今回のテーマは大きく2つで、環境変化の捉え方と、新規のお客さんをどうやって増やすかです。
おもしろいと思ったバイクのサブスクサービスを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- バイクのサブスク 「ME:RIDE (ミーライド) 」
- 環境変化をビジネスチャンスにする方法
- 新規のお客さんを獲得する方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
バイクのサブスクが人気に
ご紹介したいのは、バイクのサブスク 「ME:RIDE (ミーライド) 」 です (公式サイトはこちら) 。
中古車などの中古品取引を手がけるオークネットは、中古二輪車のサブスクリプション (定額課金) 事業を拡大する。貸し出し用バイクの仕入れを増やし、2022年中に貸出台数を5倍の1000台に伸ばす。
国内で二輪車人気が再燃しているが、流通する中古バイクの数は限られている。売り切りではなく月額形式にすることで収益の安定化を図る。
二輪車サブスク 「ME:RIDE (ミーライド) 」 はオークネット傘下のオークネット・モーターサイクル (東京・港) が20年から始めたサービス。車検やメンテナンス、保険などの費用を含めて月額2 ~ 3万円程度で、最短4カ月から中古バイクを借りられる。
4月からミーライドを使い始めた40代男性は 「愛車のように乗れて、異なるオートバイに換えたり、冬になる前に解約したりできるのが魅力」 と語る。
環境変化を捉えた事例
ミーライドは、環境の変化に対応しサービスにした良い事例です。
環境変化とは、次の2つです。
- 生活環境の変化 (例: 新型コロナウイルスの感染拡大)
- 生活者の心理状態や行動も変わった
生活者が変わった例がバイクへの認識です。
車は車内で密閉された空間になりますが、バイクは一人乗りであれば他者との接触を避けて外出を楽しめるという、バイクへの新しい価値認識が生まれたのです。
サブスクという提案
とはいえ、生活者のバイクへの認識が変わっているからといって、今までバイクを持っていない人にいきなりバイクを買ってはもらえるとは限りません。
そこで、サブスクという月々数万円でのバイク利用サービスを提案したわけです。先ほどの記事にあったコメント 「異なるオートバイに換えたり、冬になる前に解約できるのが魅力」 のように、利用したい時だけ気軽にバイクを使えるという、サブスクならではのメリットをミーライドは利用者に提供できています。
新規のお客さんの獲得
ミーライドは、新規ライダーの獲得という視点でも興味深いです。
背景にあるのはバイク利用者の高齢化です。
日本自動車工業会が21年度に新車バイク購入者を対象に実施した 「二輪車市場動向調査」 では平均年齢が54.2歳だった。
今後の意向について60代の男性層は 「10年以内に乗らなくなる」 と 「あと数年でやめるつもり」 を合わせた割合が 22% 、70代以上の男性は 43% と、ライダーの引退が今後急速に進む。
今までやってきたアプローチでは若年層のライダーは獲得できなかったわけで、より若い年代の人たちにバイクを使ってもらうためには、これまでとは違うやり方が必要になります。
ミーライドは、これまでバイクを持っていなかった人が、サブスクで使いたい時に短期間からバイクを利用できるようにしました。
結果は出ているようで、同じ日経の記事によれば、ミーライドはサブスク方式が若年層に受け入れられ、 利用者の6割が30代以下とのことです (10, 20代が 39.9%, 30代が 20.8%) 。
まとめ (学べること)
ご紹介したバイクのサブスク 「ミーライド」 から学べたのは、まとめると2つです。
✓ 学べること
- 環境変化から起こる生活者の心理と行動の変化を捉え、新しいビジネス機会を活かそう
- 新規顧客の獲得には、既存客とは違った方法で未顧客の文脈でのメリットを提供しよう
これがミーライドから学びとして残しておきたいことです。
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