子ども向けの物語である絵本の 「エルマーのぼうけん」 。エルマーの勇気と行動には、マーケティングの教訓が隠されています。
今回は、9歳の少年エルマーの冒険物語から、マーケティングへの示唆を掘り下げます。
ぜひ一緒に学びを深めていきませんか?
エルマーのぼうけん
エルマーのぼうけん は、1948年にアメリカで出版された児童文学作品です。
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島で捕まっている 「りゅう」 を助けに
まずは絵本 「エルマーのぼうけん」 の物語を見ていきましょう。
主人公は9歳の男の子エルマーです。エルマーは、ある夜に年老いたノラネコから 「どうぶつ島」 に囚われている、かわいそうなりゅうの子どもの話を聞きました。りゅうはジャングルの猛獣たちに捕まえられ、島の中を流れる川を渡るために働かされていました。
エルマーは、りゅうを助けに行こうと決意します。年老いたネコにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。
エルマーは様々なものをリュックサックにつめ込みました。
チューインガム、棒つきキャンデーを2ダース、輪ゴム1箱、黒い長靴、方位磁石、歯ブラシと歯磨きチューブ、虫めがね6つ、ジャックナイフ、くしとヘアブラシ、違う色のリボン7本、大きな空の袋、着替え、島に行くための船に乗っている間の食料 (ピーナッツバターとゼリーをはさんだサンドイッチ25個と、リンゴを6つ) など、たくさんの道具です。
エルマーは 「どうぶつ島」 へ着き、捕まっているりゅうを探すために気味の悪いジャングルの中を歩きまわります。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのイノシシに出くわしたり、トラ、サイ、ライオン、ゴリラなど恐ろしい野蛮な猛獣たちに次々と出くわします。
動物たちの困りごとを解決
エルマーは島の動物たちに、自分が島に侵入したことがバレてしまい、次々と動物たちに見つかり、襲われたり食べられそうになります。
しかし、エルマーは勇気と知恵で立ち向かいます。出発前に老いたネコから聞いていた情報とリュックに詰めた道具がこごで役に立ちました。
- 7匹のトラ
トラたちはガムが好きだとわかり、全員にチューインガムをあげる - サイ
自分の角が黄色く変色し汚くなったことに嘆いていた。
そこでエルマーは歯ブラシと歯磨き粉を使って磨いてやり一部分をきれいにした。サイは自分で残りを磨くのに夢中になった - ライオン
たてがみがしおれてしまい、もっと立派できれいにしたいと悩んでいた。
ブラシでたてがみを整え、リボンをライオンに付けてあげた - ゴリラ
ゴリラの身体中にノミが生息し、かゆくてたまらなかった。6匹のサルがゴリラのノミを取っていた。
エルマーは6個の虫眼鏡をそれぞれサルに使ってもらい、ノミを簡単に見つけられるようにした - たくさんのワニ
おいしいものを食べたいと思っているワニに、キャンディをあげた
このようにエルマーは、自分が襲われそうになる状況で動物たちの困りごとや求めていることを見極め、手持ちの道具で次々に解決することで、食べられそうになる難を逃れたのです。
マーケティングへの示唆
子ども向けの本 「エルマーのぼうけん」 には、マーケティングの教科書とも言える内容が含まれています。
マーケティング視点で読み解く 「エルマーのぼうけん」 は、次のような学びが得られます。
顧客ニーズを理解する
マーケティングで大事なのは、お客さんを理解し、相手の 「困りごと」 「悩み」 を見極めることです。
エルマーはどうぶつ島で、自分を侵入者とみなし襲ってくる動物たちを理解しようとしました。動物たちの言葉や態度から困りごとを探ったのです。
マーケティングにも当てはまります。お客さんの置かれた状況、課題感、求めているニーズ、さらには奥にある望みや不満、何に価値を見出しているかの価値観までを深く理解することは、商品やサービスの開発、マーケティングにおいて重要です。
価値を提供する
エルマーは持ち物を使い知恵を駆使して、動物たちの困りごとを解決していきました。相手の困りごとに対して、自分ができること・持っているもので解決し、価値をもたらしたわけです。
マーケティングにおいても、お客さんに価値を提供することはビジネスの成功に欠かせません。お客さんのニーズや課題を解決する自社商品を使ってもらうことで顧客満足度を高め、リピーターの獲得につなげます。
* * *
エルマーは、どうぶつ島で出会った動物たちの悩みや困りごとを解決することで、りゅうを助けに行きました。
マーケティングでも、お客さんのニーズや課題を理解し、それらを解決する商品やサービスを提供し価値を生み出すことが重要なのです。
最後に
エルマーのぼうけんは、子ども向けの冒険物語でありながら、マーケティングで大切なことを教えてくれる作品です。
エルマーのぼうけんをマーケティングの視点で眺めると、物語の中でエルマーが動物たちの困りごとを解決していく様子は、優れたマーケターがやっていることそのものなんですよね。
エルマーのように、相手 (お客さん) が本当に求めていることを理解し、それに応える方法を探り、お客さんに価値をもたらそうとする姿勢はマーケターにとって参考になります。
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