投稿日 2022/09/10

売上好調な 「魅惑のハリッサ」 に学ぶ、「既存の何を代替するか」 とバリュープロポジション


今回のテーマは、お客さんへの価値提供についてです。バリュープロポジションという考え方を解説しています。

おもしろいと思った調味料を取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。

✓ この記事でわかること
  • パンチのある調味料 「魅惑のハリッサ」 が好調
  • 既存の何を置き換えるか
  • バリュープロポジションとは?

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

魅惑のハリッサ


ご紹介したいのは、ハウス食品の調味料 「魅惑のハリッサ」 です。


売上が好調


以下は、日経新聞の記事からの引用です。

ハウス食品のペースト調味料 「魅惑のハリッサ」 が好調だ。唐辛子をベースにしたチュニジア発の万能調味料で、様々なスパイスの辛みや香りが楽しめる。

 「家庭の料理にパンチのある調味料が欲しい」 との消費者の声をもとに開発。新型コロナウイルス禍で旅行が難しいなか、海外の味が手軽に楽しめると人気に火がついた。2021年2月の発売以降、1年間の売上高は目標の1.5倍になった。

開発の経緯


魅惑のハリッサの開発背景を見てみましょう。

ギョーザにはしょうゆと酢とラー油、焼き肉には甘辛の焼き肉のたれ。よく家庭に並ぶ料理の味付けが定番化しており、「もう少し刺激的な、パンチのあるような調味料が欲しいという消費者の声があった」 と話すのは開発に携わった食品事業三部の戸矢崎裕希チームマネージャーだ。

定番に負けない味をいかに出すか。こだわったのは素材と製法だ。国内外の唐辛子を使って10パターン以上の組み合わせを試し、粉末状にした辛めの唐辛子と、焙煎 (ばいせん) すると甘く香る粗びき唐辛子の2つを選定した。

唐辛子とクミンなどのスパイスを油の中で焙煎する技術と、温度によらず、ペーストのなめらかさを維持する製法とを組み合わせた 「濃厚旨辛製法」 と呼ぶ独自手法で、香りとうま味を引き出した。

パンチのある調味料が欲しいニーズ


開発のきっかけは、 先ほどの引用した記事にあったように 「パンチ力のある調味料が欲しい」 というニーズに注目したことです。

パンチのある味は主観的で、人によってパンチがあるかは違いますよね。このようなフワッとしたニーズに正面から向き合い、調味料の味で再現できたことがヒットにつながりました。


学べること


ここからの後半で掘り下げたいのは、提供価値についてです。

すでにある何を置き換えるか?


お客さんに提供する価値を知る術として、「今ある既存のものの何を置き換えるのか」 という視点で考えてみるといいです。置き換わる相手は競合にあたります。

何かを新しく置き換えるということは、新しいものが従来のものより何らかのより高い価値があるからです。逆に言えば、付加価値がなければ置き換わることはありません。

魅惑のハリッサは、ラー油などの調味料の代わりに使われているとのことです。

ギョーザやそうめん、オムライスなど家庭では様々な料理で使われる。

戸矢崎氏は 「ハリッサの代わりになる調味料は何かと消費者に尋ねると、ラー油や一味唐辛子、カレー粉など様々だった。ひとつのイメージにとらわれない味にできた」 と胸を張る。

魅惑のハリッサは、すでに家庭内にあった様々な調味料を置き換えています。

バリュープロポジション


今回の話からの学びの補助線としてご紹介したいのは、「バリュープロポジション」 というマーケティングの考え方です。

出典: lifehacker

バリュープロポジションの要素は3つあり、

  • お客さんが望んでいること
  • 自社ができること
  • 競合にはできないこと

これら3つが成立すれば、お客さんにとって他にはない価値が実現します。

先ほどの 「既存の何を代替するのか (競合は何か) 」 と話をつなげると、「自分たちが他のものを置き換えられるのは、どんなパリュープロポジションがあるからなのか」 という視点を持っておくといいです。

自社商品やサービスのバリュープロポジションは何だと思いますか?


まとめ


今回は調味料の 「魅惑のハリッサ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ 置き換えとバリュープロポジション
  • お客さんへの提供価値を知るために 「今ある既存の何を置き換えるか」 と考えてみよう。置き換える相手が競合にあたる
  • この時にバリュープロポジションの視点を持ってみるといい
  • ① お客さんが望んでいること、② 自社ができること、③ 競合にはできないこと。3つが成立すれば、お客さんにとって他にはない価値になる


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。