出典: 日経クロストレンド
今回のテーマは 「強みの伝え方」 です。お客さんに選択基準と優位性を提示しようという話です。
おもしろいと思ったお菓子のグミの事例から、マーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。
✓ わかること
- 明治がグミのパッケージに 「食感チャート」 を表示
- 食感チャートの狙いとは?
- 選択基準の共有と、優位性の提示
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
グミの 「食感チャート」
こちらの記事を読みました。
明治がグミに6段階の “硬さチャート” を付けたワケ 意外な新客とは?|日経クロストレンド
食感を6段階で表示
以下は記事からの引用です。
「果汁グミ」 「ポイフル」 「コーラアップ」 といった明治が発売するグミのパッケージにある、グミの硬さを示す 「食感チャート」 。自分の好みや利用シーンに合ったグミを見つけやすくする取り組みで、明治が2021年8月に始めた。コーラアップシリーズの2種類からスタートし、22年3月ごろにすべての商品が対象となった。
チャートは柔らかいものから順に 1、2、3、4、5、5+ の6段階に分かれ、商品パッケージにはそのレベルを示すマークが印刷される。例えば、主力である果汁グミの硬さは 「2」 。
果汁グミをよく食べる人は、同じ硬さのポイフルを選んだり、気分や利用シーンに応じて硬さ 「5」 のコーラアップに変えたりといった、食べ分けが可能だ。まさに、グミを選ぶための “ものさし" を作ったのだ。
出典: 日経クロストレンド
硬さを数値化した狙い
明治が 「食感チャート」 をつくった狙いは何かと言うと、
明治が欲しかったのは "グミの軸" だ。
明治がグミの購買目的を調べると、「おやつとして」 「小腹満たしに」 といった汎用的な理由が上位を占め、グミ独自の強みが弱かった。一方、ガムは 「口の中をスッキリさせるため」 という明確な目的が半数近くにのぼる。
「グミはガムと比べて食感をコントロールしやすく、かみ心地が違うという点を推せば強みになる」 (吉川氏 (引用者注: 明治マーケティング本部の吉川尚吾氏) ) 。そんな仮説を立て、食感チャートにたどり着いたというわけだ。
グミの商品ごとの食感が数字でわかれば、グミを食べるシーンに合わせて選ぶことができます。
「リラックス」 「イライラ」 といったシーンに合わせた使い分けも可能、と明治は踏んだ。
現行の食感チャートはパッケージに数字のみを記載しているが、22年夏ごろから順次、それぞれの硬さに適した利用シーンも併記する予定だ。例えば、硬さ 2 の商品には 「リラックスしたいとき」 、5 の商品には 「イライラしたとき」 といった具合だ。
学べること
選択基準の掲示
噛みごこちの異なるグミを1つのものさし (食感チャート) で数字にする意味合いは、「消費者への選択基準の提示」 です。
消費者がなんとなく感じていたグミの商品ごとの柔らかさ、噛みごこちを数値化したことで、グミの味だけではなく食感も判断基準に加わります。消費者に向けてグミを選ぶ時の 「新しい視点」 を共有したということです。
自分がよく食べているグミとは違う硬さの食感も 「たまには試してみたい」 という消費者心理も生まれます。明治にとっては色々なグミ商品を買ってもらえるきっかけになります。
優位性を伝えよう
今回の話から学べるのは自分たちの優位性をどうやって見せるかです。
明治はグミのお菓子を複数の種類で売っているので様々な食感のラインナップを持っています。もし1つしかグミ商品がなかったら硬さを数字で相対化することはできません。自社商品が複数あり比べられるからこそ6段階での食感チャートが実現できたわけです。
出典: 日経クロストレンド
最後に学びとして残しておきたいメッセージは 「お客さんに選択基準を示し、自分たちの強み (優位性) を伝えよう」 です。
まとめ
今回は明治のグミの 「食感チャート」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 選択基準と優位性
- お客さんがなんとなくでも感じていることについて、言語化したり数値化することで、お客さんは買うかどうかの視点 (選択基準) に気づいて明確になる
- お客さんに選択基準を示し、その中で自分たちの強み (優位性) を伝えよう
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