今回のテーマは、差別化です。
おもしろいと思った秋葉原のショップを取り上げ、戦略やマーケティングに学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 「秋葉原アニメ・ホビー館」 の売り場改装。狙いは?
- 突き抜けるレベルでの差別化
- 大切なのは差別化が価値につながっているか
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
秋葉原アニメ・ホビー館
日経新聞に、ゲームや玩具の買取・販売をする 「秋葉原アニメ・ホビー館」 を取り上げた記事がありました。
改装オープン
売り場を改装したとのことです
ゲームや玩具の買取、販売を手がける 「駿河屋」 の 「秋葉原アニメ・ホビー館」 が、4月に改装オープンした。フィギュアやアニメグッズを販売していた1階と2階のフロアを、ミニカーと鉄道模型の中古品の販売スペースに変更した。
「ミニカーは約1万台、鉄道模型は約3600台の品揃えです。将来的には3階と4階もこれらの商材で埋め尽くしたいと思っています」
そう話すのは駿河屋を運営するエーツー (静岡市) の店舗部エリアマネージャーの橋本知季さん。
売り場の改装の狙い
秋葉原アニメ・ホビー館は、もともと1階と2階のフロアではフィギュアやアニメグッズを販売していました。改装により、ミニカーと鉄道模型の中古品の販売スペースに変更しました。
変更の狙いはどこにあるのでしょうか?
「アニメ関連のグッズなど、秋葉原にあるお店と同じような商品を販売すると、自店への来店動機が曖昧になるところがありました。別の客層を狙ったほうが、より多くの人に楽しんでもらえるお店作りができると思ったんです」 (橋本さん)
圧倒的な品揃えが SNS で話題になり、ゴールデンウイークは、昨年よりも多くの人がお店に足を運んだ。
「やるからには、日本一の品揃えを目指します」 と橋本さん。意気込みが伝わったのか、商品の並べ方や見せ方などをアドバイスしてくれるお客が増えているという。
今までは扱っていなかったミニカーと鉄道模型を展示し販売することで、新規のお客さんに来てもらうことを狙ったわけです。
学べること
突き抜けた差別化
秋葉原アニメ・ホビー館の事例から学べるのは、差別化についてです。
差別化とは、「他とは違うことをやる」 ということです。
マーケティングの視点で大事なのは、お客さんから見て差異に気づけるほどの他との違いを際立たせているかです。売り手が、自分たちは差別化ができていると思っていても、お客さんがそう思わなければ、それは差別化ではありません。
お客さんに違いを認識してもらうためには、時には自分たちがやりすぎだと思うくらいの差別化が必要です。やるからには徹底し、突き抜けるレベルでの実行をするからこそ、他にはない独自の違いになるのです。
差別化からの価値提供
もう1つ、マーケティングの観点で大切なのは 「差別化がお客さんへの価値をもたらしているか」 です。価値を生んでいない、売り手の独りよがりの差別化では意味がありません。
今回の秋葉原アニメ・ホビー館の事例では、リニューアル後は前年よりも多くの人がお店に足を運び、中には商品の並べ方や見せ方などをアドバイスしてくれるお客もいるとのことです。お店としてやりたいこと (突き抜けた差別化) がお客さんにも伝わり、価値を感じてもらえています。
最後に、今回の話から差別化への学びをまとめておくと、
✓ 差別化のポイント
- お客さんに違いを気づいてもらえること (時には突き抜けるレベルで徹底してやる)
- 差別化から他にはない独自の価値をお客に提供していること
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