投稿日 2022/11/22

月をデザインした腕時計 「アテッサ HAKUTO-R」 。美しい差別化戦略


今回のテーマは差別化戦略です。

おもしろいと思った腕時計ブランドを取り上げ、戦略に学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • シチズンの腕時計 「アテッサ」 の進化の歴史
  • アテッサの新モデル 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 がかっこいい
  • 美しい差別化戦略

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

シチズンの腕時計 「アテッサ」 


ご紹介したいのはシチズンの腕時計ブランドの 「アテッサ」 です。


以下は、日経新聞の記事からの引用です。

シチズン時計の主力腕時計ブランド 「アテッサ」 は世界で初めてとされるチタン製腕時計ブランドとして立ち上がり、1987年の発売から35周年を迎えた。

シチズンの看板ブランドとして機能性を突き詰めたアテッサは今、デザインを見つめ直して新しい価値観を繰り出そうと挑戦を続けている。

機能性を追求してきた


アテッサは長年、腕時計としての機能性を追求してきました。

1970年にチタンをケースに使用した腕時計 「X-8 コスモトロン・クロノメーター」 を世に送り出した。そしてチタン時計の専門ブランド 「アテッサ」 を立ち上げた。

アテッサには最先端技術が盛り込まれ、光で発電するエコ・ドライブシステムを時計盤に搭載。世界のどこにいても現地時間を自動で調整してくれる電波時計の機能を採り入れるなど、当時の新しい技術が積極的に使われた。

99年に初めてアテッサに電波システムを取り入れた 「アテッサ エコ・ドライブ電波時計」 は電波を受信するため、あえて側面にプラスチックのケースを付けるなど挑戦した腕時計だ。

デザイン性の強化


先ほど引用した中に、次のことが書かれていました。

シチズンの看板ブランドとして機能性を突き詰めたアテッサは今、デザインを見つめ直して新しい価値観を繰り出そうと挑戦を続けている。

デザイン性を強化した新モデルが 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 です。


特徴をご紹介すると、

シチズンは7月、アテッサの新モデル 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 を発売した。同社が民間月面探査プログラム 「HAKUTO-R」 の取り組みに協力し、自社のチタン技術をロケットに提供したことを記念して作った。

新モデルの特徴はデザインが一本一本異なるということだ。利用するチタニウムは高温で熱処理し再び冷ますと、表面に不均一な結晶パターンがあらわれる。「結晶チタニウム」 と呼ばれ、時計盤に盛り込まれている。これが時計の固有性を生み出している。

独自のストーリー


新モデルの 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 は、デザインだけではなくストーリーでも独自性を出しています。

シチズンが参加した民間月面探査プログラム 「HAKUTO-R」 で、シチズンは自社のチタン技術をロケットに提供しました。これを記念したコラボモデルです。

腕時計のデザインを単に月っぽいものにしたのではなく、なぜアテッサが月の明暗を表現するデザインの腕時計を開発したかの理由がちゃんとあるわけです。このストーリーは、民間月面探査プログラムに技術協力をしたシチズンにしかできないことです。


学べること


アテッサから学べるのは差別化戦略です。

差異化の三要素


今回の前半で見てきたアテッサの整理にもなりますが、以下の3つの要素でアテッサの 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 は差異化を実現しています。

✓ 差異化の三要素
  1. 機能
  2. デザイン
  3. ストーリー

かけ合わせた差別化戦略


一般的に機能だけ、あるいはデザインだけで他と違いをつくるのは簡単ではありません。

そこで、機能・デザイン・ストーリーの3つをかけ合わせてトータルで差異化を図っていくのです。3つが連動し、全体で整合性があるものほど他との違いが際立ちます。

機能やデザインには目が向きがちですが、ストーリーでも差別化できないかを考えてみるといいです。

具体的には、ブランドコンセプト、描いている世界観、自己定義、使命や志、大切にしたい価値観 (バリュー) 、つくり手の想いです。これらを掘れるだけ掘り下げてみると、独自のストーリー化につながります。


まとめ


今回は腕時計アテッサの 「HAKUTO-R コラボレーションモデル」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ 差別化戦略
  • 差異化の三要素は、機能・デザイン・ストーリー
  • 機能やデザインだけではなく、3つをかけ合わせ全体で整合性があると他との違いが際立つ
  • ストーリーを打ち出すには、ブランドコンセプト、描いている世界観、自己定義、使命や志、大切にしたい価値観 (バリュー) 、つくり手の想いを掘れるだけ掘り下げてみよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。