投稿日 2022/09/15

ビニールハウス製造会社がキュウリ栽培へ参入。バリュープロポジションで競争優位のつくり方


今回のテーマは、強みのつくり方です。

おもしろいと思ったビニールハウスメーカーの事例から、マーケティングに学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • ビニールハウス製造企業の事業拡大
  • 相乗効果による強みの発揮
  • バリュープロポジションを見つけよう

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

ビニールハウスメーカーが作物栽培に参入


日経新聞に、「農作物のビニールハウス製造企業がキュウリ栽培に参入した」 という記事がありました。

仮設資材の製造や販売を手がけるタカミヤは、これまで小さなビニールハウスでの栽培が中心だったある作物に注目し、生産量のアップに挑んでいる。キュウリだ。

 (中略) 

建設現場の足場などの製造が本業のタカミヤが、なぜ環境制御型のハウスで作物を栽培するのか。キュウリに着目した理由を説明する前に、まず農業参入の経緯をたどってみよう。

発端は8年前。大雪で関東地方の多くの栽培ハウスが倒壊し、自治体や農家から支援要請があった。建設資材を扱う同社なら、ハウスの復旧や建設ができるのではと期待されたのだ。

要請を受けた同社はノウハウを生かせると考えた。仮設資材の安全性や耐久性の向上に努めてきた経験から、栽培ハウスは風雨や豪雪に耐える性能が十分ではないと感じたのだ。

こうして栽培ハウスの製造と施工に参入した。大型台風など自然災害を受け、注文も増えた。ところが実績を重ねるうち、耐久性以外にも強みを持つ必要があると感じるようになった。作物の栽培スキルだ。

作物の品質や収量の向上を含む栽培技術でもハウスの特色をアピールできるよう、自ら作物を育ててみることにした。羽生市の郊外で市が整備した農業団地内で、特にキュウリを軸に技術を追求することにした。

 (中略) 

環境制御と採光量の向上で、キュウリの収量を通常のハウスより4割以上増やすことを目指す。実験を通し、栽培を軌道に乗せる感触はつかんだという。

零細な家族経営の農家の多くは新技術の導入が十分に進まず、生産性の向上が足踏みしている。だが高齢農家のリタイアが進み、人手不足も深刻になる中で、多くの作物で技術革新が求められている。タカミヤの農業参入はそうしたニーズに応える取り組みの一つといえる。

事業拡大と相乗効果


今回の話は、提供価値を高めるためのヒントがあります。

もともとは、タカミヤの本業は建設現場の足場などの製造でした。ここから農業用のビニールハウス製造を始め、さらにやっている中で別のビジネス機会に気づきました。ビニールハウスの製造だけではなく、作物栽培の技術と知見があれば、自社の優位性をさらに高められると。

ビニールハウスを作る会社は他にもあり、またキュウリなどの野菜を栽培する企業もあります。しかし、両方を手がけている企業というのはユニークな存在なんですよね。

2つをかけ合わせたからこそ、他にはできない価値をお客さんに提供できるのです。


バリュープロポジション


今回の学びの整理としてご紹介したいのは、「バリュープロポジション」 というマーケティングの考え方です。

バリュープロポジションとは以下の3つが重なるところで、自分たちならではの強みを発揮できる領域です。

出典: lifehacker

ビニールハウス製造とキュウリ栽培を1つの会社で手掛けているタカミヤに当てはめれば、

  • お客さんが求めている: 作物栽培の生産性向上
  • 自分たちができる: 環境制御型のビニールハウス製造, 品質や収穫量を向上させる作物栽培
  • 他社にはできない: どちらか一方はできる会社はあっても、両方ができる会社は他にはない

このように、バリュープロポジションが実現できている事例です。


まとめ


今回はバリュープロポジションを補助線に、強みをどうやってつくるかを見てきました。

最後にまとめです。

✓ 独自の強みをつくる
  • 3つが成立する領域 (バリュープロポジション) で、自分たちならではの強みを発揮しよう
  • お客さんの求めること × 自分たちができること × 他社にはできないこと


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。