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投稿日 2015/03/01

Facebook のクロスメディア広告効果調査に、あえてツッコんでみる




Facebook Japan が、自社広告を含むクロスメディア広告効果調査を発表しました (2015年2月22日) 。

参考:花王エッセンシャルで Facebook 広告が驚きの効果! | Facebook for Business


花王のシャンプーブランド 「エッセンシャル」 が、2014年8月に行なったキャンペーンの広告効果調査とのことです。広告はフェイスブックを含む、TV / 店頭 POP / Web / 雑誌 / OOH に展開した大規模なキャンペーンだったようです。

上記の発表タイトルで 「Facebook 広告が驚きの効果」 とあるように、いくつか紹介されている結果自体は興味深いものでした。

一方で、Facebook からの発表のスタンスそのものに疑問点がありました。
投稿日 2015/02/25

書評: 夜の経済学 (飯田泰之 / 荻上チキ)




一般的に、性風俗や売春は本当の実態はあまり語られず、なんとなくのイメージで捉えられている世界ではないでしょうか。

  • 風俗業界の市場規模はどれくらいなのか?
  • 自らの体を売る女性はどういう人たちで、一方の買う男性はどうなのか?どのくらいのお金のやりとりがされているのか?
  • 性風俗と売春ではどんな違いがあるのか?

夜の経済学 という本が興味深く読めたのは、夜の世界について、著者らが自らデータを集め、統計的な処理をし、データ分析結果から見えてくることを考えるスタンスにあったからでした。
投稿日 2015/02/08

売上への広告効果を測定する Facebook Conversion Lift が登場 (2015年1月)




Facebook が Conversion Lift (コンバージョンリフト) という、新しい広告効果測定サービスを発表しました (2015年1月27日) 。

参考:Conversion Lift Measurement for Facebook Ads | Facebook for Business


Facebook Conversion Lift とは


Facebook Conversion Lift とは、Facebook 上の広告により、広告をした自社製品やサービスの売上やコンバージョン (会員登録等) にどれだけの広告効果があったかを測定できるものです。

Facebook Conversion Lift の特徴は次の通りです (2015年2月現在) 。
投稿日 2015/01/17

「排卵時期の女性の声は普段よりも魅力的になる」 という調査結果




ヒトの生殖に関して、ある調査が興味深かったのでご紹介します。Physiology & Behavior が発表した調査です。

調査結果によれば、排卵中の女性の声は、排卵時期ではない時よりも魅力的になるとのことです。

参考:Women's Voices Are Sexiest At This Time Of the Month | Bustle


調査概要


調査の概要は次の通りです。
投稿日 2015/01/12

スタンフォード大学の 「人は他人の購買行動に影響を受けるのか」 を明らかにした調査がおもしろい




スタンフォード大学が実施した調査が興味深かったのでご紹介します。

エントリーの内容です。

  • 他の人が買ったのを見て、自分も買いたくなる?
  • 調査方法
  • 調査の結果
投稿日 2015/01/03

全ての調査は正しいし、全ての調査は見誤る可能性があるという話




2014年12月、第47回衆議院議員選挙 (衆院選) が行われました。


Yahoo! が検索データから選挙予測を実施


選挙の事前予想では、昔は有権者への電話調査や該当でのインタビューが中心でした。しかし、最近ではネットの予想調査も目にするようになっています。
投稿日 2014/11/30

アイレップが動画広告の検索行動への効果検証調査を提供開始




インターネット広告代理店のアイレップが、動画広告の効果検証サービスをリリースしました (2014年11月14日 ベータ版) 。


動画広告の検索広告への効果検証


特徴は、動画広告を見てその後の検索行動に、広告が影響したかを測定できることです。

参考:アイレップ、動画広告の新しい効果検証方法の β 版を開発、提供開始へ 動画広告接触ユーザーの検索行動における変化を観測-|株式会社アイレップ (リリース PDF)


アイレップの調査手法


アイレップの提供するサービスの分析手法は、同じユーザーが動画広告を見る前と後で検索ワードがどう変わったかを比較します。同一ユーザーにおけるプレポスト方式です。
投稿日 2014/11/09

そのリサーチクエスチョンはアクショナブルか




今回は、マーケティングリサーチについてです。

エントリー内容です。

  • マーケティングとマーケティングリサーチの関係
  • リサーチをしてアクションにつながるか
  • 上位目的を理解する
投稿日 2014/10/11

テレビ視聴分析サービス SMART の所感と課題




スイッチ・メディア・ラボが、テレビ視聴分析サービス 「SMART (スマート) 」 の正式サービスを開始しました (2014年10月6日) 。




テレビ視聴率の調査およびデータ提供です。


テレビ視聴分析サービス SMART とは


調査の特徴や提供サービス内容を見ると、すでに同じ視聴率サービスを展開しているビデオリサーチのできないこと (と言うよりやっていないこと) を突いているという印象です。

