#マーケティング #人生 #本

仕事も人生もうまくいかず、今日をただ過ごすだけの日々が続くことがあります。そんな時に出会う一冊の本が、人生を変えるきっかけになることがあります。

今回は、小説 「賢者の書 (喜多川泰) 」 を取り上げます。

この小説に登場する 9 人の賢者の教えをご紹介します。

さらに、教えをマーケティングに当てはめ、マーケターに大切な姿勢を考えます。

本書の概要

小説 「賢者の書」 は、人は何度でも生まれ変われるという希望を描いた物語です。

今日を新しい誕生日として昨日までとは違う人生を始められるという考えを、読者はファンタジー仕立ての物語と 9 人の賢者の教えから学びます。

主人公は、仕事も家庭もうまくいかず人生に絶望した中年サラリーマンのアレックスです。昔住んでいた街の公園を訪れ、14 歳の少年サイードと出会います。

サイードは祖父から白紙の 「賢者の書」 を受け取り、9 人の賢者と出会いながら、教えとともにピースを集めて書の完成を目指していました。

アレックスはサイードの 「賢者の書」 を読み、自らの人生の誤りに気づきます。最後に、アレックス自身が 9 人目の賢者だったと明かされ、書は完成します。

9 人の賢者の教え

小説 「賢者の書」 で語られる 9 人の賢者の教えは、人生という壮大なパズルを完成させるための、相互につながった知恵です。

9 人の賢者の教えを順番に見ていきましょう。

[第一の賢者] 行動 - すべての始まり

第一の賢者の教えは行動することの大切さです。

行動で得る経験は、成功や失敗という判定ではなく、人生という一枚の絵を完成させるピースになります。

結果を恐れたり期待しすぎたりせず、できるだけ多く行動し、そこで得た経験をどう使うかまで考えることが大切です。

[第二の賢者] 可能性 - 人間に授けられた創造の力

宇宙を創り出した大いなる力は、唯一人間にだけ自らと同じ力である 「心」 を授けました。

自分には無限の可能性があると自覚して行動すると、大いなる力も手助けしてくれ、創造する力が必要なパズルのピースとして現れます。

[第三の賢者] 自尊心と他尊心 - 独りよがりにならない成長

自尊心と他尊心は常に同じ高さでなければなりません。

自分をかけがえのない存在だと認めるのが自尊心です。同じように、他者にも無限の可能性があると尊重するのが 「他尊心」 です。

自分を卑下せず、傲慢にもならないために、自尊心と他尊心のバランスを保つことが成功につながります。

[第四の賢者] 目標 - どんな人間になるか

成功は職業についてくるものではなく、人についてくるものという教えです。

 「どんな人間になりたいのか」 を考え、理想の人間像を追いかけることで意志が強まり、進む道も見えてきます。

[第五の賢者] 今 - 今日という一日を生きる

人生という伝記は、過去を書きなおすことも未来を先取りして書くこともできず、書き足せるのは今日の一日だけです。

過去への後悔や未来への不安に今日を使うのではなく、将来の成功が当然だと思えるような一日を過ごすという教えです。

[第六の賢者] 投資 - 時間という最も貴重な財産

成功者が投資したのは、お金ではなく時間という財産です。この投資によって得られるものは、信頼・人脈・人望・知識といった、お金では買えない真の財産です。

時間への投資なら、お金の有無にかかわらず、誰でも今すぐ始められます。

[第七の賢者] 幸福 - もらう側から与える側へ

人間は二つに大別されます。自分を幸せにすることを探す人と、他人を幸せにすることを探す人です。

自分を幸せにしてくれるものばかり求めれば、世の中は思うようにいかない場所になります。一方、成功者のように他人を幸せにする方法を探す人にとっては、喜びに満ちた場所になります。

