分1人で着られる 「マジカル着物」 に学ぶ、マーケティングの本質


今回は、おもしろいと思った着物のサービスを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • 着物を簡単に着られるようにする 「マジカル着物」 
  • マジカル着物の提供価値
  • 新しい提案からの勝ち筋
  • マジカル着物から学べるマーケティングの本質

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

マジカル着物



ご紹介したいのは 「マジカル着物」 という着物の加工サービスです。

こちらは日経新聞の記事でも取り上げられていました。

ヨシノコーポレーション (福岡市) が運営する 「レンタル着物マイン」 は、着物を1人で着られるように加工した 「マジカル着物」 を開発し、注目を集めている。

加工を施した着物は、コートを羽織るような感覚で身にまとい、要所要所を留めれば着付けが完了する。何度か練習すれば5分ほどで着られるという。加工した糸を外せば元の状態に戻せるのも人気の秘密。

マジカル着物の紹介動画もつけておきますね。



学べること


では、学べることを掘り下げていきましょう。

マジカル着物の提供価値


マジカル着物の特徴は、独自の加工を入れることで、着物を自分1人で5分くらいで簡単に着られるようになることです。

それによって利用者が得られる価値は、

  • 着物を着るのに時間と手間を省ける
  • 気軽に着られるので、お気に入りの着物を使う機会が増える
  • 着物を着ると普段とは違う自分になれ、日常生活が豊かになる

新しい勝ち筋


これまでは、一般的には着物の良さは、柄などの見た目の美しさ、生地の素材、着物の意匠は誰かによって判断されていました。

マジカル着物がやったことは、勝負のポイントをずらしたということです。

着物を 「5分ほどで自分1人で簡単に着られる」 という利便性を提案し、消費者からの 「良い着物とはどういう着物か」 に対して、「着やすさ (使いやすさ) 」 という新しい切り口を加えたわけです。

着物の品質や作り手での勝負はせず、使いやすさという新しい勝ち筋を打ち出しました。

マーケティングの本質


マーケティングの観点で捉えると、マジカル着物がやったことはお客さんからの 「選ばれる理由」 を新しくつくり出したということです。

マーケティングの本質は、「お客さんから選ばれる理由」 をつくることです。

お客さんから偶然に選ばれるのを待つのではなく、意図を持って働きかけ、想定するお客さんから選んでもらう仕組みをつくります。働きかけという活動全般がマーケティングです。

マジカル着物のように、自分たちにしかできない 「選ばれる理由」 をつくれれば、お客さんの頭の中で独自のポジショニングを築け、自社賞品やサービスを能動的に選んでもらえます。


まとめ


今回は着物を簡単に着られるようにする 「マジカル着物」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ マーケティングの本質
  • マーケティングの本質は、「お客さんから選ばれる理由」 をつくること
  • 偶然ではなく、意図を持って働きかけ、想定するお客さんから選んでもらう仕組みをつく活動全般がマーケティング
  • 自分たちにしかない 「選ばれる理由」 をつくれれば、お客さんの頭の中で独自のポジショニングを築ける


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。