具体的には、以下の3つです。
投稿日 2014/10/05

Cookie 問題を解決する Facebook のマルチデバイス広告測定




フェイスブックがおもしろい取り組みを進めています。

参考:Facebook 、買収した Atlas 広告プラットフォームを再ローンチ―マルチデバイス、オフラインのセールスもモニタ - TechCrunch (2014年9月30日)


Cookie 問題


オンラインでのユーザーを計測するためには、これまでは Cookie を使う手法が一般的でした。ユーザーに対して Cookie をブラウザごとに配布し、広告が配信された数、クリック数、A という広告に接触した人に B という広告を出す (リマーケティング) などに使われます。

ただし、Cookie には課題もあります。例えば、以下です。
投稿日 2014/09/27

AccessMill (マクロミルのオンライン広告効果測定サービス) が正式リリース (2014年9月) 。広告接触者と非接触者の同質性を考える




調査会社のマクロミルが、AccessMill (アクセスミル) を正式リリースしました (2014年9月24日) 。

参考:AccessMill [アクセスミル]|マクロミル


AccessMill とは


アクセスミルは、ネット広告によるデジタルマーケティング施策の効果を調査するツールです。

特徴は2つです。

  • Cookie 情報をもとに、マクロミルの調査パネル対象者が広告に接触したかどうかを判別
  • 広告接触者に対してアンケートをかけたり、広告接触者や広告ランディングページ訪問者の特徴を知ることができる

広告接触者やページ訪問者にアンケートをかけ広告効果が測定できます。例えば、広告された商品やサービスについて以下のような態度変容です。
投稿日 2014/09/14

Google アンケートモニターが普及するための2つのポイント




グーグルのアンケートサービスである Google Opinion Rewards が日本でもローンチされました (2014年9月11日) 。

Google Opinion Rewards Now Available in Italy and Japan! | Google Consumer Surveys (Google+)

日本でのサービス名は 「Google アンケート モニター」 です。

すでにローンチされているのは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの英語圏の国です。非英語圏ではドイツとオランダに続き、日本はイタリアと同じタイミングでのリリースです。


Google アンケートモニターとは


Google Opinion Rewards (Google アンケートモニター) とは、グーグルが提供するマーケティングリサーチのサービスです。

Google アンケートモニターの特徴は以下です (2014年9月現在) 。
投稿日 2014/09/07

Apples to Apples な比較をするために、3つのリサーチ設計の考え方




今回は、調査やリサーチについてです。適切な比較をするためのリサーチ設計について書いています。

設計の考え方は3つあります。

  • 同一対象者への Pre / Post
  • 別対象者への Pre / Post
  • 別対象者への Control / Test グループ分け

この3つについて、解説します。
投稿日 2014/08/02

お客さま自身が変わったのではなく、アンケートのバイアス




日本経済新聞に、ライフネット生命保険会長兼 CEO である出口治明氏の寄稿記事がありました (2014年7月26日) 。

参考:スマホ普及で契約数は激減?ネット生保の想定外|日本経済新聞


セールスパーソンと相談せず、自分で保険は選ぶ人が減少?


以下は記事から引用です。

6年間経営をやってきて骨身にしみたことは 「世の中は何が起こるか分からない。変化に対応するのが経営の神髄」 というごく当たり前の事実だった。

開業時に当社のウェブサイトに来てくださったお客さまにアンケートを取ったところ、6割を超えるお客さまが 「セールスパーソンと相談しなくても自分で保険は選べる」 と答えてくださった。僕は意を強くして、この割合が7割、8割と上がっていくに違いないと信じていた。

ところが、昨秋のアンケートでは、その比率が2割以上低下していたのである。このようなお客さまの変化 (保守化) は、何故生じたのだろうか。
投稿日 2014/06/22

マーケティングリサーチで大切にしたい、「答えを出すのは自分」 という心構え




マーケティングリサーチについてです。リサーチャーとして大切にしたい心構えを書いています。

エントリー内容です。

  • マーケティングリサーチでの2つの調査
  • インタビュー対象者に 「答え」 を求めない
  •  「答え」 を出すのはあくまで自分
投稿日 2014/06/14

ネット広告の効果指標の近未来 (2014年現在)




