今回のテーマは、顧客視点です。
おもしろいと思ったヨドバシカメラの売場と担当している店員の方をご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- ヨドバシカメラ旗艦店のプラモ展示売場
- 店頭でプラモ展示を強化する店員さんの狙い
- 初心を忘れないお客さん視点の重要性 (学べること)
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ヨドバシカメラのプラモ展示売場
日経新聞に、ヨドバシカメラの店員の方を取り上げた記事がありました。
プラモデル好きのこだわりが満載された店頭をつくっているという話題です。
アニメ 「機動戦士ガンダム」 シリーズのプラモデル 「ガンプラ」 が一時品薄になるなど、新型コロナウイルス下の巣ごもり需要で人気の高まったプラモデル。
「ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba」 (東京・千代田) 6階では、プラモデルはもちろん、塗料や接着剤などの関連商品も含めて幅広い商品をそろえ、初心者からマニアまで楽しめる売り場を展開している。
マルチメディア Akiba はヨドバシカメラの旗艦店。売り場を担当する平林洋介さんは 「品ぞろえの良さを実感してもらえる売り場作りをとにかく意識している」 と話す。
取り扱うのはガンプラのようなキャラクターものから、戦車や飛行機など幅広い。ジャンルごとに分けて売り場の中央に陳列しており、それらをぐるりと囲むように塗料やヤスリ、接着剤といった関連商品が並んでいる。
店頭でプラモ展示を強化する狙い
売場には、売っているプラモデルの商品を並べているだけではなく、完成品も多く展示しているとのことです。この狙いはどこにあるのでしょうか?
EC にも注力するヨドバシカメラだが、「プラモデルについては、大きさやデザインの精密さを店頭で実際に確認したいという一定のニーズがある」 (平林さん)
店頭では大きなガラスケースの中に、実際に組み立てて着色や加工を施したプラモデルを数多く展示している。なかにはプロモデラーと呼ばれる人たちの作品も展示。使った塗料や材料、手順などが書かれた店頭販促 (POP) を添えることで、制作する上でのイメージが湧きやすいよう工夫している。
プラモデラーの作った作品も展示することで、完成品の大きさや出来栄え、どのくらいの精巧さなのかを実物から確認したいニーズに応えています。
マニアからも一目置かれる存在に
プラモ展示には、日経の記事で紹介されていた店員の方のこだわりが入っています。
平林さんはユーチューブやツイッター、雑誌などからプラモデルに関する最新情報を常に集めており、食器乾燥機のようにマニアの間で話題になっている関連商品があれば、別の売り場の担当者に交渉し、プラモデル売り場でも取り扱うようにしている。
マニアの心をくすぐる売り場作りが奏功してか、来店客から寄せられるのは 「アニメのお気に入りのシーンを再現するにはどの塗料が合うか」 「オリジナルで作ったパーツを付けるにはどの接着剤がいいか」 など本格的な質問が多い。
販売員であるご自身がプラモの上級者と言えるくらいのレベルになっています。
プラモマニアのような上級者のお客さんにも認められ、マニアのお客さんたちに 「ここの店わかってる」 と思ってもらえ、店員さんとお客さんの間に共同体感覚が生まれているはずです。いわば同士のような関係性ができています。
初心者にもわかりやすく
良いなと思ったのは、上級者ばかりに目が向いてはいないことです。
日経の記事には、店員さんのコメントとして 「初心者の方にはわかりやすく、かつマニアの方には『ここの店わかってるな』と感じていただけるような売り場作りを今後も目指していきたい」 とありました。
マニアの心をくすぐる展示や情報・知識の提供だけではなく、プラモデルの初心者にも配慮しているわけです。上級者と初級者の両方の視点があります。
学べること
では最後に、学べることを整理しておきましょう。
今回の学びは、「初心を忘れるべからず」 としたいです。
商品やカテゴリー知識を深めることは、多くの人が意識してやっていることです。詳しくなることは良いことですが、弊害もあります。自分でも気づかないままに上級者になると、初級者や新規のお客さんのフレッシュな見方や感じ方に疎くなってしまいます。
自分が向き合う相手が古参の人や一部のマニアの人ばかりになると、新しいお客さんには近寄りがたい、敷居の高い雰囲気が出てしまいます。
こうならないためにも、初級者の視点を常に持ち、意識的には初級者や新規のお客さんに寄り添うほうに重心を置くといいです。顧客視点でも 「初心を忘れるべからず」 は大事にしたいです。
まとめ
今回は、ヨドバシカメラの売場と店員さんを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 初心を忘れない顧客視点
- 商品情報に詳しくなることは良いことだが、自分でも気づかないままに上級者になると、初級者や新規のお客さんの視点に疎くなってしまう
- 自分が向き合う相手が古参の人や一部のマニアの人ばかりだと、新しいお客さんには近寄りがたい雰囲気になる
- 初級者の視点を常に持ち、「初心を忘れるべからず」 な顧客視点を大切にしよう
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