投稿日 2022/11/06

小林製薬 「サラサーティ クリーン」 。マーケティングの役割は価値認識のアップデート

出典: 小林製薬

今回のキーワードは、「お客さんの価値認識」 です。

おもしろいと思った女性用の商品を取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。

✓ この記事でわかること
  • 膣内洗浄ジェルの 「サラサーティ クリーン」 
  • 未成熟な市場を広げる商品
  • マーケティングの役割は、お客さんの価値認識のアップデート

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

サラサーティ クリーン


出典: 小林製薬

ご紹介したいのは、小林製薬の 「サラサーティ クリーン」 です。

女性の膣を洗浄することで、おりもののにおいをケアできるジェルタイプの商品です。

小林製薬は4月、おりものケアのブランド 「サラサーティ」 から、膣 (ちつ) 内を洗浄するジェルを発売した。

おりもののにおいが気になる女性に対応した商品で、若年層に加え、40 ~ 50代を主なターゲットに据える。国内で同様の商品の市場はまだ小さいが、新商品を投入することで市場自体を広げたい考えだ。

開発のきっかけは、自社調査からの発見でした。

女性のデリケートゾーンで気になる症状の1位は 「におい」 でした。しかし女性がやっている主な対策は十分なものではないとわかり、ここにビジネス機会を見出しました。

小林製薬が20 ~ 59歳の4000人の女性を対象に行った調査によると、デリケートゾーンで気になる症状は、生理やおりものなどのにおいに関するものが上位を占めた。

ホルモン量が減ってくる40代以降に限っても、気になる症状の1位はにおい。おりもののにおいの対処方法としては 「お風呂でよく洗う」 「おりものシートなどをこまめに交換する」 などが主流だった。

サラサーティのブランドマネジャー、白石千夏氏は 「膣内を洗浄する習慣は日本ではあまり浸透しておらず、40代以上を中心に抵抗のある人も多い」 と話す。同ブランドではおりものシートを30年以上販売しており、知名度を生かし40 ~ 50代の利用者にも訴求する。

学べること


ではここからは、サラサーティ クリーンからマーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。

行為自体に馴染みがないカテゴリー


市場という観点で見ると膣内洗浄をする商品のカテゴリーは、その行為自体に馴染みがなく日本ではまだ小さい市場です。

膣内を専用の商品を使って自分で洗うことには、人によって抵抗があります。引用した記事にあったように 「40代以上を中心に抵抗のある人も多い」 と。

こうした状況では、商品を受け入れてもらう前にカテゴリーそのものへのニーズをつくるところからです。具体的には膣内を洗浄したいと思ってもらうことです。

たとえるなら、畑に種を埋める前に、良い植物が育つために畑を耕し、畑そのものを魅力的な場にする必要があります。ここに種を植えたいと思ってもらう下準備を先にやるわけです。

カテゴリーの認識を変える


やっていくことは、お客さんになってほしい見込み客の価値認識を変えることからです。女性のデリケートゾーンまわりの正しいケア方法を地道に伝え、考え方を少しずつでも変えていきます。

小林製薬がやったように、既存のブランド名の知名度を活用するのも手です。

サラサーティは、おりものシートでは30年以上もあるロングセラーブランドです。全くのゼロからの膣内洗浄ジェル商品を出すよりも、サラサーティを知っている・使ったことがある人には 「サラサーティ クリーン」 への関心を持ってもらいやすいでしょう。

価値認識のアップデート


学びを一般化すると、マーケティングで大事なのは、お客さんに働きかけをして 「商品やサービス、時にはカテゴリーへの "価値認識" をより良いものに変えていくこと」 です。

マーケティングの専門用語で表現するなら、お客さんに知覚刺激を与え、パーセプション (知覚や認識) を変化させるということです。パーセプションチェンジの重要性です。

パーセプションチェンジのもとになるのは、お客さんの理解です。

今のお客さんがやっている行為、その行動に影響を与える心理、そして、知覚刺激から次のステージとしてどういった心理と行動に変えたいのかです。

以上をお客さんの立場で考え、打ち手を展開していくのがマーケティングでやっていくことです。


まとめ


今回は小林製薬の 「サラサーティ クリーン」 をご紹介し、マーケティングに学べることを見てきました。

最後に学びのところをまとめておきます。

✓ お客さんの価値認識を変える
  • マーケティングの起点は顧客理解 (お客さんの行動と心理) 
  • ここをベースに知覚刺激から次のステージとしてどんな心理と行動に変えたいのかを定める
  • マーケティングで大事なのは、お客さんへの働きかけから商品やサービス、時にはカテゴリーへの価値認識をより良いものに変えていくこと


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。