広告ビジネス次の10年 という本に、近未来予測 (第七章) がいくつか書かれています。



態度変容がネット広告効果の指標になる


広告の近未来予測の1つは、ネット広告の効果指標に 「認知」 や 「態度変容」 が加わることでした。以下は本書からの引用です。

動画広告の普及にともない 「認知」 「態度変容」 といった指標がネット広告の効果指標として浸透していくことだ。ウェブ上で直接購入を促すことだけがゴールではない商品を扱う広告主が、広告の認知、ブランドの認知、そして購入意向などの態度変容効果に着目して、動画広告を本格的に活用していく。
投稿日 2014/03/16

リサーチは良い結果を出すことではなく、真実を知ることが目的




今の仕事での役割は 「マーケティングリサーチマネージャー」 です。


マーケティングリサーチとマーケティング


マーケティングリサーチというのは、マーケティングとは切っても切り離せないものです。リサーチが求められるのは、マーケティングの課題を解決し、マーケティング目的を達成するための一助になることだからです。

マーケティングの目的があり、そのためのマーケティングの課題があります。

例えば、目的と課題は次のようになります。
投稿日 2013/12/22

P&G の事例から考える、マーケティングリサーチャーとしての自分の役割


Free Image on Pixabay


Harvard Business Review に、P&G が全社的にどのようにデータを活用しているかが紹介されていました。

参考:How P&G Presents Data to Decision-Makers - Harvard Business Review


What だけではなく Why と How までいけるか


記事のポイントは、

  • グローバルで統一されたデータの閲覧システム 「Decision Cockpit」 を共有している
  • P&G 社内からはどこからでもアクセスができるようになっている
  • データから 「今の状況」 をより早くつかみ、意思決定と次のアクションを決めることに集中している

記事の中で印象深かったのが、以下でした。
投稿日 2013/09/22

「統計学が最強の学問である」を読んで

「統計学が最強の学問である」に書かれていたことで、その通りと思ったものがあります。
ビッグデータ時代と呼ばれる考え方に逆行するが、私は誰からデータ分析の相談を受けても「まず正しい判断に必要な最小十分のデータを扱うこと」を推奨している。

何かを分析する際に必要なデータを集める場合、全数調査とサンプリング調査の2つがあります。

全数調査とは字のごとく、全てのデータを集めて集計/分析をするケースです。イメージとしては、20代の日本人男性の睡眠時間を調べるために、20代男性全員に睡眠時間を聞くというもの。人数にしておそらくは700万人くらいの規模かと思いますが、一人残らず睡眠時間をヒアリングするのが全数調査。サンプリング調査とは、700万人にいちいち聞いていられないということで、20代男性の700人に聞いておけばいいんじゃないか、という感じ。

サンプリング調査で注意すべきは、この700人をどうやって選んだかです。仕事で忙しいような人ばかりでは睡眠時間が短い人が多そうなので、その結果は全数調査と比べて睡眠時間は短いという結果が出てしまうでしょう。これでは意味のあるデータにはなりません。そうならないために、700人が日本の20代男性全員を反映しているような均質な集団にする。

よくサンプリング調査の例えで使われるのは料理の味見です。料理の塩加減を知る正確な方法はその料理を全部食べてしまうことです。これが全数調査のイメージ。サンプリング調査とは、作った料理を全部食べずにちょっとだけ味見をして塩加減を確認すること。味見で注意すべきは、その前にちゃんとかき混ぜてからだと思いますが、これがさっきの「700人が日本の20代男性全員を反映しているような均質な集団にする」という作業です。

もちろん、全数調査のほうがサンプリング調査よりもデータ精度は高いです。全員に聞くので、誤差が発生しようもない。ただし、往々にして全数調査は現実的な手段ではありません。料理の味を確認するのに全部食べることはあり得ないように。だから大事なのは、サンプリング調査によってどの程度精度が低下するのか。判断や意思決定に影響しないような精度の向上はもはや意味がないのです。そのために費やす時間やコストは無駄です。

データ分析で重要だと思うのは、集計/分析は目的のための「手段」であること。分析結果を活かして何をするのか、どんな価値を得られるかの目的によって、手段は異なります。

「統計学が最強の学問である」という本で繰り返し述べられていたのは、そのデータや分析結果から得られたことが意味のある結果なのかを自分で判断できること、それが統計学の考え方では重要であると。

データ分析をするとは、何か知りたいことがあるといことです。真に知りたい値に対して、その結果はどこまで正しいのか。つまり、誤差はどの程度なのか。その誤差を考慮に入れたうえでも意味のある結果なのかということです。

