出典: APPBANK
今回のテーマは、マーケティングからの市場創造です。
おもしろいと思ったサントリーのプロモーションを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- サントリーが 「ビールの炭酸割り」 を提案
- 狙いは新規客と離反客の獲得
- マーケターの役割は市場をつくること
- 新しい使い方提案からの市場創造
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
サントリーが 「ビールの炭酸割り」 を提案
こちらの記事を読みました。
サントリーがアルコール 16% のビール お勧めは 「炭酸水割り」|日経クロストレンド
出典: APPBANK
以下は記事のリード文の引用です。
サントリービールが2022年10月から、アルコール 16% のビール 「ビアボール」 を本格展開する。高アルコールのビールを炭酸水で割る飲み方を提案し、自由に濃さを調整できる柔軟さを売りにする。
ターゲット層を比較的若い20 ~ 40代前半とし、新規層やビール離れしたユーザーの取り込みを狙う。
色々な炭酸割りを紹介している (出典: 日経クロストレンド)
16% というビールでは高いアルコール度数に加え、サントリーがビールではめずらしい 「炭酸割り」 を提案する意図について、もう少し記事から見てみましょう。
サントリービールによれば、炭酸水で割ることを訴求するビールは日本初 (Mintel GNPD を用いた同社2022年5月調べ) 。こうした斬新な商品をリリースした背景を、西田英一郎社長はこう語る。
「ビール類の総市場は04年から前年割れの状況が続いている。(この状況を打破するには) 既存製品の育成だけでなく、これまでにないビールの価値を届けて新しい市場をつくることが必要。ユーザーがワクワクするような楽しさを与えるビールを提案する」
「新しい使い方」 を提案する意味
サントリーがビールの炭酸割りを提案するのは、新規のお客さんやビールを普段はあまり飲まない人を呼び込むためです。
5セグメントへの当てはめ
以下のような 「5セグメント」 で見ると、緑の 「成長ポテンシャル」 の獲得を目指しています。サントリーのビールを買ったことがなかったり、以前はサントリーのビールも飲んでいたがここ最近は離れてしまっていた人たちです。
出典: 日経ビジネス
未購買顧客や離反顧客には、買ってもらえない何かしらの理由があります。
当然、今までと同じやり方で訴求をしても、振り向いてもらえないでしょう。そこで有効なのは、これまでになかった 「新しい使い方の提案」 です。
今回のサントリーの 「ビールの炭酸割り」 が、まさにそれに当たります。日本では初の試みで、新しいビール体験に興味を持ってもらえれば 「一度は試してもいいかも」 と思ってもらえます。さらに、既にサントリーのビールを買ってくれているお客さんも、「ビアボール」 で炭酸割りをしてみたいとなることが期待できます。
使い方の提案とは市場創造
これまでにない新しい飲み方、一般化して表現をすれば 「新しい使い方」 を示すとは、「新しい価値」 を伝えることです。お客さんに 「こういう使い方をすれば、今までにないこんな価値がありますよ」 という提案です。
お客さんが新しい価値を見出せば、そこには新たな市場が生まれます。
マーケティングの役割は市場創造にあります。商品そのもののアピールだけではなく、もう一歩踏み込んで、お客さんにメリットのある 「使い方提案」 「価値提案」 をやってみませんか。
まとめ
今回はサントリーの 「ビールの炭酸割り」 の提案を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
✓ 使い方提案からの価値創造
- マーケティングの役割は市場創造
- 新しい使い方を示すことにより、お客さんが新しい価値を見出してくれれば、新たな市場が生まれる
- 商品のアピールだけではなく、お客さんにメリットのある 「使い方提案」 「価値提案」 をやってみよう
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