投稿日 2022/11/27

カインズの実証実験に学ぶ、PDCA サイクルのまわし方

出典: PR TIMES

今回のテーマは、仮説検証の方法です。

おもしろいと思ったホームセンターのカインズの取り組みをご紹介し、学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • カインズが社員限定での 「無人店舗の実験」 をスタート
  • 「まずはやってみる」 という姿勢
  • PDCA サイクルのまわし方と注意点

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

カインズが無人店舗の実験をスタート


ホームセンターのカインズが、無人決済店舗の実証実験を始めました (リリースはこちら) 。

埼玉県本庄市の本社内に、従業員限定で利用できる実験店舗を設けました。店舗名は 「CAINZ Mobile Store」 です。

出典: PR TIMES

レジなし店舗での買い物のしやすさや防犯性などを検証するのが実験の位置づけです。

店舗入り口にあるゲートに専用アプリの QR コードをかざして入店し、買い物後、出口から出ると決済が完了する。店内上部に設置したカメラがお客の動きを認識して手に取った商品を判断。入店時に読み取らせたアプリで自動的に決済されるシステムを採用した。

店舗面積は15.5平米で、営業時間は24時間。カインズオリジナル商品を中心に約200アイテムを取り扱う。

実証実験は、2023年春まで続けるとのことです。


学べること


では、カインズの取り組みから学べることを掘り下げていきましょう。

まずはやってみる


カインズのアプローチは、新しいことを手がけるときの参考になります。事業の大小を問わず、新しいことは 「まずはやってみよう」 という姿勢です。

いくら社内で議論をしても、ある一定以上の解像度での答えは出ません。やってみるしかないなら、小さい範囲でいいので、テストとして実行する重要性です。

PDCA サイクルをまわそう


ビジネスの場ではよく出てくる PDCA というサイクルがありますが、カインズの実証実験が教えてくれるのは Plan の次の Do への入り方です。

PDCA は 「サイクル」 という表現がつくように、何回も PDCA をまわすことで問題点を発見し、課題に取り組む 「循環型の仮説検証プロセス」 です。重要なのは、ある程度の Plan (計画である仮説) ができたら実行に移すことです。

カインズは無人店舗をいきなり大々的に展開するのではなく、本社オフィスの一角に設置し従業員限定でテストとして始めました。

Plan に時間をかけすぎることなく、あくまで実証実験としての Do です。正式リリース前のベータ版リリースでもない、アルファ版リリースのような位置付けです。

メンバーでのテストの注意点


アルファ版のリリースとして開発メンバーや社内限定でテストをするときに、注意点が1つあるので最後に触れておきます。

前提として忘れていけないのは、「テストメンバー ≠ お客さん」 だということです。

カインズ社内での無人店舗の利用者はカインズの従業員であり、普通の消費者ではありません。もちろん彼ら彼女らも、業務から離れれば1人の生活者ではあります。

しかしオフィスでの無人店舗を利用する時のモードは、カインズの従業員になっています。こうした心理は、無人店舗での買い物行動に少なからず影響を与えます。

たからと言って、従業員限定でのテストが全く意味がないわけではありません。しかしテスト結果を見たり、PDCA の Check と Act (または Adjust) に入る時には、前提として意識しておきたい注意点です。


まとめ


今回は、カインズが従業員限定での 「無人店舗の実証実験」 をスタートさせた話を取り上げ、学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ PDCA のまわし方
  • ある程度の Plan (計画である仮説) ができたら Do (実行) に移すことが大事
  • PDCA は何回もサイクルをまわすことで問題点を発見し、課題に取り組む循環型の仮説検証プロセス
  • 注意点は、Check と Act において Do の前提把握。例えばメンバー限定でのアルファテストの場合、テスト対象者は実際のユーザーではないことに注意


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。