誤差を見る上で大切なのは2つ。誤差の大きさと、その誤差の発生確率。後者はp値と呼ばれ、実際には何の差もないのに誤差や偶然によってたまたまデータのような差が生じる確率です。通常はp値は5%以下であれば、「この結果は偶然得られたとは考えにくい」と判断します。

最後に、もう1つ。大切にしたいと思っている指摘があったので引用しておきます。
データ分析においては重要なのは、「果たしてその解析はかけたコスト以上の利益を自社にもたらすような判断につながるのだろうか?」という視点だ。


※関連記事
書評「会社を変える分析の力 」:データ分析をする時の4つの自問自答
書評:意思決定のための「分析の技術」
書評:「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本
データ分析だけだとまだ五合目くらい




投稿日 2013/07/13

Yahoo!のビッグデータ参院選予測から考える「未来予測と選択の余地のジレンマ」

「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」という本に、ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフトが提示されています。
  • 限りなく全てのデータを扱う。n=全数
  • 量さえあれば精度は重要ではない
  • 因果関係ではなく相関関係が重要になる

3つ目の因果関係ではなく相関関係が重要は、本書で最もインパクトがある論点でした。ちなみに「相関関係がある」というのは、AとBという2つが同時に起こることで、「因果関係がある」というのは、Aが原因でBが起こることです。

ビッグデータにおいては因果関係よりも、何と何に相関関係があるかさえわかればよく、その組み合わせを見つけることが重要であるという考え方。これまではAとBというわかりやすい相関しかわからなかったのが、大量データをまわすことで、AとTという一見何の関係もない2つに相関があることを発見できるかどうか。なぜAとTにどういう因果関係があるかは気にしないというもの。

■ビッグデータによる未来予測と選択の余地

ビッグデータの活用例として予測があります。大量のデータがあり、数式モデル等も導入することで、データから未来がわかる。一方で、本書で興味深かったのは以下の指摘。
ビッグデータ予測が完璧で、アルゴリズムが我々の未来を寸分違わずはっきりと見通せるなら、我々の行動にもはや選択の余地など存在しないことにならないか。完璧な予測が可能なら、人間の意志は否定され、自由に人生を生きることもできない。皮肉なことだが、我々に選択の余地がないとなれば、何ら責任を問われることもない。

これを実感したのが、Yahoo! JAPANが発表していた、Y!の検索データからの参院選予測でした。ビッグデータが導き出した参議院選挙の議席予測

検索データと、昨年末の衆院選の知見からモデルをつくり、データから選挙結果予測をすること自体は価値のあるものだと思います。

従来の選挙結果予測は、電話調査(RDD)による聞き取りであったり、投票後の出口調査からが主な方法でした。それを、ネットでの検索数から高い相関で出せるようになった。Y!が予測に使ったモデルは異なる2種類があり獲得議席数の予測に若干ぶれはあるものの、データから言える結論は変わらず、おそらくこの予測通りの結果になるのでしょう。

一方で、分析結果がこのタイミングで出ることは選挙にとってよいことなのか、もっと言うと日本の将来(少なくともあと3年はこの規模の選挙はないので)にとって有益なのかは考えてしまいます。

すでに勝負が決まったかのような情報が流れると、「投票してもしなくても変わらない」という意識が出てしまうのではと思います。自民支持者、自民ではない党を支持/投票しようと思っている人にとっても。特に浮動票と呼ばれる特定支持がない層。浮動票をどれだけ確保できるかは自公以外は結果に響く気がしますが、その層の投票率が下がってしまいかねない。

先月の東京都議選の結果は、自民が大勝したのと共産党の議席が増えて野党第一党になりました。投票率が下がったのは主に浮動票で、その分、組織票が強い党が票を集めた。同じ構図が今回の参院選でも起こるのではないかなと。

先に引用した「ビッグデータ予測が完璧で、アルゴリズムが我々の未来を寸分違わずはっきりと見通せるなら、我々の行動にもはや選択の余地など存在しないことにならないか」という指摘が当てはまります。

ヤフーの検索データからの選挙予測は、ビッグデータがもたらすとされるパラダイム・シフトの1つである「因果関係よりも相関関係」の例でもあります。検索と投票に高い相関があり、それを使うことで選挙結果が予測できる。

これまで活用していなかったデータから未来が予測できることは有意義だと思う一方で、「ビッグデータ予測が完璧で、アルゴリズムが我々の未来を寸分違わずはっきりと見通せるなら、我々の行動にもはや選択の余地など存在しないことにならないか」という問題意識は持っておきたいです。


※関連記事

因果関係よりも相関関係:ビッグデータがもたらすパラダイムシフト|思考の整理日記




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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。