[第八の賢者] 言葉 - 人生を創る道具

人が一番よく聞く自分の心の言葉が、人生をつくっていきます。

口に出す言葉だけでなく、心の中の言葉にも人は影響を受けます。成功する人ならどんな言葉を使うかを考え、日々の言葉を選ぶことが大切です。

[最後の賢者] 感謝・与える・誕生 - 幸福をつくる

最後の賢者の教えは 「感謝」 「与える」 「誕生」 です。

■ 感謝 - すべてを 「ありがとう」 と捉える

感謝の言葉を多く口にする毎日を送ることが重要です。

自分が恵まれていることに気づき、ありがたいと心から感じられるようになると、何気ない出会いや見慣れた風景も、かけがえのない瞬間に思えてきます。

■ 与える - 手に入れたければ与える側に

人生において欲しいものを手に入れるためには、手に入れたいと思うものを与える側になることです。

感動の多い人生を送りたければ人を感動させ、勇気が欲しければ人に勇気を与えるなど、手に入れたいものほど自分からどう与えるかを考えることが大切です。

■ 誕生 - 人は何度でも生まれ変われる

昨日までの自分がどうであっても、今日から賢者として新しい人生を始められるという教えです。

賢者の教えの統合

ここまでの教えを、この記事では三つの段階に分けて整理します。

第一段階は第一 ~ 第三の賢者の教えで、「行動の基盤」 です。行動することでピースを集め、創造できる無限の可能性を信じ、自尊心と他尊心のバランスを保ちます。

第二段階は第四 ~ 第六の賢者の教えで、「方向性の確立」 です。理想の人間像を定め、今日一日に集中し、時間を未来に向かって投資します。

第三段階は第七・第八・最後の賢者の教えで、「実践の強化」 です。与える側に立ち、言葉を意識的に選び、感謝し、与え続けます。

最後の賢者の 「誕生」 の教えが伝えるのは、「人間は何度だって生まれ変われる」 というメッセージです。

賢者の教えから学ぶマーケターの姿勢

小説の 「賢者の書」 が示す教えは、マーケティングの本質とも深く共鳴します。

ここでは 3 つの教えをピックアップし、マーケターが持ちたい姿勢に当てはめて考えます。

自尊心と他尊心のバランス

第三の賢者が説いた 「自尊心と他尊心は常に同じ高さでなければならない」 という教えは、マーケターの根本的な姿勢にも当てはまります。

マーケターにとって、自分や自社商品、ブランドへの誇りが自尊心であり、その価値を信じながらお客さん一人ひとりに敬意を払うことが他尊心です。

自社商品への過剰な自信は傲慢となり、顧客の声を聞かなくなります。逆に顧客への過度な追従は、自社の方向性や存在意義を見失わせます。両者のバランスが、真の顧客価値を生み出す源泉になります。

相手の幸せを第一に考える

第七の賢者は 「他人を幸せにできることを探す側」 に立つことの重要性を説きました。マーケティングにおいて、幸せになってほしい 「他者」 とはお客さんです。

マーケターには、お客さんの課題が解決し、仕事や暮らしが良くなることを第一に考える姿勢が求められます。

自社の売上や利益を先に考えず、お客さんの成功を支える姿勢は、マーケティングにおける 「カスタマーサクセス」 の考え方にも通じます。

マーケティングができることへ感謝

最後の賢者が説いた教えの一つが、感謝の重要性でした。

マーケティングという活動ができるのは、自社商品があるからであり、社内の関係各所や社外のパートナーがいるからです。そして何よりも、自社商品に興味を持ち、買ってくれ、使ってくれるお客さんがいるからこそです。

商品開発部門や営業チーム、流通パートナーなど、多くの人が関わって初めてマーケティングは成り立ちます。

マーケティングに関わる人たちへの感謝を忘れず、言葉で伝えることが、より良い関係と成果につながります。

まとめ

小説 「賢者の書 (喜多川泰) 」 から学ぶ賢者の教えと、マーケターの姿勢を考えました。

学びのポイントをまとめておきます。

  • 今日を新しい誕生日と捉えれば、人は昨日までとは違う人生を何度でも始められる
  • 行動の結果を成功や失敗で終わらせず、人生のパズルを完成させる経験として次に活かす
  • 自分も他者も無限の可能性を持つかけがえのない存在として尊重し、自尊心と他尊心のバランスを保つ
  • 他者に幸せを与える側に立つことで、自分の世界にも喜びが増えていく
  • マーケティングでは、自社への自信とお客さんへの敬意のバランスを保ち、お客さんの幸せを第一に考え、関係者への感謝を忘れない