投稿日 2024/01/29

ハリポタ施設での映画教育講座。お客さんからの商品理解の解像度を高めるマーケティング

#マーケティング #ブランド #解像度

今回のキーワードは 「解像度」 です。

お客さんから商品への理解を深めてもらうことで、お客さんとの関係性やブランドの構築につながります。

顧客関係とブランディングにどう活かせるのか、ぜひ一緒に探求していきましょう。

映画製作が学べる教育講座ツアー


出典: PR TIMES

映画 「ハリー・ポッター」 シリーズを舞台にしたレジャー施設が、東京の練馬にあります。施設名は、「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」 です。

こちらでは、映画製作の過程が学べる教育講座をやっています。

講座は20人以上の団体チケットを購入した教育機関向けで、「映画ビジネス」 「アート・オブ・サウンド」 などの4つのテーマから1つを選びます。最初に授業が45分間あり、授業後に施設を見学します。

施設入場への団体チケットは小学生が1人3000円、中学生以上が4000円で、講座を受講する追加料金はかかりません。


商品理解への解像度を高めることの意義


では、今回の事例から得られるビジネスでの示唆を掘り下げていきましょう。

ポイントはお客さんの 「商品理解への解像度」 です。

映画作品への解像度が上がる


教育講座に参加することで、映画作品への視点が増え、見る解像度が上がります。

具体的には音の作り方のレクチャーではたとえば、皮革をはためかせると魔法生物が羽ばたく音になるといったサウンドづくりの方法を教えてもらえます。授業の後半には40秒程度の映画の一場面を使い、グループで音作りに挑戦します。

ハリー・ポッターの映画を思い出しながら、「劇中で登場する音にはどういった種類があるか」 や 「なぜ音を入れる必要があるのか」 「どのように音を作るか」 など、映画製作の舞台裏を知ることができるわけです。

ある参加者からは 「1つの場面でいくつもの音を作る必要があり、想像力が必要だとわかった」 と感想が聞こえました。

解像度が上がることの恩恵


このようにして得られる体験や映画作品への知識は、普段の映画鑑賞ではなかなか気づくことのできないレベルの 「解像度」 をお客さんにもたらします。

ここまでの高い解像度は、映画製作のプロであるクリエイターの人から直接教えてもらうからこそ得られるわけです。

映画作品への視点が増え、見る解像度が上がることで、映画を見る楽しみに深みが増します。ハリーポッターだけではなく、他の映画を見るときにもクリエイター視点も加わった多角的な映画鑑賞ができるでしょう。

これは映画業界全体にもプラスとなります。映画作品に対する深い理解と興味を持つことで、映画を 「見る」 行為自体がレベルアップします。映画を楽しむ人が増えるという映画全体にとっても恩恵があるわけです。

深い理解を促す


ご紹介しているハリー・ポッターの映画作品の教育講座のように、お客さんに商品やサービスに対する 「深い理解」 を持ってもらうことは、意味のある取り組みです。

商品やサービスへの体験を通して、お客さんが商品への理解を深めれば、それだけ商品に対する評価が自然と高まるでしょう。

お客さんとの深い関係構築


解像度の高い深い理解によって、お客さんとの関係構築にもつながります。

商品やサービスの背後にあるストーリーや哲学、技術に触れることで、お客さんからの愛着が高まります。

このような商品とお客さんの感情的なつながりが生まれると、お客さんからは指名買いのような状態で選ばれ、それもただの一度だけではなくリピートして買ってもらえます。さらに、他の人に紹介してもらえたり、口コミなどの UGC (ユーザー生成コンテンツ) をつくることでの新しいお客さんをもたらしてくれることも期待できます。

愛着が高まることでのブランド構築


商品への高い解像度とお客さんとの深い関係性は、ブランディングにも直結します。お客さんの心の中でその商品が 「ブランド」 として定着します。

それは単に商品名を知っている、使ったことがあるという以上の意味を持ち、お客さんがその商品に対して感じる独自の価値や、他の商品やサービスではなく 「この商品がいい」 と積極的に選びたくなる理由ができるのです。


まとめ


今回は、ハリポッターのレジャー施設で映画を学べる 「教育講座ツアー」 を取り上げ、学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

  • 商品の背後にあるストーリーや技術を知るなどの、お客さんからの商品理解への 「解像度」 が上がることで、商品へのユーザー体験や楽しみの深みが増す

  • 商品やサービスを解像度高く理解することによって、お客さんからの愛着が高まり、リピート購入や口コミにもつながる。商品がブランドとしてお客さんの心に定着していく


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。