投稿日 2023/08/14

カラオケへの色々なニーズ。新しい利用シーンから価値をつくる方法

#マーケティング #顧客開拓 #価値提案


カラオケにはどんなイメージがありますか?
単なる娯楽、ストレス発散の場?それともビジネスチャンスでしょうか?

今回は、カラオケがどのように新しい顧客ニーズに応え、価値を生み出しているかの事例を見ていきます。

新たな視点を得て、マーケティングの可能性をぜひ一緒に広げていきませんか?

カラオケへの様々なニーズ


高齢者向け介護施設などでカラオケへの需要が増えています。期待されているのは、認知症予防などの健康維持や増進です。

第一興商が手がける高齢者向けカラオケ機器 「DK エルダーシステム」 のレンタルが好調だ。カラオケに合わせて体も一緒に動かすことで認知症予防や口腔 (こうくう) 機能の向上効果が期待される。介護施設や公民館向けを中心に導入され、稼働数は約2万6000台と10年間で2.5倍に増えた。

 (中略) 

介護施設の職員の負担軽減にもつながる。エルダーシステムは自動的にプログラムを作成してくれる機能があり、レクリエーションの準備にかける時間を短縮できる。

 (中略) 

大学などとの共同研究では、歌うことにより脳の活性化や口まわりの筋力向上、ストレスの軽減などの効果が確認された。運動が苦手な人でも、歌いながら体を動かすことで楽しみながら継続できる。

カラオケが高齢者向けの介護施設に導入されていることに加え、さらには以下のように顧客開拓ができています。

足元では新たな施設にも導入が広がっている。スーパーが買い物客を呼び込むイベントに利用したり、自動車学校が高齢者講習に合わせて健康教室を開いたりしている。手軽に導入できることから保育園や児童デイサービスなどからの問い合わせも多く、子供向けコンテンツも強化している。

学べること


では今回の事例から学べることを掘り下げていきましょう。

新規顧客の開拓と新しい用途


新たなお客さんを獲得するためには、新しい使い方を見出すことが重要です。

第一興商の 「DK エルダーシステム」 は、その好例です。元々はカラオケ店やスナックなどで娯楽目的での利用が多いカラオケを、高齢者向けの健康維持、スーパーの集客イベント、他には自動車学校や保育園で子ども向けにも用途が増え、新しい価値をつくり出しています。

具体的には、自動車学校では高齢者講習に合わせた健康教室に利用されています。また、子ども向けのコンテンツも強化し、保育園や児童デイサービスからの問い合わせに対応するなど、そのターゲットは高齢者だけでなく広がりを見せています。

お客さんの問題解決からの価値提供


新しく顧客層を開拓するためには、お客さんが抱える問題を解決し価値を生むことが重要です。

カラオケの DK エルダーシステムは、介護施設で働く職員の負担を軽減するための機能も提供しています。具体的には、自動でカラオケで歌うプログラムを作る機能を搭載しているので、レクリエーションの準備時間を短縮してくれます。準備が効率よくできる分、介護施設の職員は他の業務に時間を使えます。

自動車学校、スーパー、保育園や児童デイサービスではカラオケを活用することで、以下のように問題解決からの価値をもたらしています。

  • 自動車学校
    高齢者講習に合わせた健康教室にカラオケを使っている。高齢者が身体を動かしながら楽しむことができ、健康的な活動に参加する動機付けになる

  • スーパーマーケット
    来店客を呼び込むためのイベントにカラオケを利用。お客さんが楽しみながら買い物をするという新たな体験を提供している

  • 保育園や児童デイサービス
    子ども向けのカラオケコンテンツを提供することで、子どもたちは楽しみながら表現力や音楽性を育む。教育的なエンターテイメントにより、子どもたちの学習意欲を喚起する

お客さんへの新しい価値提案


今回の第一興商のカラオケの事例から学びを一般化すると、既存の商品やサービスに新しい使い方と価値を見出し、お客さんにとっての価値として提案することで新たなお客さんを獲得できるということです。

これはどのビジネスにも共通し、顧客開拓には重要なポイントです。


まとめ


今回は第一興商のカラオケ 「DK エルダーシステム」 の事例から、学べることを掘り下げました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

  • 既存の商品やサービスの新しい使い方を見出せれば、新しいお客さんを開拓できビジネスチャンスが広がる

  • 見出した用途によってお客さんの問題を解決することを伝え、お客さんにとっての価値を提案することで顧客開拓につながる


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。